朝に消えるまで : 『Snow Dance』の歌割りに見る妙
『EMMA』カップリングの各曲についての印象を書きとめておきたいと思います。
まずは『Snow Dance』と『スノードロップ』、雪の2曲から。『Snow Dance』の話が自分の中で盛り上がったのでタイトルにしてしまった…『スノードロップ』ごめん!
(ちなみに”妙”というのは”「いうにいわれぬほどすぐれていること。きわめてよいこと。また、そのさま。」という方の意味で使用しています。みょう【妙】の意味 - goo国語辞書)
『Snow Dance』:初回A、B、通常版収録
前奏の段階で、頭の中に雪がちらつきました。デジタルのあの丸くてフワッとしてすっと消えていくような雪。 軽くて儚く幸せになれそうもない感じ…←。しかし、舞い踊る雪のイメージはまさにスノーダンス。
そして歌詞もあわせて聴いてみると、パートごとにかなり意識的な色付けがあると感じました。*1
①描写の特徴と内容 ②パートのテーマ(ざっくり) ③歌い方の特徴(分析というより印象)
小山さんパート:
泣きそうに降る粉雪
灰色の空に
明日を探している僕らがいた
静かに舞うため息
夜に溶けてく 夢だけ残して
①一歩引いた心理的な情景描写 ②失望 ③感情をおさえた切ない歌い方
加藤さんパート:
もう何もいらない 二人の現在(ばしょ)があるなら
未来などいらない
掌の輝きを絶やさずにいたい
①独白的な心情描写 ②抵抗 ③語尾伸ばしめで秘めた熱さを感じる歌い方
手越くんパート:
この夜に抱かれて
叶わないと知って
Tonight
①短く強い端的で心理的な状況描写 ②運命 ③高く強い刺すような歌い方
増田さんパート:
君とLet's do the snow dance
今はLet's do the snow dance
今日はLet's do the snow dance
せめてLet's do the snow dance
①英語を含んだ比喩的な行動描写 ②慰め ③やわらかく受け止めるような歌い方
語彙力が無さ過ぎてつらい。”状況描写”って言わないですよね…。ニュアンスで!
小山さん(情景・失望)と加藤さん(心情・抵抗)、手越くん(運命・剛)と増田さん(慰め・柔)が互いを補完しあっている印象。一人ひとりが歌うことを最大限に活かし、歌詞においても歌い方においても、たぶんメロディーや音色においても、個々を際立たせるつくりになっているんだなろうなと感じました。同じ人物の心理を様々な方向から語っていておもしろい。個々のパートが層になって重なり一つのイメージを作っているよう。
また、パートの振り分けが絶妙。小山さんの声からはじまるのがしっくり。ためこんだような切なさが板についている。*2 加藤さんの人間味のある声にはだだっこのような青臭さのあるかわいらしさを感じます。手越くんの声は男前。運命を告げるだけある、手越くんだからこその説得力。*3 そして増田さんはやっぱりファンタジーの世界に片足をつっこんでいる。「雪に願うよ」の後の部分大サビ?では地声っぽいささやくような歌い方でドキッとする…ただの感想。
一言ずつの部分もやはり同じような印象。
小山:雪の音に隠れ
加藤:君を愛せたなら…
手越:朝に消えるまで
増田:二人Let's do the snow dance
一人1フレーズずつを歌うところ、好きです。まんまと引っかかる幸せw
そして個々のパートが同じ人物の多様な視点を現わすとしたら、最後の最後に全員で歌ったときにようやく人格が統合される感覚があっておもしろい。
ふと思いましたが、増田さんの「雪に願うよ」って「雪」を音読みして「セツ(切)に願うよ」 とかけていたりしてますか?してないか。「雪」に願うなんて心もとなさ過ぎるだろう…と思ったもので。この場合は今だけは消えないで的な儚い願いという受け取り方で良いのかな?加藤さんパートで「掌の輝きを絶やさずにいたい」→「~日々が僕らの永遠 ひと時の輝きを忘れずにいたい」とされているので、だとすると「雪」は消えてしまうものと知りつつ、その輝きに”永遠”を見る、つまり「記憶」に留めたいという願いなのか…。
それと、最後のすっと消える終わり方も印象的ですね。朝に儚く溶けたのか、”雪の音に隠れ”て音のない世界へ2人入っていったのか、などと妄想。雪に願って留めた過去の記憶からふと現実に戻った、というようにも思えるかも。すっきりしつつも不思議な余韻がある。
第一印象は「ああ…小室ファミリー…」と、電子音 × 冬の歌=小室ファミリーという短絡的な脳みその私は思いました。世代なもので。*4
でも間違いなくNEWSによるNEWSのための曲でした!増田さんの歌割り提案すばらしい。*5 そして、それをNEWSにフィットするばかりか、それぞれの魅力を引き立たせるような上質な形で実現する作詞作曲のヒロイズムさんの深いNEWS愛を感じました☆
『スノードロップ』:通常版収録
あっまーーーーい!アイドル!!な曲、という第一印象。「あなた」呼び!
そして”ドロップ”にちなんだ水音がおしゃれ。花や葉に落ちる水滴のようにも、溶けていく雪から滴る雫のようにも。
増田さんを筆頭に、全体的にやさしい歌い方。加藤さんの声も色んな表情があるなーと感嘆。手越くんのやさしいフェイクが気持ちよい。一瞬静かになってから小山さんが入るところ、そこから盛り上がりがぐんとくるところがやっぱり好きです。あと「足跡は消えていた」の短く切って歌うところ、上がります。
「さよなら 別れの交差点 足跡は消えていた」をどう受け取ったらよいのか…。「愛しくて苦しくて」「沫雪(あわゆき)消える前に ふたりだけの足跡を残して」「これが最後の朝じゃないと」という流れを考えると、やはりこれは一時のみの逢瀬で、それぞれの道に離れ離れになっていくのかなと感じます。こんなにやさしげな曲調なのにナゼ?!いずれは幸せになって~と願ってしまう。終わりはあたたかい朝の光が差すようで、さみしいけれど新たな旅立ちを感じて少し救い。*6
『Snow Dance』と異なり全員が同じ雰囲気をかもしだす。その世界にひたりたい。
特に『Snow Dance』の初聴き時には、冬の定番路線できたな~と感じましたが、NEWSにはこうしたタイプの冬の曲はなかったのですね?NEWSの冬の曲と言えば『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』の2曲と『ザ少年倶楽部プレミアム』で披露された2曲という超初心者の私にははっきりとは言えないですが、しっかり住み分けをしながら曲作りをされているんでしょうね。様々な”切なさ”を歌い方でも表現しているのがステキ。(でも、幸せになっていいんだよ?)
それに80~90年代ブームらしいし?『マツコの知らない世界』で「小室プロデュースの世界」とかやっちゃって小室さんが出ちゃうくらいだし?新鮮に聴ける若い世代と懐かしく聞ける大人世代にちょうどはまる設定なのかな~などとぼーっと考えたりしました。幅広い支持を得られそう!
2/20追記:
はわわわ。専門家から見た専門家のお話ってやっぱりすごい。専門家目線でも注目されるヒロイズムさん × NEWS…。
一方、カップリングの「Snow Dance」もアヴィーチー「Wake Me Up」以降のテイストを感じさせるEDMポップなのだが、こちらは清涼感あるシンセの音色とサビの情熱的なメロディが印象的。「EMMA」のような飛び道具感はないが、すごく力の入った曲だ。
つくる人達が込めているものの15%も受け取れていないかもしれないし、自分の感受性にすごくがっかりすることもあるけれど…。こうした情報を補足させてもらって、楽しんで見て聴いていきたい!
『スノードロップ』が収録されている通常版↓ まだ初回もあった!
*1:2/12の『関ジャム完全燃SHOW』谷村新司さん解説で聞いた「目線の使い分け」という話をきっかけに歌詞を見てみました。番組では「主人公が私の物語」「主人公が相手の物語」「第3者から見た物語」「空(俯瞰)から見た物語」という4種の分類が紹介されており、その中では『Snow Dance』は「主人公が私の物語」にあたるかと思います。関ジャム、良い番組だよなぁ。この回では草野さんも取り上げられていてほくほくw
*2:冬の定番小室ファミリーに鼻にかかった声のボーカルの方のイメージがあるからか、小山さんの声がなじみまくってます。
*3:手越くんにはいつか[Alexandros]『ワタリドリ』を歌ってほしい←いきなり願望をつっこむ。
*4:最初「増田さん、マーク・パンサー感ある…」と思っていたのですが(両方になんか失礼)、確認してみるとマークさんはラップなので全然違う。ただ、やさしめの声で英語詞を歌っている点と今回各メンバーの役割がしっかり区別されている点、手越くんとの掛け合いで歌っている点にそういう印象を受けたのかも。強く歌い上げる手越くんの横でフワッと歌う増田さんを想像すると、うーん…おもしろい画になってしまわないかな?と少々不安を抱いたのですが、『ザ少年倶楽部プレミアム』を見たら全然違和感がなく、増田さんもライブバージョンでちょっと強めに歌っており、歌い上げる増田さんの声好きとしては「こっちの方がイイかも…」とひそかに思ったりしたとかしないとか。
*5:たまには歌割りで遊んでほしい派かも。嵐の『Miles away』も新鮮で好き。大野さんありがとぉ。
*6: そう言えば『EMMA』も『Snow Dance』と『スノードロップ』も、朝が来たらサヨウナラ、な曲なんですね。汗
忘れないでね 大人に戻っても : NEWS『NEVERLAND』発売決定によせて
単に好きなものに好きなものをぶつけるタイプの、盛り上がりと勢いにまかせて自分の趣味をぶっこんだ系の内容です。誰得って?私得だよっ!!っていう。(でも真剣に選んだ!短時間にだけど!)*1
【大人になるってどういう事?】
NEWSの新アルバムのタイトル『NEVERLAND』。そう、永遠の少年ピーター・パンが住む国の。*2
このアルバムタイトルを知った時、震えました。
メンバー全員が30代に突入する年に出すアルバムが『NEVERLAND』!?!?!?!?
熱い!!!!熱すぎる!!!!なんて膨らましがいのあるテーマ!!!!これを考えた人、すごい!!!!すご過ぎる!!!!すばらし過ぎる!!!!と、もう聴く前から泣きそうです。
と、いうのも、30代前後のネバーランドは一筋縄じゃいかないから。世間で言う立派な大人、しかし外面よくして35歳、まではいってない。つまり過去をふりかえる大人目線からも、希望がいっぱいの子ども目線からも*3、夢と現実の間で悩む青年という目線からでもテーマを設定できるんですよ。なんてステキ!!!!すばら!!!!ですよ、奥様。
炎のような熱さ、水のような安らかさ、希望の光と高揚の踊り、そして不思議さと絶対的な愛。
そんなすべてが揃う夢のサウンドと、圧巻のエンターテイメントがここにある。。
ん?アルバム紹介文には、大人とこどもが関連してきそうな雰囲気はまるでないな…。←
しかし、めげずに図解してみた。↓ 棒人間のいる位置が、NEWSの取りうる立場、矢印はどういう目線で語れるか、の可能性です。…ちょっと矢印がくどいですけど。
大人とは?大人になるとは?人生の永遠のテーマの一つですよね(そうなのか?)。少なくとも、私はそう思う(適当)。しかもピーター・パンには恋愛要素もあるし、冒険シーンもあるし、ファンタジックにも語れるし、なにより、多くの人と事前に何らかの前提を共有できるし。*4 ネバーランドって完璧じゃないですか?!
それに、一般のミュージシャンだと、なかなかそこまで色んな目線では語れないと思うのですよね。歌がウソっぽくならないよう、本人のもつ雰囲気に反しない幅の中で語ることになりがち、というか。*5 しかし、ここで出てくるのがアイドルの強み。彼らは何にでもなれる。特にNEWSは。*6
是非色んな角度から切り込んでほしい。期待が膨らみます。
【NEWS×ネバーランド】
ということで、ここからは趣味に突っ走りますのでご注意を。
NEWS×ネバーランドというワードで妄想を膨らませて、勝手に各メンバーに似合うんじゃないかな~という曲をセレクトしてみました。もしこれらの曲を知らない方に(知ってる方にはメジャーな曲ばかりかと思いますが)、興味を持ってもらえたらいとうれし。
なお、私の好みと世代感がだだもれています。しかも好みはせっまーいし、その中でもなぜこれを選んだ?みたいな曲もあるかもしれない。*7 もっとあれがあるだろう?みたいな。しかも音楽の知識もないし、加藤さんみたいにプロデューサーがどなたかとか全然わかってない(開き直った)。今回は冷静に考えてないから!勢いで記憶の強いものから選んだだけだから!単に好きな曲の中から選びたかっただけなんだよ!という言い訳を叫ばせていただき、はじめます!!!!
加藤さん Gotch『Can't Be Forever Young / いのちを燃やせ』*8
Can't Be Forever Young / いのちを燃やせ - Gotch - 歌詞 : 歌ネット
Gotchとは、バンドASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル&ギターの後藤正文さんのソロ活動名です。
立場的には大人に差し掛かっている「青年」ポジションの曲ではないでしょうか。ネバーランドにはもう行かないぜ、っていう。
深刻面して「アーティスト」たちが何だか言ってら
自己啓発セミナーみたいな言葉にメロディー乗せてさ
とはじまるこの曲。淡々と皮肉を吐いているような前半。しかし他人を批評するだけで自分は何もしない人間ではなく、実は熱い。そしてぐっとくる。
世間を呪うヒマなんてないさ
いのちを燃やしたいだけ
この曲は私の中での加藤さんのイメージにけっこう重なります。色んな面がある人だとは思うんですが、こういう一面もありそうだな、と。(小説を読んでいないのに、勝手なイメージでゴメン!←) 自戒している、という方向であるかもしれない。
それと、”つくる人”感がある曲だということも加藤さんをイメージさせる要因なのかもしれないです。
それでも永遠を願ってしまう
一瞬だけ入るこの言葉が、効いています。言葉のリズムも他のところとは違っていて印象に残る。アイドルとしての加藤さんはこちらを演じる…信じる?
↓この曲は1:12~1:24あたり。
↓アマゾンでは別の部分が試聴できる。
増田さん スーパーカー『YUMEGIWA LAST BOY』*9
スーパーカー/歌詞:YUMEGIWA LAST BOY/うたまっぷ歌詞無料検索*10
これも「青年」ポジションかな。ネバーランドでモラトリアムっている少年~青年期という雰囲気。増田さんがそうだということではなくて、こういうイメージが似合うのではないか、という選曲理由。『Sky Beautiful』の前半の雰囲気を思わせるような。アーティスト*11 感がある。
夢際のラストボーイ 永遠なる無限 触れていたい夢幻
夢際のラストボーイ 永遠なる夢限 揺れていたい夢幻
言葉を繰り返し、「無限」「夢限」などと一言一言を微妙に変化させて重ねていくところもイイ。音で聴く分には同じですが、歌詞を見るとさらにふわっとまとう感覚がある。
音とことばが溶けていき、ずっと続いていくかのよう。感覚的に語りたくなる魅力も増田さんのようです。
浮遊感に身をまかせたい。ファンタジー増田。
立場的には、青年期と大人を行ったり来たりしているような。基本大人界にいるのだけど、時につらくなったりする。
前にスピッツ『テクテク』を小山さんに重ねてみたので、もう少し違う明るめの雰囲気を持ってきたいなと探したのですが、ピンと来るものがなくて。切ないけれど、期待を持たせる終わり方をする曲なので許してほしい。*13
たぶん小山さんはこの曲よりは年齢感が上だとは思いつつ。花火とか行っちゃって、こんな感じだったらかわいいな、と思って選びました。少し過去の青春時代を思い出す雰囲気で。『恋祭り』感も少々。
真夏のピークが去った 天気予報士がテレビで言ってた
小山さんをイメージするとちょっとおもしろい。←
世界の約束を知って それなりになって また戻って
というところが、大人と青年の行き来ポイント。大好きです。
すりむいたまま 僕はそっと歩き出して
ここも、小山さん感あふれてる。(私の中で)
↓全部聴けるなんて贅沢だなぁ。アルバムも私が言うまでもなく名盤です。
手越くん KIRINJI『真夏のサーガ』
手越くんについては、特に、私には手越くんがこう映る、という目線で選ばせてもらいました。歌詞も主人公の”君”を見守る視点で描かれている曲です。
夏というネバーランドにいます、手越くんは。
作詞作曲の堀込高樹さん曰く「体力が少しずつ衰えていく一方で、子どもたちはどんどん成長していく。そういう現実に影響されていると思う」*14 とのこと。わりとひねった詞を書かれる方ですが、この詞はどこを切ってもまぶしい。フェスを意識してつくった曲ということで、はちきれんばかりに力強く高揚していくのも手越くんをイメージさせる気がします。
南風は夏の使者
囚われ人を解き放つ
旅をしよう
見知らぬ友を求めて
始まりはゆったりした雰囲気。でも早速冒険に出発してしまいます。手越くんですよね、この少年は(←)。ちなみに「アンセム」が歌詞に出てきたりも。
色あせた夢は昨日の太陽に焼べたね
この1フレーズが入っていることで深みが出て、光の強さがさらに増すように感じます。少しNEWSの歴史にも重ねて見てしまう。だからこそ輝くんだなぁなんて。
真っ赤な夏のサーガ
君こそは英雄
響け、夏のシンフォニー
あるだけの知恵と魔法を信じる心で
君は奇跡を起こせるか
光のこどもたちよ!
どんどん盛り上がってくるに加えて、まぁ、強い言葉が並ぶ。でも”君”も手越くんもこのまばゆさに負けない!(新興宗教?) アイドルを見ているとこういう気持ちになることもある。胸がいっぱい(精神状態)。
ネバーランドで生きていくことを決断した人というのも、自分の生き方を決めてそこに向きあって生きているという意味では完全なる”大人”だという気もします。
全然「光のこどもたち」じゃない人でも励まされる、力が湧く曲です。 何度聴いているかわからない。
↓いいところで切れてるな~。
なんだか想像以上に長くなった…。でも楽しかった~w
きっとここに上げたような目線で作られる曲は1つあるかないかなんだろうな…とは思いつつも、NEWS×ネバーランドの妄想は止められなかった。後でふりかえって、この記事恥ずっっとなるのだろうな…。
とにもかくにも、どんな曲が聴けるのか、今から本当に楽しみです!
そして、NEWSの話になんで別の曲をぶちあててくるんだ?っていう素朴な疑問については、どっちかに興味がある方が別の方にも興味を持ってもらえたらなんて下心もあるけど(そこまで文才があるとも思えないし)、大部分の動機はただただ好きなことを語りたいだけ、である。
タイトルはスピッツ『未来コオロギ』より。「行ったり来たり できるよこれから」という歌詞に続く部分です。ここで「大人に戻っても」としたことに、草野さんは自分が大人になったことを感じたんだとか。↓
*1:ブログは書いても週1にしようと思っていたのに書かずにはいられなかった…。
*2:きっと『ピーター・パン』関係の何かを摂取しておけば、すこぶる楽しめるに違いない。でも、そうしたものを摂取する前に聴いて、その後摂取して、そうして印象の変化を楽しむなんてのも良いかもしれない。もうワクワクが止まりません。ちなみに私は今のところディスニーとハウス世界名作劇場(歳がばれる)のイメージがかろうじてあるくらい。
*3:ここはファンタジーの力を借りても良いし。『ポコポンペコーリャ』を歌えたNEWSならできる!
*4:『関ジャム完全燃SHOW』で音楽プロデューサーのいしわたり淳治さんが、SKE48『金の愛、銀の愛』について、童話をベースにすることで、説明しなくても共有できるイメージが作られていることをほめていました。この路線だね。
*5:それがマイナスとは思わない。自分の表現したものよって結果的にイメージが作られるわけだし、それは曲の強さであり魅力になると思うから。自分についたイメージをひっくり返してくる場合もあるし。もちろんこれに当てはまらないファンタジータイプの方もいるとは思います。※作詞作曲を自分たちでしているミュージシャンをイメージしてます。
*6:『EMMA』で新たなキャラクターを登場させたばかり。
*7:全アルバムを持っているのはスピッツくらいなもので…。でもインディーズ時代のものはない。
*8:ラジオで一聴きぼれした。ラジオって出会いがあるから楽しい。
*9:あ、そか。映画『ピンポン』の曲か。作詞はJUNJI ISHIWATARI→現音楽プロデューサーのいしわたり淳治さん。スーパーカーの方だったとは驚いた。スーパーカー『cream soda』とも少し迷った。全然関係ない話ですが、加藤さんはフルカワミキさんの声好きそう。
*10:Uta-Netの歌詞が間違っているようでしたので、こちらから。(「無」と「夢」の部分)
*11:”ミュージシャン”のことじゃなくて、”芸術家”の方のアーティスト。
*12:すごい想い入れの強い方も多いのではと思ったので、軽々しく引っぱりだせないとは思いつつ。名曲だから聴いてほしくもある。
*13:まずスピッツのタイトル曲をイメージした。他には、真心ブラザーズ『サマーヌード』とかどう?と思ったんだけど、山Pというあまりにも近い人が歌っていたので断念。『サマーヌード』の小山さん…エロさが良いと思う。
*14:インタビュー:ほかの誰でもないKIRINJIのポップス、ストレートでシンプルな新作「真夏のサーガ」 - CDJournal CDJ PUSH
サヨナラまで : 2cmの距離感と、愛しく悲しいEMMA残し
EMMAを新たな「声に出して歌いたい名前」に認定します★
ということで『EMMA』!!ようやく!!!Mステに間に合った!!!!*1
まずは気になっていた”2cm”から。
★歌詞のこと:”2cm”って?
増田さんが歌う「サヨナラまで2cm」。2cmって何から来ているのだろうと気になっていました。たぶん銃か何かに由来する単位なんだろうと思って見てみたら、これかも?という”2cm”を発見したので書いてみます。
それは、銃弾の長さ。わりとポピュラーなサイズに9×19mmというものがあるそうなんです。9mmは弾の太さ、19mmは長さ。(←付け焼刃知識)
つまり「2cm=弾1つ分」という表現なのではないのかと。例えばデザイン業界の人が20cmと言われたら「A4の短辺くらい(21cm)」、競馬業界の人が2.5mと言われたら「1馬身くらい(約2.4m)」とイメージするように(するのか?)、ハードボイルド業界で共有する単位としての”2cm”「弾一つ分の距離」という用い方なのではないでしょうか。確信は持てないけれど。
”2cm”の意味がもしもこのようなイメージであるなら、サヨナラまでのスピード感がつかめてきそうな気がします。ざっくり言って、けっこう速い(←語彙力)。それと、互いに命をかけているような、切羽詰った状況という雰囲気もさらに強まる気がします。サヨナラまでの2cmがますます切ない。そしてこの主人公は日常会話がハードボイルド言語であるような、業界にどっぷり浸かって抜け出せない悲しいヤツという哀愁も感じさせます。
銃の知識がないと読み解けない歌詞なのだとしたら、そういう意味でも男性っぽいと言えばそうなのかもしれないですね。
ちなみにMVの銃についてはデザイン的にこれかなと。アメリカ発祥らしいし、携帯しやすく女性の護身用としても使われるイメージがあるそう。そして、この銃で使用する弾は9×19mmだとか。
2つ目のサイトでは「古い1911系ピストル全般」と紹介されているので、その古さが『EMMA』の世界観に合っているから採用されたのかな?とも。ビジュアル的にもすっきりスマート。たぶんアメリカンハードボイルドな物語と関連した由来などもあるのでしょうが、果てしなさそうなので断念。詳しい人の解説が見たい…。
★歌い方のこと:吐き捨てる感じ
語尾の力強さが印象的でした。歌い方に粗さを出しているということで、吐き出す感じというか吼える感じというか。下記、ぐっとくる吐き捨て感。
・加藤さん にぎらせ~ぇ゛
・小山さん なみだする゛~ぅ゛
・手越くん せないほど~ぉ゛ あおお゛~ぅ゛
全員で歌う時の エマッ エマッ エマぁ゛っ の吐き捨て加減もステキ。
「゛」多様で表現したくなる歌い方。名のあるテクニック的なものなのでしょうか?キャッチーの中にあるハードボイルド感!
そして増田さんは、エマッ えま… エマぁっっっ のエマ3種盛り。3度おいしいエマ。
★MVのこと:手つき・モノクロ・EMMA残し
余談ですが、メニューが出る前の4種の見返り美人(男)にまず足止め。振り返っているのはエマと過ごした記憶?「消えないようにキズつけてあげるよ~♪」*3 的な”悪さ”があるエマちゃん。
4人の画面が並ぶところでめっちゃテンション上がるとか、個別に、小山さんの「悪い女」で目を合わせるところにドキッとするとか、手越くんの腰使いがすごいとか、加藤さんの口の閉じ方がツボだとか、増田さんの色々色々を書きたいですが、それは私的に楽しむとして…。
【擬人化と接触】
見所の一つはいやらしい手つき(←)ではないでしょうか。
メイキングに加藤さんがギターを女性に見立てるよう伝えられている演出シーンがあるように、それぞれの担当アイテムを擬人化して触っているシーンが随所にあふれています。担当アイテムである増田さんの車と加藤さんのバイク・ギターは、”俺の相棒”というイメージが一般的にも思い浮かびやすく擬人化することが容易だと思うのですが*4、手越くんはビリヤード、小山さんはダーツという相手。この2種は飛ばしたり打ったりの接し方なので擬人化が難しそう。*5 しかし!!2人はやってくれますね。ビリヤードの棒(キュー)をあんな風に扱う人います??それとダーツを抜くときに「じらしをやってみました」って何???難題を、むしろいきいきとクリアする2人。間違いなく変態だわ…(ほめてます)。
【モノクロ+赤】
全体にはモノクロ+赤の世界。元々歌詞の中に描かれる赤が印象的です。「血が流れても」「赤い夜明け」「濡れた唇」。歌詞の段階からMVのイメージを平行して描いていたのか気になる。その物自体は直接的に赤くはないけれど、火や血をイメージさせるモチーフには、銃(爆発・火薬、血液)、タバコ(火)※MV中 なども。*6 最後に雨が降るのはそうした火や血を消し去り洗い流す役割をしているようにも感じます。
その他に歌詞の中に出てくる色のイメージは、ギムレット=黄(ハードボイルドの作家だというレイモンド・チャンドラー『長いお別れ』では「うすい緑がかった黄色の神秘的な色」と表現されているそうです。原典からでなくコピペにて失礼!(汗) 裏取りお願いします←)、ピストル=モノクロの金属色、野良犬=イメージ的には茶褐色?黒?、ギター=茶褐色、月=白、薄い黄、夜=深い色、黒。ここから感じるのは、衣装の色はこれらのモチーフからピックアップしたのかなということ。加藤さん=赤全般、手越くん=ギムレット、小山さん=夜、増田さん=ピストルかな?革のハーネス(と言うの?)がっぽいと言えば、っぽい。手越くんの衣装の色については増田さんが見つけたときに「これだ!」と思ったという話を聞いた記憶があるので、選ぶ際の判断基準に思い入れの強さを感じ、ギムレット由来で正解のような気がしますが、小山さん増田さんは妄想に近いかも(汗)。
赤以外は基本モノクロ。主としてエマ関連が赤い。*7 エマの髪色を金髪でなく濃い目の髪色にしたのは、モノクロの世界の中での存在感を出すため?あるいはジョーカーのイメージなんでしょうか?
そして、バックがトタンのシーンだけ、NEWSメンバーにも黄~茶褐色が差されます。そこで改めて映えてくるのが衣装の色。
赤:加藤さんの衣装(ヒロイン色!)、増田さんのインナー、小山さんの腰の紐、手越くんのチョーカー(+指輪・ピアス)、そして手越くん以外の腕章のロゴ*8。各メンバーのポイントポイントに赤が差し込まれているのだと気がつきました。質感を変えつつも、色で韻をふんでいる。*9
その他に薄く色づいているのが増田さんの髪、手越くんのジャケット。手越くんのジャケットの色はモノクロだと明るめに出るから、首から下がる赤いラインは全体を締める効果もあるのかなと感じます。
【EMMA残しゲーム】
そういえばモノクロ+赤=トランプの色ですね。でもモノクロ画面では、ハートとダイヤの赤も黒になっていて、赤いのはジョーカーのエマだけ。
ババ抜きならぬ「エマ残し」。
そんなゲームが元からあるのかな、とちょちょいと検索してみたら(検索好きでスミマセン)、こちらもちょっとおもしろい話があったので貼っておきます。
たぶん演出とは関係ないのだろうと思いますが、 ババは元々「オールドメイド」という「適齢期を過ぎた未婚の女性」を表すのだそう。元々はクイーンを1枚抜いて、誰とも結ばれない女性=オールドメイドをわざと作って、やっていたゲームなんだとか。*10 NEWSメンバーはエマの取り合いをしていたようですが、エマ(誰とも結ばれない運命の女性)は出て行くことを決めていた、と考えるとちょっと切ないですね。鏡をのぞくエマは出発の準備をしているようにも、「あなた 私の幻を愛したの~♪」*11 的な心境を表現しているようにも感じます。
最後の銃に打ち抜かれた穴から朝の光が差し込んでいるシーンが好きです。きれい。NEWSメンバーは振り付けで何度も打ち抜かれているのに、エマは一度も打ち抜かれない。打ち抜かれた穴(実態のない存在)とそこから差す光は、エマ自身を表しているようにも、エマとの鮮烈な記憶を暗示しているようにも思えました。
CDTVの初披露を見てからというもの、エロとセクシーと悪いエマちゃんにばかり気を取られていたけれど、冷静に考えると悲しい歌、別れをわかっていながら…という歌なんだものね。*12 単にエロくて悪いエマじゃなく、大人で切なく意志の強いエマの肖像が浮かんでくる気がします。
アメリカンハードボイルドの世界についての知識が皆無なので、感じ取れていないことが多そうですが…〆。なんかエモさがある文章が書けずに申し訳ない。
色々な感覚で世界観にいざなわれる曲!!『EMMA』でした。
では、Mステのナマエマへ…。
*1:これからブログ巡りをしますので、内容がかぶっていたらごめんなさい! それはそうと、今週の小山さんの『メンバー愛』には色んな意味でドギマギさせられた…
*2:弾の外面の素材は真鍮と銅?MVのマイクスタンドのパイプは真鍮のようですね。でもその他の金属が真鍮縛りということでもないので、弾に関係しているわけではなく、重厚感や古びの演出かな?ちなみに、9mm Parabellum Bulletのバンド名の由来である弾らしい。…全然関係ない話ですが、「パラベラムの名はラテン語の諺「Si Vis Pacem, Para Bellum」(平和を望むならば戦いに備えよ)に由来している。」というの、ちょっと興味深いですね。皮肉と捉えるか、少年マンガ的に捉えるか。
*4:まず思い浮かぶのが「こんな夜に お前に乗れないなんて~♪」by RCサクセション『雨上がりの夜空に』でも、増田さんは車というよりクッションを触っているので、単に彼女がいなくなった跡を惜しんでいる風。意外と一番擬人化的ではないかも?
*5:そのためか、2人にはそれぞれ柱とサンドバッグを触るシーンもあるw あ、小山さんはバラもあった。
*6:そんな中、赤であっても良いのに白いのがバラ。これはちょっと不思議。単にモノクロの画面上で色を抜くことで目立たせるため?それとも花言葉とか?…謎は解けず。
*7:唇、爪、傘、帽子の飾り、ドレス、ジャケットの襟
*8:ちゃんとエマ×3だったんだね。縁取りは増田さん赤、小山さん深緑、加藤さん紺?
*9:その他の色も、黒、紫紺、深緑、金(黄)、白くらいで、それほどバラつきはない。
*10:なんだか非常に複雑な気分…w エマちゃんもまあまあな歳の女性にしたのはだからだったり?
*11:杏里『オリビアを聴きながら』
*12:小山さんと手越くんについてはセクシーを味わえばいいと思うけど(←)、増田さんと加藤さんの悲しげな表情にセクシーにばかり目が行っていてゴメン…となる。