キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

アイドル的な何かを想う、コーネリアス『あなたがいるなら』

コーネリアスの『あなたがいるなら』にぐっと来ています。

曲として良いのはもちろんなのですが、詞がまたおもしろい。一般的な恋愛に限らず、アイドル的な存在にもはまってきます。目下”アイドル”にはまっている人間として、感想を記しておこうと思います。浅はかな知識にて。

 

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ちなみに、Cornelius(以下、コーネリアス)について、ざくっとした説明はこちらをご覧ください。→コーネリアス - CDJournal 取り上げておきながら、私自身は世代だったからかろうじて知っているミーハー知識しかありません…。

コーネリアスは、6/28にアルバム『Mellow Waves』を発売予定。2006年「Sensuous」以来のオリジナルアルバムだそう。そして、収録曲の中から、この『あなたがいるなら』のアナログ盤を4/26に発売しています。 

 

ということで、ただの感想をば。

私が知ったのはMVが公開された5/12。Twitterのホットワードに上がっていたので気がついた程度のリスナーです。で、今のところ、MVを通して聴いているのみ。が、初聴きで心つかまれ、それと同時に「ずいぶん親しみやすい曲だなぁ」と驚きました。(一応アルバムをかすってきてはいるものの、熟知しているわけではなく、この頃の動向も知らないので、自分にある限りの知識に照らしての”驚き”なのですが。)これまで私がイメージしてきたコーネリアスの曲よりも、歌として非常に聴きやすい。聴きやすいんだけど、普通じゃない。よくわからないけど、おもしろい。そんな感覚。

『あなたがいるなら』は専門性がある方々や同業者であるミュージシャンから、こぞって評価されたり分析されているようでした。久々のリリースで、待ちに待った素材が来た!ってところもあるのかな。知識や分析力をもてばさらにおもしろく聴ける曲なのでしょう。

しかしながら私は自分自身の感覚について語るのみ…。でもね、『あなたがいるなら』はそんなくらいの耳にも届く何かがあると感じるのです。むしろ、今回は意識的に間口を広げて、多くの人が引っかかりやすくしている気さえしています。それなら乗っからねば。(注:私がたいした耳じゃないからって、いつも私が好んで聴いている曲を貶めるつもりはありません!)それにしても小山田氏は、なんでそういう気分になったんだろう?

 

アイドル的な存在を想って聴ける理由。それは、詞*1 の影響です。(そりゃそうだろう。)

作詞は小山田氏ではなく、元ゆらゆら帝国坂本慎太郎さん。 坂本慎太郎 - CDJournal *2

音にのる言葉数が少なくて、曲を聴いているだけで充分に言葉が伝わってきます。そぎ落とした一言一言が曲を聴く中でしっかり落ちていく。そしてそのような言葉の入り方が、詞の内容ともしっくりくる。「なぜ~だろう」と自分への問いを発することで、一つずつ確かめ、かみしめるような。小山田氏の歌い方ともあってますね。独り言みたい。

そして、シンプルな言葉の構成は、繰り返されることで自然とインプットされてしまう。そうすると、構成が変化したり解体されても、後に続く言葉が聴き手にもなんとなくわかる。だからあえて言葉を省略することが、かえって豊かな余韻を与え、すごく効果的になっています。また、聞きとろうとしなくても言葉がすっと入ってくることは、曲に入り込むことを容易にさせる。言葉と音楽が溶け合っている幸せな曲だな、と。

でも、一般的な歌のメロディとはちょっと違うのかも、という気もします。”置いていく”ような声の入り方。言葉の切れ目や音の高低が、詞とリンクしているようないないような絶妙さがあります。そのへんは、やっぱりコーネリアスだなぁ、と勝手に思ってみたり。

 

内容については普遍的な誰かを想う気持ちを歌っているようでいて、1点、変わっているなーと思うところがありました。それは「みんな君を好きなんだ」と歌っている前後。ここだけくせが強いと言うか、一般的なラブソングから少しはみ出ているのでは、と。

「また誰か 君の噂している」「みんな君を好きなんだ」という表現は、ここ以外の「あなた」を想う言葉とは距離感が違うように感じます。主語が「誰か」だったり「みんな」だったりして、主語がない他の部分とは、まず視点が異なる。そして書いていて気がつきましたが、ここは「あなた」ではなく「君」なんですね。多くの人の中にいることを意識しているときは「君」で、自分と対象者しか意識していないときが「あなた」?呼び方でも距離感を変えています。内容的に「君」の部分は良いポイントになっている、というか、ちょっと違う風を入れているなぁと思います。いったん「君」と距離を置いてから、さらにぐっと対「あなた」の世界に入る。後に続く省略し解体された言葉からは、自分の思考に没入していく感覚を受けます。

なぜあえてこの部分を?と考えたとき、Facebookの「いいね!」などを象徴として揶揄されるような、共感を求める気持ちが強い”現代人像”がうかびました。みんなが好きだからって何なんなんだとも思いますが、肯定感を得られて安心できるのかな。(私もその気持ちはわかるけど。すぐTwitter見ちゃう、みたいなね。*3)「みんな君を好きなんだ」と言った後にさらなる深みに没入しているのは、そうした安心感を得られたからだと考えると、ある種の悲しさも感じてしまう。”現代人”の感情に寄り添っているのか、皮肉めかしているのかはわかりませんが、効いているなと思います。

で、とにかく、ここが、アイドル的な存在に合致してくるわけです。

私自身が聴いてまず思い浮かんだのは、つい先日の小沢健二氏の復活劇のこと。その人気に改めて気づかされました。逆(?)に、この詞に小山田氏を想う方もいるそう。なんだかにくいつくり。一方、もっと純粋に、子どもへの想いと重ねて聴く方などもいらっしゃるよう。確かに子どもの話題って親類縁者に広がりますし、「あなた」に向けられている感覚との親和性も高そう。やー…素敵です。

ついでに言うと、「あなた」への想いは一方通行でも成立するような、相互のコミュニケーションや具体的な接触が徹底して省かれているところもおもしろいなと思います。まんま「いる」だけで、”存在”しているだけで良い、ということになっている。もちろんその境地に至るまでの過程と理由がなければ、そうはならないものの。

そんな特長によって「あなた」には二次元から身近な存在まで、なんでも投影できるようになっている。色々な好きがあふれている昨今、強いのではないでしょうか。

さらに、言葉を比喩的に捉えれば、もっともっと色々な受け止め方ができそう。多様な解釈を許すのが”名画”って聞いたことがありますが、歌にもそうしたところがあるかもしれないですね。思えば、私はこれまでコーネリアスの曲には結晶のような印象を受けていたのかもしれません。もうこれ以上足したり引いたりできないような結晶、というような。だけど、この曲は結晶でできたコップみたいに聴く人の想いも受入れて完成させてくれるゆとりがある気がします。坂本慎太郎さん、ありがとう。(←そこ。)そのゆとりを生み出しているモノが何なのかよくわかんないくせに、勢いほめ。

 

言葉については書きやすいから、ついつい長くなりました…。持ち合わせのないボキャブラリーで、他の要素についてもちょこっと書いておきます。

 

まず、言葉だけでなく、音もそぎ落とされているように思うのに、とても豊かに感じるのがすごいな、と。音が入るタイミングとかがキモなんでしょうか?音についてもある程度絞ることで、言葉と同じように聴き手がだいたいの構成要素を覚えてしまうのかもしれません。だから、ピタッと止まったり連動したり重なったり…そうした展開をいっそう楽しむことができるのかも。言葉を省略した部分に代わりに音が入って、代弁するというか補うというか膨らますところ、にくいです。ゆらぐような効果もすごく好き。(ギターについては他の方のコメントを参照したい…汗)

でもって、音と連動したMVがシュールで楽しい。ディレクターは辻川幸一郎さん*4 とのこと。音が絞られているから、こういうMVを思いついたのかな、なんて思ったり。音とモチーフがしっかりと対応しあっていて、MVからも音を感じられます。この音をどうしてこのモチーフで?と想像しても楽しめる。特に、小山田氏と女性コーラス(?)の声が、ラインで表されているのがうまいなーと感心しました。対応関係を分析して書き出してる方もいらして、楽器知識が薄い人間には大変ありがたく、おもしろかったです。ここで感謝。

あとね、全体的にセクシーでユニーク。どこをセクシーと感じるかは人によって違いそうだけど。私はおっぱいのところ(勝手に認定)はちょっと笑っちゃう。ユニークが勝つ。個人的No.1セクシーは、最後に声を表すラインが一つになって輪を描くところ。絵の中の女性(と、点滅する女性)が後姿なのも「噂している」距離感っぽくて雰囲気があります。オシャレなだけでは出せない余裕が、セクシーさやユニークさやシュールさによって生まれていると思います。

MVでは、空間全体が回転し始めるところがすごく好き。トレモロと言うのでしょうか、細かく繰り返される音と一緒にぐるぐるぐるぐる回って別世界に飛ばされそう。最後ゆらぎのある音に戻って、渦巻いたように終わるところも好きです。らせん状に渦巻いて終わることで、最後の最後で曲を不思議にからめ取ってまとめあげているように感じます。*5 あ、あと白黒反転効果が良いですー。

 

そんなこんなで、コーネリアスの『あなたがいるなら』を聴いてみました。書いてみると、総合的にツボだったみたい。

アルバム楽しみです。でも、先発の曲がすごく好みで期待が高まっていたものの、アルバムで聴いたときに「……」となったりした経験もなくはないので、この期待がどう収束されるのかわからないですけどね。

 

さて、アイドル的な立場にいる方々は「あなた私の幻を愛したの…」*6とかって、時に他者に想われるのが重くなったりすることもあるんじゃないかなーと心配になったりしますが(ネガティブ)、そんな風には気に病まず勝手に好きにさせといて良いんだよ、という結論にいたりそうです。この曲を聴いていると。その存在だけで「この世はまだマシだな」とか思わせてくれるなんて、すごいことだと思うから。*7

 

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*1:MVから聞き取っている段階なので、以降引用する言葉は正確ではありません。

*2:坂本慎太郎さんと言えば、変ラボの『あなたもロボットになれる』ですね、NEWS的には←。個人的にはゆらゆら帝国の最後のアルバム『空洞です』が大好きです。アートワーク含め。ゆらゆら帝国はほぼこれしか聴いていないのですが、このアルバムは本当に好き。(今度他のも聴こう。)そして、今回認識するまで存じ上げなかったのですが、salyuさんの「salyu×salyu」名義のアルバム『s(o)un(d)beams』(2011)はコーネリアスプロデュースで、そこにも坂本慎太郎さんが参加されていたんですね!ラジオで『ただのともだち』に一耳惚れしてCDを借りたのに、この曲が「words:坂本慎太郎 / music:小山田圭吾」だという事実については気持ちいいほどスルーしておりました。基本前面に出ている情報しか入らないんだよね凹 文章読まない系だもんで。

*3:スピッツの『グリーン』が頭を駆け巡っておりますが、その話はまた別に…。

*4:KOICHIRO TSUJIKAWA 合ってる?

*5:ピコ太郎氏の「天に召される」話じゃないけど。

*6:©杏里『オリビアを聴きながら

*7:そういえば、先日(あ、5/16)のKちゃんNEWSで「好きになってもいいですか?」というリスナーさんの質問に対し、加藤さんがステキ声で迷いなく「いいよっ」と言い放ったことに、地味に衝撃を受けたことを思い出しました。ファンの想いをさらっと受け止める中に、覚悟の裏打ちのようなものが感じられて。(手越くんなら通常運転なのでそこまで驚かなかったと思うのですがw)彼らにとっては当たり前なのかもしれないけれど、すごいなーアイドルって、と改めて。よっ!(軽い)…そして、この部分には何の含みもありません。広島、楽しんで!

僕だけがあなたを愛せる:2人のオトコから愛されたい時は『FOREVER MINE』を聴け

愛、足りてますか?←

アルバム『NEVERLAND』が発売されてから1ヶ月半。ライブもまだだし…(暗) そろそろ邪道な聴き方をしても許していただきたい、ということでそんなお話です。*1

 

僕だけが

あなたを守れる

この世界でひとり

 

僕だけが

あなたを愛せる

他のどんな誰より

このフレーズから始まる曲こそ、ご存知NEWSの最新アルバム『NEVERLAND』通常盤にて増田さんがカバーした、山下達郎さんの『FOREVER MINE』。*2

今回のカバーにあたっては、達郎さんがオケをそのまま提供してくださったそうで、達郎さん曰く増田さんによる「完コピ」とのこと*3。そういうカバーというのは、本人による再録以外には珍しいように思うのですが、どうなのでしょう?詳しい人に尋ねたい。

 

さて、この記事を書くきっかけは、自分のポータブルプレイヤーに『NEVERLAND』を入れた際に、達郎さんの『FOREVER MINE』を一緒に入れたことにあります。(達郎さん、とりあえずの1曲だけでごめんなさい(汗))そのため、新しく入れた曲を全て聴くと、流れで増田さんの『FOREVER MINE』から達郎さんの『FOREVER MINE』が再生されることになり、2曲続けて聴く機会が増えました。

歌い手が異なるだけの曲を続けて聴いたらあきそうだって思います?

全然あきない。

やっぱり歌い手の表現力がすごいんだろうと思います。達郎さんは「僕のニュアンスと全然違いますね。やっぱりじじいと違うっちゅう感じがしますが(笑)」*4 とちょい自虐を入れつつ増田さんバージョンを評していますが、本当に受け取れるものが違う。ちなみに「増田さん、まぶしすぎる…(涙)」となった後、「達郎さん、優しすぎる…(涙)」となるのが私の定番コースです。

そんな違いを楽しんでいたある日、気がついた。「これは妄想してしまえる…」と。

と、いうわけで前置きが長くなりましたが、山下達郎氏と増田貴久氏、両者の『FOREVER MINE』を聴きながらの妄想記事スタートしたいと思います。

 

なお、これらの妄想はあくまでお2人の曲から感じるイメージ(の一部)を素材にしたフィクション(妄想)であり、実在の人物(増田さんと達郎さん)とはまるで関係ありません。

※僭越ながら、一応まじめに感想を書いた記事はこちら。↓ こちらでは、純粋にお二人の曲から感じる印象の違いについて書いたつもり。

chikachika04.hateblo.jp

 

目次

 

そもそもなぜ『FOREVER MINE』で妄想なのか

補足するまでもないのですが、この曲は映画『東京タワー Tokyo Tower』で使用され、達郎さんによると「不倫の男女が心の中に常に抱えている、死の暗喩(メタファー)についての歌」*5 だそうです。

FOREVER MINE - 山下達郎 - 歌詞 : 歌ネット

そうした制作背景によって、下記の要素が際立つ曲となっています。

(1)自己主張が強い

とにかく「僕」がせまってくる。歌詞には「僕」が8回出てきます。フレーズとしてのまとまりが16、17個くらいある中での8回なので、フレーズの半数に「僕」が登場することに。メロディー的にも冒頭で歌われたりタメがあったりと、強調して繰り返されます。なお、達郎さんは恋愛系の歌では他にも「僕ら」という言葉をよく使用されているのかなと歌詞をざっと拝見して感じたのですが、『FOREVER MINE』には「僕ら」は一回も出てきません。

(2)独占欲が強い

そして、単なる「僕」アピールじゃない。「僕だけが あなたを守れる この世界でひとり」「僕だけが あなたを愛せる 他のどんな誰より」であり、「僕と 本当の愛の静寂へ」である。「ありのままの 自分に還る」という表現も、「僕」と一緒でない時はそうではない、という主張です。常に「僕」じゃない存在に対抗意識を燃やしている。何より、タイトルが全てを物語っています。

(3)ただ愛されていればいい

それでもって、二人称の「あなた」は特にすることはない。守られ、愛され、抱きしめられ、夢の続きを思い出しながらありのままの自分に還れば良い。いたれりつくせり。甘やかされまくり。笑顔を向けるでもなく、正面きって向き合うこともなく、ただ横顔を見せていればいいのです←。うーん、ひどい。魔性。

 

つまり、この曲の独特な世界観によって、増田さんと達郎さんの曲を聴くと、「僕の方が」「いや、僕の方が」と、2人に奪い合われているような気持ちになれるという魔法が生まれてしまうのです。なんて恐ろしい…。(自分のバカさ加減に一瞬心折れそうになりましたけど、最後までがんばります。)

あ、もちろんこうは聴かないで、優しいラブソングとして聴くこともできます!多くの聴き方のうちの、今回の方向性としてピックアップさせてもらいました。

 

妄想パターン紹介 

「こんな感じ」と説明するために、妄想パターンにはマンガやドラマや映画の例をつけてみました。しかし、私自身の恋愛メイン物語の知識がザルであるため、なかなか適した例が出てこなかった…。先に謝っておきます。好きな構造で妄想してください。(それと、歌詞がイメージさせる肉体関係の有無については考慮せずに選出しております。)

 

妄想パターン1:歳の差で聴いてみる

主人公が2人の男性から愛されるのは、いつの時代も、恋愛ものの王道パターンの一つですね。増田さんと達郎さんの歌声の違いから歳の差恋愛系で色々妄想できます。

【同級生 VS 先生】

例はマンガハチミツとクローバーでしょうかね。聴く人は、はぐちゃん的な立場になったつもりで。

実際のハチクロはもっと関係性が複雑ですし、彼らが互いに主張し合うような感じはなかったと記憶していますが(人から借りて読んだのであいまい)、出会ってまだ浅いさわやかな青年とずっと近くで見守ってきてくれた男性…的なイメージの例として。

ぐぐ、ネタバレになると思うので、これ以上書けない。あの人は抜いております。増田さんの歌とはイメージが少々違うかなと思ったので。達郎さんの歌声だと、もう少々年齢層高めの印象なのですが、なかなかぴったり来る物語が見つけられずごめんなさい。

【同期(または部下) VS 上司】

例はマンガガラスの仮面が適していると思うんですけど、どうでしょう。桜小路くんと速水さん。もちろんマヤ的な立場で聴きます。曲から受ける印象としては、年齢的にもなかなか適していると思うのだけど、物語としては…あまり萌えないかもしれませんね…。(←失礼。しかし、恋愛ものとしてはキャラが濃ゆいから…。)

片側だけならマンガ『娚の一生』とかが良いと思うのですが、若手が強くない。なかなか両者が同レベルの愛をぶつけている物語が見つけられず断念。『娚の一生』は映画だとまた違うのかな?まだ見ていないため現状わからず。

 

妄想パターン2:時の流れで聴いてみる

増田さんと達郎さんの声から感じる年齢の違いを、現在両方に挟まれていると捉えるのではなく、記憶と現在という時間差で捉えるパターン。

【過去の人 VS 現在の人】

例はドラマ101回目のプロポーズ。失った恋人と武田鉄矢さんの間にゆれる浅野温子さん的立場で。

結構古いドラマなので補足すると、武田鉄矢さんの「僕は死にません!」の台詞で有名なドラマです。浅野さん演じる役の女性が婚約者を事故で亡くし、再び大切な人を失うことを恐れているという状況があり、彼女に思いを寄せる武田鉄矢さん演じる男性が彼女の心を開くためにトラックの前に飛び出て「僕は死にません!」と言ってみせる、という流れ。

これは大変切ない妄想なので…ご紹介まで。(それにドラマでは元彼がわりとお歳を召していたと思うので「他に何かないか!?」って思ったんだけど、出てこなかった!)

元彼が生きているんだけど理由あって離れ離れになってしまい、でも忘れられない系の物語も絶対あるはずなんだけど思い浮かばず。この場合は「もうあの頃の私じゃないの…」的な方向にも膨らみます。

【過去のあなた & 現在のあなた】

増田さん・達郎さんという2人の歌い手を、同一人物の過去・現在と設定した場合。

例は映画紅の豚。ジーナ的立場になってください。マルコからポルコまで。幼馴染の少年が大人になっても、ずっと見守っているイメージ。賭けはどうなったんだろう。

これはなかなか良い例を見つけたと自画自賛。ただ、恋愛にぐいぐい行くような物語ではないので、歌詞の雰囲気とは少々ずれてしまうのですけど。

ちなみに、ジーナの夫のベルリーニのことを考えれば「過去の人 VS 現在の人」パターンにもなってしまう。戦時中はそういうことが数え切れないくらいあったわけですね。

 

妄想パターン3:サスペンス仕立てで聴いてみる

こういうパターンも可能なか~と思ったので少々の変化球として。

まず、増田さんの歌声が若々しくフレッシュなことが、歌詞に対して少し無邪気というか「背伸びしている」感ともなり得るのではないかと思うのです。これは増田さんが歌いこなせていないということではなく、達郎さんの歌声と比較した時に感じるもので、人生経験の差とでもいうしかないものです。そして、それが悪いわけでもない。だからこその輝きもあるわけですから。ついでに言えば、私が増田さんより年上だから勝手に感じるのかも、とも思うし。

一方達郎さんの方は、不倫をイメージした曲だからこそ、嫉妬心や執着心をその中に感じながら聴くことができるのではないかと思いました。もし両思いでなく、男性側の一方的な思い込みとしてこの歌詞を受け取ると、愛は束縛に変化する。優しく包み込むような声が、真綿で首を絞めるような恐怖に(あおりすぎ)。元々の設定を逆転させて、不倫相手に妻をとられそうな危機感を感じている夫側の歌として聴いてみてはどうかなと。

と、いうことで…

【若いツバメ VS 束縛する夫】*6

例はドラマ『紙の月』の満島くんと、ドラマ『Nのために』の徳井さんかな、と。もちろん原田知世さんと、小西真奈美さん的立場で。ん~、どちらも複雑だ。そして、ネタバレになるので全然説明できない。←

増田さんの歌声はそんな適当じゃない!ので、満島くんの役の初期段階をイメージしていただければ…。

達郎さんの歌声もそんな暴力的じゃない!ので、がっちりはまっているとは言いがたいけれど、あくまでイメージで。まだ見ていないのですが、ドラマ『あなたのことはそれほど』の東出くんの役柄とかはどうなんですかね?マンガは途中まで読んでいて、その時点ではそんなに怖い感じはなかった気がするのだけど。しかし、どちらにしろ年齢が合わないか…。

書いてはみたけれど、やっぱりこのパターンは聴きにくいですね。「こういうイメージで聴くんだ…」と念じながら聴かないといけないから。油断するとキュンとしちゃう(笑)

 

妄想パターン(別枠):間の存在を無くして聴いてみる ※『逃げ恥』ネタバレ注意

これ、例をドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』にしたいのですが、かなりネタバレなのでこれから見たい方はこのパターンを飛ばしてください!(他の例もネタバレ気味かもしれませんが…『逃げるは恥だが役に立つ』は特に”ネタバレ感”が強いので予告。)

ヒ 

「間の存在を無くす」とは、つまりは増田さんバージョン、達郎さんバージョンが互いに対して歌いあっている、と捉えるということです。恋愛の多様性。

このパターンの場合、聴いている私=「あなた」ではなくなり、この記事のタイトルには収まらないので「別枠」としました。恋愛の形が「別枠」という意味では決してありません。

例はドラマ逃げるは恥だが役に立つ。見た方はご存知、彼と彼の発展系でどうかなーと思いました。年齢感も合うし。結局ぼかしましたが、見た人にわかれば良いですかね…。

きっと理解は広がってきてはいるものの、ご本人や周囲の環境によってはまだまだ葛藤が大きい状況だろうと思います。そうした感情に、「僕だけが」「ありのままの」等が当てはまるんじゃないかなと感じたので付け加えてみました。

 

 

 

今回もわもわした妄想パターンは以上です。

ちょっと違った味付けで『FOREVER MINE』を聴きたくなったら、是非妄想しながら増田さんと達郎さんの曲を一緒に聴いてみてください~。って、言われなくても?

ちなみに、私自身は妄想して聴くのはむしろまれです。信じてもらえないかもしれないが(汗) 

 

それにしても、こんなに妄想が膨らむのも曲のおもしろさと歌い手の表現力のおかげ。フォローを入れるわけではなく、本当にそうだと思うので…今さらながら、達郎さんの曲と、達郎さん増田さんという歌い手を讃えておきたい。

 

 

おまけ:『FOREVER MINE』の一番危険な聴き方

夜に一人で車を運転しながら聴く。これです。

前奏が流れ出した時点で、おもしろいほど胸につき刺さってくるので、是非一度試してもらいたい。

おススメは増田さんから聴くこと。加藤さんが『シゲアキのクラウド』で「沈んだ街を照らす、爽やかな光」と述べたように、まぶしく純粋な増田さんの『FOREVER MINE』を、暗く寒い車の中で1人聴く、この落差。新規なのにNEWSファンの平均年齢をぶち上げている独身には刺さりまくるのです。アッポーに刺さったペンなど目ではなく、リリスに刺さったロンギヌスの槍くらいには深くやられます。*7 

その後、達郎さんが登場すると、大人の余裕で懐深く受け止めていただき、こんなダメダメでも許される気がして、私にもまだ何かあるかな~なんていう儚い希望がわき、前から増田さんに刺されたと思ったら今度は後ろから達郎さんに刺されて苦しくなるという現象が起こります。

……たまらん。←

ちなみに運転しながら聴くと、「美しい横顔」って今?今の私?なんて妄想もできるので、それもまた良し。(違う)

ただし涙もろい方は本気で危険なのでやめてください!前が見えなくなるからね。

 

はい。ヒマを持て余した NEWSファンの 遊び でした。*8

 

毎度、全然宣伝になっていないでしょうけど(汗)、貼っておきます↓

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*1:ライブ前にはちゃんとストレートに聴きなおしますから!

*2:山下達郎さんの『FOREVER MINE』は、2005年シングル『FOREVER MINE』、2005年アルバム『SONORITE』、2012年ベストアルバム『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』に収録。

*3:サンデーソングブックJFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット)、2017/3/26と2017/4/23にてお話されたそうです。

*4:サンデーソングブックJFN (TOKYO-FM系 全国38局ネット) 2017/4/23

*5:『OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~』のブックレットp47より

*6:”ツバメ”については「権力ある女性が面倒を見ている若い愛人」くらいの意味で使用しました。なお、念のため調べたら、こういう使われ方になった理由がおもしろかったので、気になった方は是非見てみてくださいっ。

*7:エヴァ好きな方に白い目で見られそうな例。

*8:© モンスターエンジン

君のおっぱいは世界一:今、「小山さん!」なスピッツ3曲

小山さん、33歳の誕生日おめでとうございます!うん、何日かたったけど!

語るのは私には難易度が高い…と思いましたので、ちょっと方向を変えて、元々やりたかった「メンバー×スピッツ」を誕生日にかこつけてやっちゃいます!わーい、自己満足記事だよ。

 

1.個人的に、今一番「小山さん!」な曲

『小さな生き物』

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小さな生き物 - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

なんとなく小山さん!公式小山さん!

曲の雰囲気も、詞も小山さん~!(私の中で)

知らないままで 過ごせるのなら その方が良かったこととか

それでも進む とにかく先へ 有っても無くても

もう一度果てをめざす

とか、

深く掘って埋めても 無くせないはずだから

裸の言葉 隠さずさらす そこから始めよう

とか。

そして、

負けないよ 僕は生き物で 守りたい生き物を

抱きしめて ぬくもりを分けた 小さな星のすみっこ

 の「守りたい生き物」をNEWSという存在だったり、ファンだったりでイメージすると、かなり小山さん。*1

小山さんは”このごろのスピッツ”感があるなーと思っています。ちなみに”このごろのスピッツ”とは極個人的に『三日月ロック』あたりから。2002年発売だけど。現在の一般的なスピッツのイメージはこのあたりからなのかもしれないですね。私自身は『ハチミツ』世代なので、もっとこてこてな印象が強くて。小山さんにスピッツ曲がわりとはまると気づいたときはちょっと驚きました。

 

2.個人的に、今一番「小山さんが歌ったらキュン!」な曲

『ワタリ』

ワタリ

ワタリ

試聴部分的にはこちらもおススメ→Amazon CAPTCHA

ワタリ - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

誰のせいでもねぇ すべて俺のせい

マジメ過ぎただけ 君が見た夢

とか、歌ってほしい。

心は羽を持ってる

この海を渡ってゆく

それでも掟を破ってく

黒い海を渡ってゆく

とかね、歌ってほしい。 

手越くんっぽさもあるなーと思ったのですけど、今は小山さんに託したい。(誰?)

言っておきたいのは、小山さんに何かの責任を押し付けたい訳じゃないということ。むしろ逆です。

色々なことをぶっちぎって飛んでいってほしい。

 

3.個人的に、今一番「小山さんに歌わせたい!」曲

『おっぱい』

おっぱい

おっぱい

おっぱい - スピッツ - 歌詞 : 歌ネット

君のおっぱいは世界一

君のおっぱいは世界一

もうこれ以上の

生きることの喜びなんか要らない

あしたもここで君と会えたらいいな

増田さんにしようかと思ってたんだけどね~。小山さん曰く、谷間には「夢と希望がつまってる」らしいですから。*2 そこまで言うならしょうがない、小山さんに譲ろう!(だから誰?)

いやいや、”おっぱい”のインパクトに負けない、すごくいい曲なのですよ。たまに熱唱したくなる。

「君のおっぱいは世界一 もうこれ以上の 生きることの喜びなんか要らない」は、Mr.Childrenの「君が好き 僕が生きるうえでこれ以上の意味はなくたっていい」*3 と≒だと主張してみたい。Mr.Childrenファンの方に怒られるかもしれないけど。でも桜井さんはスピッツの曲では『おっぱい』が好きと語ったという話があるので*4、あながち違わないのではないかと思っています。

 

はー。小山さんのこと考えた~!

以前から妄想をストックしていたのですが、改めて考え出すと、けっこう変化しているものですね。選びなおしましたが、またすぐ変わるかもしれない。今選んだ、今「小山さん!」なスピッツ3曲でした。ワンフレーズなら是非ここを!とか、雰囲気ならこれ!っていう曲もありましたが、がんばって絞った。

なかなかの自己満足度な記事ですけど、楽しかったです。

 

Johnny's webのロゴも一新して、渋かっこいい感じになりましたしね。これからの小山さんはこういう方向に向かっていくって決めたんだな~なんて勝手にしみじみしています。

33歳、充実した1年になりますように

 

*1:草野さんが「守りたい」って言葉を使うなんて!?と当時は衝撃を受けた…。だって草野さんが…。←衝撃覚めやらず。

*2:『KちゃんNEWS』2017/1/31より

*3:Mr.Children『君が好き』より

*4:情報の出所はわからず。わかったら更新します。前々から聞くので、古い情報源のもよう。