キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

僕だけがあなたを愛せる:2人のオトコから愛されたい時は『FOREVER MINE』を聴け

愛、足りてますか?←

アルバム『NEVERLAND』が発売されてから1ヶ月半。ライブもまだだし…(暗) そろそろ邪道な聴き方をしても許していただきたい、ということでそんなお話です。*1

 

僕だけが

あなたを守れる

この世界でひとり

 

僕だけが

あなたを愛せる

他のどんな誰より

このフレーズから始まる曲こそ、ご存知NEWSの最新アルバム『NEVERLAND』通常盤にて増田さんがカバーした、山下達郎さんの『FOREVER MINE』。*2

今回のカバーにあたっては、達郎さんがオケをそのまま提供してくださったそうで、達郎さん曰く増田さんによる「完コピ」とのこと*3。そういうカバーというのは、本人による再録以外には珍しいように思うのですが、どうなのでしょう?詳しい人に尋ねたい。

 

さて、この記事を書くきっかけは、自分のポータブルプレイヤーに『NEVERLAND』を入れた際に、達郎さんの『FOREVER MINE』を一緒に入れたことにあります。(達郎さん、とりあえずの1曲だけでごめんなさい(汗))そのため、新しく入れた曲を全て聴くと、流れで増田さんの『FOREVER MINE』から達郎さんの『FOREVER MINE』が再生されることになり、2曲続けて聴く機会が増えました。

歌い手が異なるだけの曲を続けて聴いたらあきそうだって思います?

全然あきない。

やっぱり歌い手の表現力がすごいんだろうと思います。達郎さんは「僕のニュアンスと全然違いますね。やっぱりじじいと違うっちゅう感じがしますが(笑)」*4 とちょい自虐を入れつつ増田さんバージョンを評していますが、本当に受け取れるものが違う。ちなみに「増田さん、まぶしすぎる…(涙)」となった後、「達郎さん、優しすぎる…(涙)」となるのが私の定番コースです。

そんな違いを楽しんでいたある日、気がついた。「これは妄想してしまえる…」と。

と、いうわけで前置きが長くなりましたが、山下達郎氏と増田貴久氏、両者の『FOREVER MINE』を聴きながらの妄想記事スタートしたいと思います。

 

なお、これらの妄想はあくまでお2人の曲から感じるイメージ(の一部)を素材にしたフィクション(妄想)であり、実在の人物(増田さんと達郎さん)とはまるで関係ありません。

※僭越ながら、一応まじめに感想を書いた記事はこちら。↓ こちらでは、純粋にお二人の曲から感じる印象の違いについて書いたつもり。

chikachika04.hateblo.jp

 

目次

 

そもそもなぜ『FOREVER MINE』で妄想なのか

補足するまでもないのですが、この曲は映画『東京タワー Tokyo Tower』で使用され、達郎さんによると「不倫の男女が心の中に常に抱えている、死の暗喩(メタファー)についての歌」*5 だそうです。

FOREVER MINE - 山下達郎 - 歌詞 : 歌ネット

そうした制作背景によって、下記の要素が際立つ曲となっています。

(1)自己主張が強い

とにかく「僕」がせまってくる。歌詞には「僕」が8回出てきます。フレーズとしてのまとまりが16、17個くらいある中での8回なので、フレーズの半数に「僕」が登場することに。メロディー的にも冒頭で歌われたりタメがあったりと、強調して繰り返されます。なお、達郎さんは恋愛系の歌では他にも「僕ら」という言葉をよく使用されているのかなと歌詞をざっと拝見して感じたのですが、『FOREVER MINE』には「僕ら」は一回も出てきません。

(2)独占欲が強い

そして、単なる「僕」アピールじゃない。「僕だけが あなたを守れる この世界でひとり」「僕だけが あなたを愛せる 他のどんな誰より」であり、「僕と 本当の愛の静寂へ」である。「ありのままの 自分に還る」という表現も、「僕」と一緒でない時はそうではない、という主張です。常に「僕」じゃない存在に対抗意識を燃やしている。何より、タイトルが全てを物語っています。

(3)ただ愛されていればいい

それでもって、二人称の「あなた」は特にすることはない。守られ、愛され、抱きしめられ、夢の続きを思い出しながらありのままの自分に還れば良い。いたれりつくせり。甘やかされまくり。笑顔を向けるでもなく、正面きって向き合うこともなく、ただ横顔を見せていればいいのです←。うーん、ひどい。魔性。

 

つまり、この曲の独特な世界観によって、増田さんと達郎さんの曲を聴くと、「僕の方が」「いや、僕の方が」と、2人に奪い合われているような気持ちになれるという魔法が生まれてしまうのです。なんて恐ろしい…。(自分のバカさ加減に一瞬心折れそうになりましたけど、最後までがんばります。)

あ、もちろんこうは聴かないで、優しいラブソングとして聴くこともできます!多くの聴き方のうちの、今回の方向性としてピックアップさせてもらいました。

 

妄想パターン紹介 

「こんな感じ」と説明するために、妄想パターンにはマンガやドラマや映画の例をつけてみました。しかし、私自身の恋愛メイン物語の知識がザルであるため、なかなか適した例が出てこなかった…。先に謝っておきます。好きな構造で妄想してください。(それと、歌詞がイメージさせる肉体関係の有無については考慮せずに選出しております。)

 

妄想パターン1:歳の差で聴いてみる

主人公が2人の男性から愛されるのは、いつの時代も、恋愛ものの王道パターンの一つですね。増田さんと達郎さんの歌声の違いから歳の差恋愛系で色々妄想できます。

【同級生 VS 先生】

例はマンガハチミツとクローバーでしょうかね。聴く人は、はぐちゃん的な立場になったつもりで。

実際のハチクロはもっと関係性が複雑ですし、彼らが互いに主張し合うような感じはなかったと記憶していますが(人から借りて読んだのであいまい)、出会ってまだ浅いさわやかな青年とずっと近くで見守ってきてくれた男性…的なイメージの例として。

ぐぐ、ネタバレになると思うので、これ以上書けない。あの人は抜いております。増田さんの歌とはイメージが少々違うかなと思ったので。達郎さんの歌声だと、もう少々年齢層高めの印象なのですが、なかなかぴったり来る物語が見つけられずごめんなさい。

【同期(または部下) VS 上司】

例はマンガガラスの仮面が適していると思うんですけど、どうでしょう。桜小路くんと速水さん。もちろんマヤ的な立場で聴きます。曲から受ける印象としては、年齢的にもなかなか適していると思うのだけど、物語としては…あまり萌えないかもしれませんね…。(←失礼。しかし、恋愛ものとしてはキャラが濃ゆいから…。)

片側だけならマンガ『娚の一生』とかが良いと思うのですが、若手が強くない。なかなか両者が同レベルの愛をぶつけている物語が見つけられず断念。『娚の一生』は映画だとまた違うのかな?まだ見ていないため現状わからず。

 

妄想パターン2:時の流れで聴いてみる

増田さんと達郎さんの声から感じる年齢の違いを、現在両方に挟まれていると捉えるのではなく、記憶と現在という時間差で捉えるパターン。

【過去の人 VS 現在の人】

例はドラマ101回目のプロポーズ。失った恋人と武田鉄矢さんの間にゆれる浅野温子さん的立場で。

結構古いドラマなので補足すると、武田鉄矢さんの「僕は死にません!」の台詞で有名なドラマです。浅野さん演じる役の女性が婚約者を事故で亡くし、再び大切な人を失うことを恐れているという状況があり、彼女に思いを寄せる武田鉄矢さん演じる男性が彼女の心を開くためにトラックの前に飛び出て「僕は死にません!」と言ってみせる、という流れ。

これは大変切ない妄想なので…ご紹介まで。(それにドラマでは元彼がわりとお歳を召していたと思うので「他に何かないか!?」って思ったんだけど、出てこなかった!)

元彼が生きているんだけど理由あって離れ離れになってしまい、でも忘れられない系の物語も絶対あるはずなんだけど思い浮かばず。この場合は「もうあの頃の私じゃないの…」的な方向にも膨らみます。

【過去のあなた & 現在のあなた】

増田さん・達郎さんという2人の歌い手を、同一人物の過去・現在と設定した場合。

例は映画紅の豚。ジーナ的立場になってください。マルコからポルコまで。幼馴染の少年が大人になっても、ずっと見守っているイメージ。賭けはどうなったんだろう。

これはなかなか良い例を見つけたと自画自賛。ただ、恋愛にぐいぐい行くような物語ではないので、歌詞の雰囲気とは少々ずれてしまうのですけど。

ちなみに、ジーナの夫のベルリーニのことを考えれば「過去の人 VS 現在の人」パターンにもなってしまう。戦時中はそういうことが数え切れないくらいあったわけですね。

 

妄想パターン3:サスペンス仕立てで聴いてみる

こういうパターンも可能なか~と思ったので少々の変化球として。

まず、増田さんの歌声が若々しくフレッシュなことが、歌詞に対して少し無邪気というか「背伸びしている」感ともなり得るのではないかと思うのです。これは増田さんが歌いこなせていないということではなく、達郎さんの歌声と比較した時に感じるもので、人生経験の差とでもいうしかないものです。そして、それが悪いわけでもない。だからこその輝きもあるわけですから。ついでに言えば、私が増田さんより年上だから勝手に感じるのかも、とも思うし。

一方達郎さんの方は、不倫をイメージした曲だからこそ、嫉妬心や執着心をその中に感じながら聴くことができるのではないかと思いました。もし両思いでなく、男性側の一方的な思い込みとしてこの歌詞を受け取ると、愛は束縛に変化する。優しく包み込むような声が、真綿で首を絞めるような恐怖に(あおりすぎ)。元々の設定を逆転させて、不倫相手に妻をとられそうな危機感を感じている夫側の歌として聴いてみてはどうかなと。

と、いうことで…

【若いツバメ VS 束縛する夫】*6

例はドラマ『紙の月』の満島くんと、ドラマ『Nのために』の徳井さんかな、と。もちろん原田知世さんと、小西真奈美さん的立場で。ん~、どちらも複雑だ。そして、ネタバレになるので全然説明できない。←

増田さんの歌声はそんな適当じゃない!ので、満島くんの役の初期段階をイメージしていただければ…。

達郎さんの歌声もそんな暴力的じゃない!ので、がっちりはまっているとは言いがたいけれど、あくまでイメージで。まだ見ていないのですが、ドラマ『あなたのことはそれほど』の東出くんの役柄とかはどうなんですかね?マンガは途中まで読んでいて、その時点ではそんなに怖い感じはなかった気がするのだけど。しかし、どちらにしろ年齢が合わないか…。

書いてはみたけれど、やっぱりこのパターンは聴きにくいですね。「こういうイメージで聴くんだ…」と念じながら聴かないといけないから。油断するとキュンとしちゃう(笑)

 

妄想パターン(別枠):間の存在を無くして聴いてみる ※『逃げ恥』ネタバレ注意

これ、例をドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にしたいのですが、かなりネタバレなのでこれから見たい方はこのパターンを飛ばしてください!(他の例もネタバレ気味かもしれませんが…『逃げるは恥だが役に立つ』は特に”ネタバレ感”が強いので予告。)

ヒ 

「間の存在を無くす」とは、つまりは増田さんバージョン、達郎さんバージョンが互いに対して歌いあっている、と捉えるということです。恋愛の多様性。

このパターンの場合、聴いている私=「あなた」ではなくなり、この記事のタイトルには収まらないので「別枠」としました。恋愛の形が「別枠」という意味では決してありません。

例はドラマ逃げるは恥だが役に立つ。見た方はご存知、彼と彼の発展系でどうかなーと思いました。年齢感も合うし。結局ぼかしましたが、見た人にわかれば良いですかね…。

きっと理解は広がってきてはいるものの、ご本人や周囲の環境によってはまだまだ葛藤が大きい状況だろうと思います。そうした感情に、「僕だけが」「ありのままの」等が当てはまるんじゃないかなと感じたので付け加えてみました。

 

 

 

今回もわもわした妄想パターンは以上です。

ちょっと違った味付けで『FOREVER MINE』を聴きたくなったら、是非妄想しながら増田さんと達郎さんの曲を一緒に聴いてみてください~。って、言われなくても?

ちなみに、私自身は妄想して聴くのはむしろまれです。信じてもらえないかもしれないが(汗) 

 

それにしても、こんなに妄想が膨らむのも曲のおもしろさと歌い手の表現力のおかげ。フォローを入れるわけではなく、本当にそうだと思うので…今さらながら、達郎さんの曲と、達郎さん増田さんという歌い手を讃えておきたい。

 

 

おまけ:『FOREVER MINE』の一番危険な聴き方

夜に一人で車を運転しながら聴く。これです。

前奏が流れ出した時点で、おもしろいほど胸につき刺さってくるので、是非一度試してもらいたい。

おススメは増田さんから聴くこと。加藤さんが『シゲアキのクラウド』で「沈んだ街を照らす、爽やかな光」と述べたように、まぶしく純粋な増田さんの『FOREVER MINE』を、暗く寒い車の中で1人聴く、この落差。新規なのにNEWSファンの平均年齢をぶち上げている独身には刺さりまくるのです。アッポーに刺さったペンなど目ではなく、リリスに刺さったロンギヌスの槍くらいには深くやられます。*7 

その後、達郎さんが登場すると、大人の余裕で懐深く受け止めていただき、こんなダメダメでも許される気がして、私にもまだ何かあるかな~なんていう儚い希望がわき、前から増田さんに刺されたと思ったら今度は後ろから達郎さんに刺されて苦しくなるという現象が起こります。

……たまらん。←

ちなみに運転しながら聴くと、「美しい横顔」って今?今の私?なんて妄想もできるので、それもまた良し。(違う)

ただし涙もろい方は本気で危険なのでやめてください!前が見えなくなるからね。

 

はい。ヒマを持て余した NEWSファンの 遊び でした。*8

 

毎度、全然宣伝になっていないでしょうけど(汗)、貼っておきます↓

tower.jp

tower.jp

tower.jp

 

*1:ライブ前にはちゃんとストレートに聴きなおしますから!

*2:山下達郎さんの『FOREVER MINE』は、2005年シングル『FOREVER MINE』、2005年アルバム『SONORITE』、2012年ベストアルバム『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』に収録。

*3:サンデーソングブックJFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット)、2017/3/26と2017/4/23にてお話されたそうです。

*4:サンデーソングブックJFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット) 2017/4/23

*5:『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』のブックレットp47より

*6:”ツバメ”については「権力ある女性が面倒を見ている若い愛人」くらいの意味で使用しました。なお、念のため調べたら、こういう使われ方になった理由がおもしろかったので、気になった方は是非見てみてくださいっ。

*7:エヴァ好きな方に白い目で見られそうな例。

*8:© モンスターエンジン

君のおっぱいは世界一:今、「小山さん!」なスピッツ3曲

小山さん、33歳の誕生日おめでとうございます!うん、何日かたったけど!

語るのは私には難易度が高い…と思いましたので、ちょっと方向を変えて、元々やりたかった「メンバー×スピッツ」を誕生日にかこつけてやっちゃいます!わーい、自己満足記事だよ。

 

1.個人的に、今一番「小山さん!」な曲

『小さな生き物』

www.youtube.com

小さな生き物 - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

なんとなく小山さん!公式小山さん!

曲の雰囲気も、詞も小山さん~!(私の中で)

知らないままで 過ごせるのなら その方が良かったこととか

それでも進む とにかく先へ 有っても無くても

もう一度果てをめざす

とか、

深く掘って埋めても 無くせないはずだから

裸の言葉 隠さずさらす そこから始めよう

とか。

そして、

負けないよ 僕は生き物で 守りたい生き物を

抱きしめて ぬくもりを分けた 小さな星のすみっこ

 の「守りたい生き物」をNEWSという存在だったり、ファンだったりでイメージすると、かなり小山さん。*1

小山さんは”このごろのスピッツ”感があるなーと思っています。ちなみに”このごろのスピッツ”とは極個人的に『三日月ロック』あたりから。2002年発売だけど。現在の一般的なスピッツのイメージはこのあたりからなのかもしれないですね。私自身は『ハチミツ』世代なので、もっとこてこてな印象が強くて。小山さんにスピッツ曲がわりとはまると気づいたときはちょっと驚きました。

 

2.個人的に、今一番「小山さんが歌ったらキュン!」な曲

『ワタリ』

ワタリ

ワタリ

試聴部分的にはこちらもおススメ→Amazon CAPTCHA

ワタリ - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

誰のせいでもねぇ すべて俺のせい

マジメ過ぎただけ 君が見た夢

とか、歌ってほしい。

心は羽を持ってる

この海を渡ってゆく

それでも掟を破ってく

黒い海を渡ってゆく

とかね、歌ってほしい。 

手越くんっぽさもあるなーと思ったのですけど、今は小山さんに託したい。(誰?)

言っておきたいのは、小山さんに何かの責任を押し付けたい訳じゃないということ。むしろ逆です。

色々なことをぶっちぎって飛んでいってほしい。

 

3.個人的に、今一番「小山さんに歌わせたい!」曲

『おっぱい』

おっぱい

おっぱい

おっぱい - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

君のおっぱいは世界一

君のおっぱいは世界一

もうこれ以上の

生きることの喜びなんか要らない

あしたもここで君と会えたらいいな

増田さんにしようかと思ってたんだけどね~。小山さん曰く、谷間には「夢と希望がつまってる」らしいですから。*2 そこまで言うならしょうがない、小山さんに譲ろう!(だから誰?)

いやいや、”おっぱい”のインパクトに負けない、すごくいい曲なのですよ。たまに熱唱したくなる。

「君のおっぱいは世界一 もうこれ以上の 生きることの喜びなんか要らない」は、Mr.Childrenの「君が好き 僕が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい」*3 と≒だと主張してみたい。Mr.Childrenファンの方に怒られるかもしれないけど。でも桜井さんはスピッツの曲では『おっぱい』が好きと語ったという話があるので*4、あながち違わないのではないかと思っています。

 

はー。小山さんのこと考えた~!

以前から妄想をストックしていたのですが、改めて考え出すと、けっこう変化しているものですね。選びなおしましたが、またすぐ変わるかもしれない。今選んだ、今「小山さん!」なスピッツ3曲でした。ワンフレーズなら是非ここを!とか、雰囲気ならこれ!っていう曲もありましたが、がんばって絞った。

なかなかの自己満足度な記事ですけど、楽しかったです。

 

Johnny's webのロゴも一新して、渋かっこいい感じになりましたしね。これからの小山さんはこういう方向に向かっていくって決めたんだな~なんて勝手にしみじみしています。

33歳、充実した1年になりますように

 

*1:草野さんが「守りたい」って言葉を使うなんて!?と当時は衝撃を受けた…。だって草野さんが…。←衝撃覚めやらず。

*2:『KちゃんNEWS』2017/1/31より

*3:Mr.Children『君が好き』より

*4:情報の出所はわからず。わかったら更新します。前々から聞くので、古い情報源のもよう。

物と言葉と二つの扉を開ける力:『小さなお茶会』と”鍵”をめぐって

※今回はマンガの話!NEWS的には余談も余談です。少プレまだ見れてないし…。

鍵ってイイですね。鍵はその物だけに留まらない、宿る余白が大きいモノだと思います。それだけでは成り立たない存在だからなのかな。

…とこんなことを考え出したのは、もちろん先日発売されたNEWSのアルバム『NEVERLAND』初回盤に特典として鍵がついていたから。

特典を鍵にしたのは増田さんの提案がきっかけとのこと。”鍵”について、増田さんは「その鍵は何かを閉じるものでもあるし、開けるものでもある。鍵でみんながつながっていくし・・・。」*1、加藤さんは「鍵って、いろんな意味を持たせられるじゃないですか。たとえば何かを縛るような、契約のような印象もあるし、今回のようにどこかへの入り口っていうことにも出来る。その中で、どうやったらNEWSっぽいかな、みたいなことを話しながら考えていったんです。」*2 等々と語っています。ほんとやるなぁ。(なぜ上から)

 

さて、鍵を手にした時に思い出したマンガがありました。小さなお茶会というマンガです。

こちらのマンガは1回数ページの読みきり短編集といった形式。思い出したのはその中の一つのお話です。改めてこの話を読み返して、”鍵”という存在がますます愛おしくなったのでちょっと記録しておきたいと思います。

ちなみに私が小学生から中学生になる頃に大好きだったマンガなので*3、 なにより自分がすっごく懐かしくて、よく思い出せたな!と驚き、またうれしくなりました。その気持ちも大きな動機。読み返してみてやっぱり良いマンガだな!としみじみしました。今の小中学生にもすすめたい。

でもね、ガチの少女マンガなんですよー。これは恥ずかしい照れる。私の心のやらかい場所を全開で行きたいと思います☆

 

【目次】 

 

小さなお茶会』について

概要

まずは2004年に出版された完全版*4 の帯のテキスト(抜粋)をご紹介します。

◆80年代初頭の少女漫画シーンにデビューした猫の夫婦「ぷりん」と「もっぷ」。2匹が紡ぎだした至宝のメルヘンが、今、時を越えて蘇る。

◆「小さなお茶会」は人々を優しく魅了し、癒し、そして、ふと戸惑わせる。今、読み返すべき時がみちている。読み伝えるべき時に至っている。

芋づる式に思い出したのですが、『小さなお茶会』の2人が使用されたこんな歌もありました。懐かしすぎる…。ただし、アニメ作品になったことはないので、キャラクターとしてこの歌に使用されたということかと。(絵はマンガの方がかわいい!)

www.youtube.com

作者猫十字社

1978~1987年に、雑誌『花とゆめ』(白泉社)で連載していたそう。連載開始時は『黒のもんもん組』というギャグマンガと平行して描いており、そちらの作品はギャグマンガとして画期的だったんだとか。*5 こんな少女世界の凝縮系のような作品とギャグの最先端を行くような作品を平行していたなんて、おもしろい人です。*6

形式:基本的には平均6ページくらい/1回の読みきり構成。4コママンガ形式でスタートし、連載を経るごとに徐々にコマ構成が変化したり、数回分連続する話が描かれたりもしていきます。

内容:もっぷとぷりんという猫の夫婦がメインの登場猫物。人間以外の生き物達が言葉を話し生活をする世界「はなのめ村」での2人の暮らしが描かれます。

主成分はメルヘン系少女マンガ。でも小学生から大人まで読める今で言う”大人の絵本”的なマンガと言えるのではないかと思います。*7 メルヘンの世界なので時代設定に違和感があるということもなく、一個気になるとすれば「ぷりん奥さん」とかって呼び方ぐらい。もし少女マンガアレルギーがなかったら(ちょっと照れながらも)読めるはず!

形式だけでなく、内容もけっこう変化する。かわいらしい2人のメルヘンな生活を描く初期から、徐々に過去未来異次元を行き来するような精神世界へも。*8

 

”鍵”のお話

説明が長くなりましたが、”鍵”を扱うお話のことを。完全版では1巻P72~75にあたるたった4ページのお話です。まだまだ2人のかわいい生活を描いている頃。でもちょっと精神世界の予兆が出ているかもしれないお話です。

まず扉絵。やっぱりちょっと照れる雰囲気/// この扉絵に抵抗を感じなかったら、たぶん読める!

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プラモデルをつくっているもっぷ。見つからない部品があって探しているうちに、一つの見覚えのない鍵を見つけます。

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(下記、会話はもっぷ:、ぷりん:ピンク。改行は半角スペースにしています。)  

それじゃ ぼくの鍵だ

これは ひょっとしたら ものすごく 大切な鍵です

どうして わかるの?

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でも その鍵は 「大切だ」っていう ことばの扉を ひらいたんでしょ?

それは 天性の かん!

ふうん

でも よく考えてみれば 大切じゃない鍵って あんまり ないんじゃない?

 

(鍵は物と言葉の二つの扉を開ける力を持っている、って…。いきなり比喩的表現をぶっこんで来るもっぷ。)

家中の鍵穴で試してみても何の鍵かわからないもっぷ。ぷりんからお誘いを受け、休憩がてらのお茶をしながら、ぶつくさ言います。

 

なんの鍵なのか わかんない鍵なんて ぜんぜん 役にたたないよね ちぇっ ちぇっ

うふふ

じゃあ その鍵 あたらしく 「忘れる」って ことばの鍵に 任命してあげたら?

そしたら 役に立たない 鍵じゃなくなるでしょ

その鍵みるたび 「忘れちゃいけない」って 思い出すわ

「忘れちゃいけない」

あっ 思い出した! ぼく プラモデルの部品 捜してたんだ!

 

探し物の途中だったことを思い出してぐったりするもっぷ。そして最後は

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こんなやりとりをして笑い合う二人。

 

締めの会話、ほのぼのしていると見せかけて渋すぎやしませんか?結局何を開ける鍵なのかわからないままに、その存在を認めている。”鍵”に宿る余白を絶妙に描いた話だと再確認。

そして、お話としてのまとまりがすごい。ちゃんと落ちてる。4ページだからこその無駄のなさ。詩のようなマンガだなと。*13

”NEVERLANDへの鍵”は元からもっぷの言う「ことばの扉」を開けるためだけに作られていると言えそうです。イイね!

 

ついでに『小さなお茶会』の魅力を、少し

小さなお茶会』で描かれるのは、たわいもない話と言えば、そう。でも、たわいもない話の中にあるものの豊かさときたら。やさしく考えさせられるお話がたーーーくさんつまっている。お説教じゃないし、皮肉もなく毒もない、子どもでも安心して読めるマンガです。 

誰でも通ったことがあるような、ちょっとしたひっかかりや心情によりそった話を、部分的に抜粋してご紹介。タイトルは便宜的につけていますので、正式なものではありません。(台詞の改行部分もくっつけています。)

 

時間の話(『小さなお茶会・完全版』1巻P146~149)

砂時計を見ながら考え事をしているもっぷ。ぷりんが何を考えているのか問うと…

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ふえてく方もへってく方も時間だと思うんだけど

でもぼくはへっていく方のような気がするんだ

へってくのなんとなくやだわ

猫(ひと)に与えられた時間はもうきまってるよね

だからこれからやってくる時間は砂がへってからになってゆく方だと思うんだ

で 砂がふえてく方はこれまで過ごしてきた時間だと思うけど

ぼくは下の砂がふえるのがうれしいよ

どうして?

だってこれまで過ごしてきた時間のおみやげはとても素晴らしかったからね

等々会話を繰り広げていく2人…

過ぎちゃった時間はどこへいくのかしらね

今きている時間はどこからきたのかしら

小さい頃と同じ歩幅でやってきてるのかしら?

どうも違うように思えるんだけど

むずかしいねー

会話は続き…ほのぼのユーモアがある落ちで終了。

 

ぶどうの木の話(『小さなお茶会・完全版』2巻P58~63)

ぐたっと寝転がって落ち込んでいるぷりん。もっぷが理由を聞くと、ぷりんの祖母から電話があって、小さい頃ぷりんが好きだったぶどうの木にたちの悪い虫がついてしかたがないから切ってしまったと伝えられたとのことで…

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ぶどうの木が泣いているのが見えるような気がするの

いっしょに泣いてあげたいわ

こういうのは・・・誰が悪いのでもないわ・・・

ただほんとうの「悲しい」だけがころがってるのよ

「悲しい」のがどこかへころがっていくのを待つしかないわ

「悲しい」がころがっていくのを待つぷりんに寄り添うもっぷが描かれます。

 

時間について考えたり、悲しみを「」でくくって語ってみたり。その他にも、全てを学問にささげた数学の塔の住人の決意と揺らぐ心の話、詩人になったもっぷと登山家になった友人のくろんが互いの職業を目指すきっかけになった思い出の話等々、魅力的な話に満ちています。個人的には職業観に影響を受けている気がする。 他にもざっと思い出せるだけでも、コンプレックス、生と死を扱った話など…。今読み返したら新たな発見がありそう。

 

視覚表現におけるおもしろさ 

絵の効果もすごい。かわいいだけでなく、おもしろい。

上記の時間とぶどうの木のお話のコマ割りも4コマを逸脱するような表現になっています。4コマという型があるから、かえって遊べるんですかね。さらっと読めてしまうので、今回見返すまでこんなにうまく作られているとは気がつかなかった!

また、もっぷが詩を創る話では、言葉を造形材料のように扱う描写や鳥や魚のように狩る描写があったり。メタファー的(?)な表現も見られます。下記にちょっと抜粋。

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(この後に続く「間引いたり つなぎたしたり」も絵で表現。)

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(詩をつくる時の言葉を狩るイメージをそのまま狩りとして表現。鳥に色んな言葉をのせて描いている。)

ジャングルには良い言葉が見つからなかったので、海に言葉狩りに向かうと…

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(新しい漁場の海に出て、一気にいきいきする言葉が魚として描かれる。端っこきれいに出なくて申し訳ない。)

缶詰状態で仕事を終えて、ぷりんのいる部屋に…

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扉の向こうを、もっぷのイメージの中の海として描いているところがしゃれている。「ただいまあ」の吹き出しを点線にして、心の中で思っているという表現も。

心象風景が現実の風景に重なってくるような表現方法というのは、少女マンガの得意分野で、個人的にはとても好きなところです。

 

かと思えば、メルヘンの襲来 

こうした繊細な話があるかと思えば、メルヘン!ファンタジー!と叫びたいようなお話もざくざく。目当ての星を見つけると光り出す星座盤、年に1度花の種を蒔く気球、1日だけ現れるサーカス団、ある時期だけ乾杯のたびに生まれる金平糖のような砂糖菓子、霧とともに移動する不思議な村の霧からできたチーズ、ランプを通して星と話ができるお祭り、とかとかとかとか。中盤くらいまでしかピックアップしていませんが、この充実のラインナップ。

くっはー!照れるっ!!私の中の少女魂が揺さぶられるっ!!!

 

もっと知りたい方に 

もうちょっと客観的に知りたいという方は、2004年にNHKBSの『BSマンガ夜話』でも取り上げられていたようですので、よう〇べで探してみてくださいませ。(概要はほぼそこでの情報から引っぱらせていただきました。)2004年てこんなだった?ってくらいに時代を感じるけどw やっぱり評価される作品なんだなーとわかって、なんだかうれしい。キャラクターの成長が織り込まれていること、猫というメタファーとそれが流行した時代背景、個人の精神世界の中で一番ミニマムな関係への逃避に対するある種の批判と『新世紀エヴァンゲリオン』へのつながり、唯一のウソは二人で完結する世界ということ、『小さなお茶会』だけでなく『自虐の詩』作:業田 良家を読んで補完するのがおススメ、といった話がおもしろかったです。ピックアップした話がけっこうかぶってしまった…ま、いいか。

完全版は全4巻。猫十字社・公式ホームページ『猫つぐら島』

 

おまけ:オノ・ヨーコの鍵

鍵つながりでもう一つ。tomiokoyamagallery.com

そういえば見たことあった…と思い出したオノ・ヨーコさんによる”鍵”をモチーフにした作品『Glass Keys to Open the Skies』。邦題は『空を開けるためのガラスの鍵』。作品名の通り、ガラスでできた鍵です。

私は「YES オノ・ヨーコ」展*20 で見たのですが、イメージの余白がある、とても詩的な展覧会だった記憶があります。その展覧会は2004年。上記サイトの小山登美夫ギャラリーでの展示作品は2016年制作のようですし、タイトルも『KEYS TO OPEN THE SKIES』。個人的に見た作品とは異なるかもしれないのですが、参考まで。(見たのはすりガラスじゃなかった…かもしれない←)

そして、なぜか偶然にも4本の鍵。4本である理由についての質問にオノ・ヨーコさんが答えている情報*21 があったので下記に。

Q:「空を開けるためのガラスの鍵」と言う作品が大好きなのですが、鍵が4本なのは何故なのでしょう?人は五感全部を使わないと空を開けられないのではないかと思うので5本は必要だと考えるのですが。

A:4というナンバーはとてもパワフルな数字ですが、地上では問題がある数字です。だから空を開けるのに適しているナンバーです。だからガラスの鍵は、地上の物質世界ではなく空の精神世界を開ける鍵なのです。ヨーコ

 …ほほう。(むむ?パワフルな数字とは?…ちょっと置いとく←)

精神世界、つまりはイメージの中で使用する鍵。強度を放棄したもろく壊れやすい繊細な鍵の用途はやはり特別なもの。溶けてしまいそうな存在感が印象的です。

”NEVERLANDへの鍵”と同じように、いわば「ことばの扉」を開けるためだけに作られた鍵。オノ・ヨーコさんの作家として在り方が力強いメッセージを発している気がします。

 

最後に、改めて”NEVERLANDへの鍵”のこと

”NEVERLANDへの鍵”は、期間限定で実際に開けられる扉があったものの、具体的な物を開く鍵ではなく、イメージの中で何かを開く鍵。今後、何の扉を開く鍵にするのかは持ち主にゆだねられていて。人によっては、NEWSを大切に思う気持ちをとじこめた”鍵”になるかもしれないし、NEVERLANDライブに行った記憶を引き出す”鍵”になるかもしれないし、NEWSを好きな他の多くの人達とつながる”鍵”になるかもしれない。他にもきっともっと色々なものを開く鍵になりそうです。同じ人でも、年とともに変化していくってこともあるだろうし。*22

 

というわけで、結局は、鍵を見ながらでれでれとあれこれ考えている、というご報告でした。

 

*1:『月間TVnavi』首都圏版4月号2017/2/27→3/31、2017年4月1日、第15巻第4号通巻195号、産経新聞出版、テキスト:落合佑佳里、p19

*2:『月間ソングス』2017年4月15日、第15巻第4号(通巻174号)、株式会社ドレミ楽譜出版社、テキスト:山田邦子、p123

*3:でも、その頃に連載していた訳ではないよ…って一応言っとく。

*4:猫十字社小さなお茶会・完全版』(2004年、扶桑社)

*5:NHKBS『BSマンガ夜話』2004年より

*6:ただし私は『黒のもんもん組』の印象があまりない…。読んだ記憶はあるのですが、『黒のもんもん組』影響を受けた作品群を先に摂取してしまったためか、印象が薄れてしまったようです。

*7:私自身は流行の”大人の絵本”についてはゆるっと懐疑的ですけども。

*8:マンガは一人の作家の力が強いからか、連載となるとスタートと最後がけっこう激しく変化することがありますよね。そこがマンガのおもしろさだとも思っているので、個人的にはそうした変化を見るのも好き。アニメ等の大勢の人が関わるような作り方の作品にはあまり見られない変化…って書こうとしたら、『新世紀エヴァンゲリオン』があった!あれはすごかったw 『小さなお茶会』も、エヴァの最後2話の溶け具合くらい抽象的な精神世界、自問自答的な世界に最後の方は入っていきますw

*9:猫十字社小さなお茶会・完全版』1巻(扶桑社、2004年)P72 部分

*10:同上、P73 部分

*11:同上、P74 部分

*12:同上、P75 部分

*13:そう言えば、もっぷの職業は詩猫(しじん)!その設定もほのぼのしているような、渋いような…。もっぷが書いた詩も話の中に出てきますが、小学生には読み解けないようなもの。「きみ 一本の勇気のように ぼくの眠りの頂上にたつ避雷針」とかだもの。でもなんかステキなことを言っていることはわかった。

*14:猫十字社小さなお茶会・完全版』1巻(扶桑社、2004年)P147 部分

*15:猫十字社小さなお茶会・完全版』2巻(扶桑社、2004年)P62 部分

*16:猫十字社小さなお茶会・完全版』1巻(扶桑社、2004年)P228 部分

*17:同上、P230 部分

*18:同上、P231 部分

*19:同上、P232 部分

*20:東京都現代美術館 2004年 4月17日~6月27日、他

*21:「空を開けるためのガラスの鍵」と言う作品が大好きなのですが、鍵が4本なのは何故なのでしょう?人は五感全部を使わないと空を開けられないのではないかと思うので5本は必要だと考えるのですが。 - オノ・ヨーコ Q&A

*22:NEVERLANDの鍵が大切に思えることを切々と書いていらっしゃるブログが、すっごく素敵だった。リンクさせていただきたかったのですが、私の社交性の関係であきらめました←。