キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

アイデンティティの陰と陽の戦い:NEWS『WORLDISTA』のバーチャル世界

”NEWS”の頭文字アルバムプロジェクト第3弾!『WORLDISTA』が来ましたね~。

お題「NEWSアルバム『WORLDISTA』レビュー」

参加させていただきます。いつもありがとうございます!

 

そして読んでみようかなと思ってくれた方ありがとうございます~。

ただ、断っておきたいことが。

・楽しい気持ちに水をさしてしまう場合があるかもしれません。

 あまり積極的に思い出したくないだろう部分に触れているから。

・『ゲド戦記』をネタバレなしで読みたいと思っている方には途中までしか読んでもらえません。

・脳みそと言葉を整理しきれていないので読みにくいです!(能力の限界)

 

なお、この記事は仮想空間に気遅れしてしまった人間(私)が、「もしこうならば、やっぱり目が離せないな?!」と自分なりの視点を発見するまでの、思い込みと妄想の軌跡です。(深そうに見せかけつつ、ペラいです。)

 

もくじ

 

仮想が染み渡っているNEWS

さて。前置きする必要もないのですが、”NEWS”の頭文字をとったアルバムプロジェクト、これまでの2作は1枚のアルバムを通して一つの世界を作り上げるというものでした。アルバムの中で別の世界に旅立ち、帰ってくるというストーリー仕立てになっていて、第1弾『NEVERLAND』は「ネバーランド」という異世界での冒険を、第2弾の『EPCOTIA』は「エプコティアライナー」という旅客機に乗った宇宙の旅を楽しめます。
第3弾『WORLDISTA』もその例にもれず(少々例にもれることがあるのですが、それは置いておいて…)、「ワールディスタ」というアイギア(VRゴーグル)をつけると体験できるゲームのバーチャル空間が1枚のアルバムを通して創り上げられています。「ワールディスタ」は現在のバーチャル体験とは異なり、「耳から脳にシンクロ」し「意識とバーチャル空間が直結する」システムという設定。アルバム冒頭の『ログインシークエンス -INTER-』ではバーチャル空間へのシンクロ率がカウントされます。(エヴァ味!)しかも今回は「想像することがみちしるべ」という言葉がアルバム発表の時からハッシュタグとして明示され、CD等のアートワークでも効果的に使用することで、ファンがそのタグを使ってアルバムやライブについて想像を繰り広げるという楽しみ方まで盛り込まれました。その一環なのか、アルバムのストーリーには”考察”を必要とするような仕掛けもたくさん埋め込まれていて…。1枚のCDを何倍にも楽しませてくれる凝ったプロジェクトになっています。本当に徹底してるな~と驚くやらうれしいやら(笑)
私はNEWSのことを4人になってからしっかり認識した人間なのでその前のことについては掴めていないのですが、4人になってからのNEWSはのっけから読み解きと縁が深いアイドルでした。はじまりは再始動のシングル『チャンカパーナ』。*1 それ以降、すっぽりとその世界に入り込んで、別人格(濃ゆめ)として歌うような印象的な曲を多数生んでいます。頭文字アルバムプロジェクトは、その流れを引き継ぎ強化したものだと言えます。
呼応するかのようにNEWSとの恋愛を楽しむゲーム『NEWSに恋して』も昨年の3月27日にスタート!まもなく1周年を迎えます。ゲームの中のNEWSはNEWSであってNEWSでない。NEWSが本人役を演じるドラマのようなもの。
そう、言うまでもなく、NEWSには仮想が染み渡っているのです。

 

NEWSは現実も濃い

しかし、それと反比例するかのように”現実”のNEWSを色濃く反映したかのような重要な曲もぽつぽつと継続的に発表され続けてきました。シングル『チャンカパーナ』のカップリング曲である『フルスイング』の系譜です。(勝手に系譜扱い。)

立ち止まっていたとしたって

ここで終わりじゃなくて

ためらいの果て 前を向いて

自分に挑みたい

くずれかけた夢だって

叶えたいとだけ信じて

そう何度だって 賽を振れ

願いを込めた

フルスイングで

 4人になってからの再始動ライブ『NEWS LIVE TOUR 2012 ~美しい恋にするよ~』の初日に『フルスイング』を歌うメンバーが幾度も感情的になっていたのは、現実と重なる部分が大きかったからだと思わずにはいられません。まぁ?私が?現実の?NEWSのこと?知ってるわけでもないので?(なぜか逆ギレ。)あくまで「だろうなー」という妄想の域を出ないことは重々々々ふまえつつも。
その流れは『U R not alone』『「生きろ」』といった曲につながり、曲調や表現の面ではいっそうむき出しになり、別人格を演じる曲やアイドルのキラメキを存分に発揮した恋愛ゲーム等に対するふり幅が年々広がっているようにも感じています。*2

 

ふり幅の広がりとアルバム世界の偏り

だがしかし!!ふり幅を広げている要因は望ましいことだけではありません。現実のNEWSにけっこう厳しい状況が起こったことが、幅を広げることに一役買っているように思えるのです。あえてねらって、望んで広げているわけではないところも、たぶんあるということ。
現実が厳しい状況だと、ふわふわした”アイドルっぽい”イメージにはいまいち説得力が感じられない。入り込むのにはハードルがある。(私は。)(ちょっと書き方きつかったので修正します…汗)だから、入り込むならとことん!(現実を忘れさせ)、つきつけるならとことん!(現実をむき出しにする)という方向がしっくりくることになるんじゃないでしょうか。あくまで私の感じ方ですが。
全く望んでいないことが、曲の幅を広げ歌い手の表現力を上げていくだなんて、なんだか皮肉。それも人格を曲に重ねることが魅力となる”アイドル”らしいところではあるけれど。
そこに来たバーチャル体験がテーマのアルバム。「バーチャル空間」という、さらに異化され世界もキャラクターも変幻自在にできる場所。収録曲はゲームのテーマソングやBGMのように感じられる造りになっています。例えば『SPIRIT』や『BLUE』は、扱いによっては”現実”方面に分類されても良い曲にも思えるけれど、「e-スポーツ」というスポーツ系ゲームゾーンの曲として扱われます。
その中で一つ不思議に感じることがありました。それは、圧倒的に”現実”寄りに思える『「生きろ」』が、なんだかとても微妙な立ち位置になっていること。
というのも、多くの方が指摘している点でもありますので詳細は省きますが、『NEVERLAND』と『EPCOTIA』では最後の曲の前に出口や帰還がしっかりと演出されていたのです。「ごきげんよう」「地球へ到着します」という別れのナレーションが“現実”に戻る役割を担う最後の曲の前に存在した。だから、今回のアルバムの最後に位置している『「生きろ」』がバーチャル世界から出て“現実”に戻る曲になるんだと、曲順が発表されたときには信じ込んでいました。しかし不思議なことに、明確にそうとも言えない造りになっていたのです。
『WORLDISTA』では最後の曲である『「生きろ」』の後に「おめでとうございます」とゲームの中での仮想通貨的なもの(バワリー)の獲得数が伝えられます。*3 つまりそれは『「生きろ」』がゲーム世界の中の曲だということ。ゲーム内ナレーションによる獲得バワリーの告知→『「生きろ」』→スティーブ・ジョブズ的な人の補足発表、という順ならば『「生きろ」』がゲーム外の曲だと思えるのですが…。(スティーブ・ジョブズ的な人がいるのは“現実”だと考えているので、曲の後にあってもおかしくないと。*4)ゲーム内のナレーションの声に「ごきげんよう」とは言われるものの、そこがどうにもすっきりしない。

初回盤アルバムを聴いた時、そういう意味で微妙に不完全燃焼な気持ちを抱えました。『Strawberry』から『「生きろ」』の展開もわりと急に感じるし、上に述べた最後の流れをどうストーリーとして理解したらよいのだろう?と。(これも世界観濃ゆめのアルバムプロジェクトを魅力的に押し進めてきたからこそ感じてしまう、期待の裏返しではあるのですが。)
それに、個人的にはアルバムが完全な仮想世界の中に閉じてしまったかもしれないことに少しがっかりしました。収録曲が完全に仮想世界の中の曲だとすると、曲の切実さがそがれてしまうようにも思えたからです。ゲーム空間という世界もキャラクターも変幻自在な場所では、一ところへの執着がなくてもかまわないし、何より自分自身の実態がそこにはないから。(私はゲームをほとんどやらずにきたので、こういう感覚は今やマイナーなのかもしれないけれど。)
そこで自分について改めて気がついたのは、私は仮想世界とその土台になっている生身のNEWSを感じさせる曲とでバランスを取ることにおもしろみを感じているようだということでした。

 

「陰」と「陽」について

 f:id:chikachika04:20190303034357p:plain

 突然の図解、失礼します。例えば氷山の一角として海上に見えてる姿がアイドルとして世に出ている部分だとして、海中に沈んでいるところがアイドルである彼らを支える個人的で人間的なプライベートの部分だとします。
その境目は波打ち際。ゆらゆらと時に見えたり隠れたりします。海上からのぞくとうっすらその姿が見えたりもするかもしれません。海中にもぐっていって、真偽のあやしい情報を取ってくる人なんかもいたりする(=パパラッチ)。
見えない部分は他にもあります。それは海上部分の氷山の内側。そこはプライベートとは言い切れないアイドルとしてのお仕事の裏側、と考えてみます。アイドルとして番組に参加している際の共演者やスタッフさんとの関係性など、『RIDE ON TIME』でドキュメンタリーとして見られたような部分。ここも、このように少し見える機会があるかもしれない部分ではあります。
こう図解してみたとき、私はどうしても波打ち際とか、内部の構造が気になってしまうようなのです。それは、厳しく美しい氷山を造り支えているのは見えない部分の構造だから。鑑賞物として堪能することができる表面の魅力があってこそだし、結局は見えている部分から内部を想像するにとどまるのですが。増田さんの『RIDE ON TIME』での発言「その人がどういう想いで生きているか」を見られるドキュメンタリーが好き、というのと同じような感覚だと考えています。(ただし、私は海中を詮索したいという思いはない。無用に探り出しあばきたいとは思わないです。それは明言しておきたい。)

さて、ようやくここで「陰」と「陽」という言葉を使い出したいと思います。意識的に見せている表面部分を「陽」、見えない部分を「陰」とします。「陰」と言っても、ファンが見えるのはせいぜい波打ち際と表面の少し奥くらいですが。
私にとっては、「陰」を感じさせるのが『フルスイング』の系譜。「陰」はたくさんある必要はなく一握りで効果的な、「陽」の部分を引き立たせる、なくてはならないスパイス的役割なのです。
そういう意味で、『WORLDISTA』は少し「陽」に偏っているのではないか?というのが私の抱いた感覚でした。『「生きろ」』は本来、ものすごく「陰」を感じさせる曲なのに、ゲームの中の曲とも取れることでバランスが揺らいでしまったようで。
それでなくても、2018年は彼らの15周年となる記念すべき年であったと同時に、彼らの活動に多大な影響をあたえた「陰」が露呈した年でもありました。そこに生まれたNEWSというアイドル像の「陰」と「陽」のふり幅の拡大。(「陰」「陽」はあくまで隠れている部分と見えている部分の対比として使っているので、良い悪いのような評価ではありません。)
アイドルの曲はアイドル本人に重ねて聴くことがポピュラーなので、「陰」をうまく活用することがアイドルの一つの戦略。だから私は一度見えてしまった「陰」は活かしていくしかないのだろうなと思っていました。「陰」に対峙せず、なかったことにはできないだろうと。その期待通り『「生きろ」』は「陰」を熱く内包しているようにも受け取れる見事な曲になっていました。(『LVE』の方向もおもしろいと思う。)
だからアルバムにも「陰」を期待していたのかもしれません。*5 決して一つひとつの曲のせいではないのです。*6 ただ、”現実“のNEWSの姿が見えないように感じてしまうことに対する寂しさが確実にありました。

 

『WORLDISTA』はソロ曲に「陰」がある

しかし通常盤を聴くうちに「およ?」と思わされました。そう、通常版にのみ収録されている各メンバーのソロ曲に!
ご存知今回のソロ曲は増田さんが『Symphony of Dissonance』、手越くん『DoLLs』、小山さん『Going that way』、加藤さん『世界』という布陣。タイトルが発表された時点で、少々「陰」の気配を感じて期待がふくらんでいました。(「陰」を想像させる不穏な空気が好きw)
もちろんアイドルの「陽」の魅力が発揮されている曲として聴くこともできますが、私にはばっちり「陰」寄りの曲に聴こえました。どの曲もどこかしら”自分はどう生きるか”ということを問うて歌っているように感じられるからかもしれません。
ちなみに「陰」を感じるソロ曲としては前作『EPCOTIA』の増田さんソロ『Thunder』のイメージが個人的にはとても強いです。『U R not alone』からの『Thunder』で、増田さんは何かを燃焼させたのかもしれません。
だからなのか、今回のアルバムについての雑誌のインタビューでは、特に増田さん以外の3名から「陰」を強く意識している印象を受けました。手越くんの「今の世界に対しての正直な想いを一つの作品として表現している。」、小山さんの「ソロ曲だから、NEWSというよりは自分の思い。」、加藤さんの「『WORLDIATA』の仮想空間の世界とは違って、どちらかというとオレ『個人』を歌った曲。」というような言葉から。*7

中でも、手越くんの『DoLLs』にはずばり「陰」と「陽」をめぐる葛藤が語られているように感じてドキドキしました。タイトルを聞いたときには、『Thunder』の手越くんバージョンかな?とか、BOØWYの『Marionette』みたいな曲かな?と期待してワクワクしていたのに実際にそうだったら意外と動揺し、あと、なんとなく悲しくもなりながら。
特に気になったのは「自分じゃない自分に 決して負けやしない」という詞。「自分じゃない自分」とは何か?と思い巡らせました。ストレートに受け止めると、手越くん目線では「週刊誌などの報道によって形作られた手越像」が主たるイメージではないのかなと思いました。負けたくないということは、彼が否定したい「自分」だということだろうから。手越くんは聴く人が自分自身に落とし込んで共感してほしいとインタビューで語っているので、あくまで手越目線ではそうではないか、という推測です。
そこで、ふと思い出したのは「ジョハリの窓」でした。学生時代にどこかで聞きかじっただけできちんと理解できていないので、こちらを参考に→「ジョハリの窓」とは? - 『日本の人事部』

手越くんが言う「自分じゃない自分」というのは「ジョハリの窓」モデルにおける「盲点の窓(気づかない窓)」にあたる場合もあるんじゃないかなと思ったからです。人物イメージや報道内容については、明らかな捏造の場合も少なからずあるでしょう。しかし、部分的な事実を組み合わせた場合、そうも見えてしまう”可能性の姿”とも言えるのではないかと。手越くんが「真実はどこにいった?」と歌うように、「真実」とは異なる姿だったとしても。
これは手越くんやNEWSに限らず誰にでも起こりうることではあります。「誤解を受けやすい人」なんてのは一般的なフレーズ。でも、一般人とは異なり、芸能人はアレコレの意図によって面白おかしく組み立てられた”可能性の姿”を作られやすい立場なのは確実。繊細で詳細な情報を提供しなければ否定できない”可能性の姿”を作られた場合、提供しなければならない情報に1パーツでも公言できないことがあれば反論もできない。一部事実→でも全体像は全く異なる→でも一部事実。みたいなループ。さぞもんもんとするだろうなぁと思います。

この「自分じゃない自分」との戦いは「想像(作られた像)」と「現実(真実の像)」との戦いのように思えます。あるいは「想像(自分が理想とする真実の姿)」と「現実(すでに形作られ定着してしまった姿)」とも言えるかも。これ「想像」と「現実」の意味が逆転してるんですよね…。ここ、実はあまり整理できていなくて。でも逆転しうるのがおもしろい点だなとも思います。
そういう意味で、手越くんの『DoLLs』は私にとってはなんとも「陰」と「陽」の「波打ち際」の曲でした。とっても興味深い。

 

『WORLDISTA』で「陰」と「陽」は対峙するのか

そして、ハッとしたことがありました。「ジョハリの窓」とは違う話になるので、もう忘れてください。←持ち出した意味(汗)
それは『WORLDISTA』で、NEWSは「自分」と戦うのではないか、という妄想。『影との戦い ゲド戦記』を地で行くのではないかという期待でした。*8

はい、ここで『影との戦い』のことをざっくり紹介します。そして重要な箇所をネタばらします。ネタバレなしにこれから読みたいという方はこの先を絶対に読まないでー!海に捨ててー!(©シータ、あるいはリュシータ・トエル・ウル・ラピュタ
「ゲド」という名の魔法使いをめぐるファンタジー小説ゲド戦記』の第1巻にあたるのが『影との戦い』です。
…早速Wikiります。

ゲド(ハイタカ)の少年期から青年期の物語。ゲドは才気溢れる少年だったが、ライバルよりも自分が優れていることを証明しようとして、ロークの学院で禁止されていた術を使い、死者の霊と共に「影」をも呼び出してしまう。ゲドはその影に脅かされ続けるが、師アイハル(オジオン)の助言により自ら影と対峙することを選択する。

ゲド戦記 - Wikipedia より

()内に記されているのは「通り名」です。「ゲド」は「真の名」、「ハイタカ」は「通り名」。対象の「真の名」を知れば、そのものに影響を与えられるというのが『ゲド戦記』の世界の「魔法」のあり方。ジブリの映画を見ている方は、このあたりの背景はご存知だろうと思います。
自分自身が生み出し、自分を脅かす「影」。ゲドは「影」の「真の名」を知らず、追われ続けます。
そしてクライマックス、「影」と対峙したシーンを以下に抜粋。(すんごい良いところだから、未読の人は読まないことをすすめます…!)

あわや、両者がぶつかろうとした時、それはあたりを照らす白い魔法の光の中でその姿を漆黒に変え、いきなり、立ち上がった。人間と影とは声ひとつたてず向かい合い、立ち止まった。

一瞬の後、太古の静寂を破って、ゲドが大声で、はっきりと影の名を語った、時を同じくして、影もまた、唇も舌もないというのに、まったく同じ名を語った。

「ゲド!」

ふたつの声はひとつだった。

ゲドは杖をとりおとして、両手をさしのべ、自分に向かってのびてきた己の影を、その黒い分身をしかと抱きしめた。光と闇は出会い、とけあって、ひとつになった。

影との戦い ゲド戦記Ⅰ』*9 p268

「な、終わったんだ。終わったんだよ。」彼は声をあげて笑った。「傷は癒えたんだ。おれはひとつになった。もう、自由なんだ。」それから彼はうつむいて両腕に顔をうずめると、子どものように泣きだした。

同上、p270

ゲドは勝ちも負けもしなかった。自分の死の影に自分の名を付し、己を全きものとしたのである。すべてをひっくるめて、自分自身の本当の姿を知る者は自分以外のどんな力にも利用されたり支配されたりすることはない。彼はそのような人間になったのである。もはやゲドは、生を全うするためにのみ己の生を生き、破滅や苦しみ、憎しみや暗黒なるものにその生をさし出すことはないだろう。

同上、p270

この「影との戦い」成分を 、今回の自己に向き合っているかのようなソロ曲に感じたのでした。

こうして「陰」だの「陽」だの語りたくなってしまったのは、バーチャル世界の中での「自由自在な自分」のイメージがあったから。それがあって初めて、対する「現実の自分」あるいは「本来の自分」という関係性が露になってきたのだと感じます。今回のアルバム曲の偏りとソロ曲の逆方向への偏りが、ねらったものなのか、両者が関係しあった末に自然とそうなったのか、私には想像するしかありません。ただ『インビジブル ダンジョン』をはじめとしたアルバム曲にも、実は自分との格闘がたくさん描かれているんですよね。単純にバーチャル世界の自由と楽しさを表現した曲ではないことに気がつきました。増田さんがラジオで『インビジブル ダンジョン』はライブでもキーになる曲(ニュアンス)と発言していたので*10、やっぱそうかーとなったり。バーチャルの世界でも人間は人間ということかな。

なお、「自分」対「自分」というこの妄想は、大いに話題になっている『White』との関連性に影響を受けています。(この件、私は他の方々の“考察”にて知りました。)そうした、ウェブラック(NEWS)とTEAM WHITE(NEWS)の対立という構造の可能性、さらには起承転結の「転」に位置するアルバムであることから何かしらのこれまでになかった演出、例えば”闇”のNEWSの登場、もあり得るのではないかと。
これまでも「闇落ち」と表現されるような形で、“闇”側のNEWSが登場してきたりはしているのですが、いつのまにか出てきていつのまにか消えている、ということが多いので、ばっちり対峙してはいないのですよね。
けれど、バーチャル空間はNEWSとNEWSが対峙することも可能にするかも…!
今、私の中ではそんな妄想が止まりません。

ちなみに「自分」対「自分」という目線は、加藤さんのソロ『世界』にも色濃い。「貴様が世界だ」には「客観する自分」あるいは「もう一人の自分」が出てきた!!って萌えるし、『世界』の間奏(1:25あたりから)に、Daft Punk『Digital Love』の間奏(リフ?1:51あたりから)のイメージが重ねられている(?)*11 のは、あえての対比かな~と思ったりもしています。Daft Punk『Digital Love』は、眠ったときに見た君との幸せな「夢」が現実になってほしいと願う歌詞。だから、『Digital Love』と『世界』の対比は、空想にふけるオレと現実のオレ、という対比にも思えるし、夢を現実にしたいオレ×2パターン、という対比にも思えるかな、と。※3/31追記:違いましたっ!ラジオ(3/3のSORASHIGE BOOK)とJohnny's web(3/21のシゲアキのクラウド)の加藤さん本人によると『Just the Two of UsJust the Two of Us - Wikipedia という曲のコード進行なのだそう。*12 有名なコード進行とのことで日本でも使われている曲はたくさんあるようです。ちなみに、Daft Punk『Digital Love』がそのコード進行なのかは私には判断つかず(汗)詞のイメージがわりと重なるような気もするし…もしかしたらそうなのか??止まりでした。加藤さんが早々に語ってくれていたのに修正が遅くなってしまい失礼しました!本人が語ってくれる場があるのは贅沢ですね~。情報が入れば修正・調整するけど妄想もやめないぜ!ってことでw 

www.youtube.com

 

というわけで、NEWSが「陰」とどのような関係を築くのか、すごく注目しています。それはまた、NEWS自身の在り方にも関わるように思えるから。善悪を担わせ、勧善懲悪のような対立にするのか?それともゲド戦記のような融合となるのか?あるいは…?

別に勧善懲悪になってもかまいません。NEWSが悪役として振舞うのなら、それだけで、完全なる勧善懲悪ではない関係性が立ち現れていると感じるから。
対峙してくれさえすれば、それだけですばら。ドキドキハラハラモヤモヤワクワクしながらライブを楽しみに待ちたいと思います。(自分の妄想ベクトルのズレ具合はある程度自覚してますし、テーマやねらいが実際と全然違っていたとしても良いのです…。NEWSチームは別の方向のおもしろさを見せてくれると思うので。ジャニーズのアイドルだし、きっとすんごくエンタメでかっこいいライブになっていることでしょう!)


毎度書くのが遅くて、変なかぶり方をしていたらすみません!

夢から醒めるような現実を持ち込んだ話をつらつらとしてしまいました。
後半に行くにしたがってとっちらかりつつ、頭の整理ができないままに終了します。

 

 

仮想空間にぶっ飛び、かつ「自分」とは何ぞやと思い巡らしたいなら…

tower.jp

WORLDISTA (通常盤)

 

スティーブ・ジョブズとの関連性を感じる初回盤特典映像付きなら…

tower.jp

WORLDISTA (初回盤) (CD+DVD)

 

*1:詳しくは「チャンカパーナ オン・ザ・ロード」でググっていただければ。

*2:NEWSって曲の中で演じるのが得意だから、その力を舞台とかでも発揮してほしいな~。『LVE』なんてすごく舞台っぽい(余談)

*3:私は「ワールディスタカップ」=ライブ説賛成でっす。

*4:YouTube見たら、すんごい『発表会 -INTER-』味がある動画がありました。2007年のiPhone発表の際の動画です。初回盤の特典映像に出ていたアイテムも登場してました。実際に『発表会 -INTER-』には、その動画の観客の声を使用しているのではないかと思います。余談ですが、スティーブ・ジョブズ(本物)が着ているタートルネックイッセイミヤケなんですね。初めて知りました。NEWSがイッセイミヤケのバッグ(BAOBAO)風の服装に変身するのにもそんな縁があるのかな?

*5:もしかしたら聴くのが遅かったことも、すんなりハマれなかった一因かもしれません。私が聴いた頃にはすでに”考察”が驚くほど進み盛り上がっていたからです。その状況を前に、ただでさえ「“現実“のNEWS成分が足りない…」などともやもやしていた私は完全に乗り遅れてしまいました。時間だけでなく、感情的にも。

*6:曲については改めて書きたい…けど書けるかな?汗

*7:手越くんと加藤さんコメントは『QLAP!』2019年3月号、(株)音楽と人、p30より。小山さんコメントは『TV fan』2019年4月号2/27→3/31、(株)メディアボーイ、p23より。

*8:前にも書いたけど、本をあまり読まない残念な人なもので、もっと適当な引き出し先があるのかもしれませんが、私の少ない読書体験の中から『ゲド戦記』にリンクしてしまったのでそのまま突っ走ります。

*9:アーシュラ・K・ル=グウィン著、清水真砂子訳、1976年、岩波書店

*10:ここ追って確認します

*11:私、この説をすんごい押してるんだけど、ダメかな?w→違ったぞ!

*12:ラジオで言っていたので書いちゃいます~。

カレーと私

嵐が2020年大晦日での活動休止を発表した1月27日から、私にとっての2020年はオリンピック・パラリンピックの年*1 ではなく休止前の嵐が活動する最後の年になった。少なくともこの数日は。時間があくと、考えるともなく考えてしまう。

でも、自分の中で、嵐の実像が雲をつかむようになってしまっていることも感じた。それは、私が嵐に対していろんな意味で中途半端だからかもしれない。ファンとしての期間も、今の熱量も。何か書き出そうとしても、私の持っている情報は最新ではない気がして自信をもてなかった。*2

 

嵐とは、私にとってどんな存在なのか…。

そこで思いついたのがカレーだった。*3

今の私にとって嵐とは…カレー。

私はカレーに詳しくない。だからカレーを持ち出してきたのも、深く考察して選んだのではなく、あくまで私の中での符合。

けれど、カレーに置き換えると自分の感情を多少整理できる気がした。

と、いうわけで(?)、カレーの話をしようと思う。ただの私とカレーの話。

「カレー」が嵐、「具材」がメンバー、という謎のていで進みます。*4

 

「みんな大好きカレーライス」

もちろん好きじゃない人もいるだろうけれど。あと、この”みんな大好き”という表現には圧力を感じるので苦手だけれど。でも、まあ、そう言っても差し支えないかな、と思えるほどの”国民的”な定番食カレー。

具材はそれぞれおいしいけれど、煮込まれてカレーになるとますますおいしい。ご飯にかけてカレーライス、ナンと一緒にナンカレー、パンにはさめばカレーパン。(バラエティに、歌番組に、ライブにとマルチな活躍のカレー。)

繰り返しになるけれど、私はカレーに詳しくない。研究しているわけではないし、毎日食べてるわけでもないし、常にカレーのことが頭から離れないわけでもない。近所や立ち寄る場所にカレー屋があったら食べに行くけど、高級なカレーには手が出ない。有名店や人気店を常にチェックして、並んででも食べようというほどでもない。

でも、好きな食べ物は?と問われたら、私はカレーをあげる。それがどの程度の「好き」かは自分でも位置づけできないけれど、そう答える程度には「好き」。私の携帯には「カレー」という写真フォルダがあり、この頃登録したばかりのインスタでは「#カレー部東京」をチラ見している。*5

カレーは、だって、いつ食べてもおいしい。

時に未体験のスパイスを効かせてきて「お!挑戦的だな!このカレー、新しい!やっぱりカレーが好き!」となるときもあれば、時に具材の育成や調理のこだわり、歴史的背景などに触れて「は~カレーは奥深いな。そんな経緯があったのか…。稀有な存在だな~。やっぱりカレーが好き!」ってなるときもあり、懐かしい味には「うわ~やっぱりおいしい!カレーはいつでもずっと私の好きな食べ物だよ~。」となるときなんかもある。

で、この時のカレーはこういうところがおいしかったな、さらっとしたのよりは舌触りがあるカレーの方が好みだな、などとカレーについて素人なりに考えたりする。

そんな感じ。

 

カレーが食べられなくなることがあるなんて思わなかった。カレーがある日常が普通のものになっていた。ずっと食べられると、なんだかんだ一緒に歳を重ねて行けるものだと思ってた。(嵐のメンバーは「どう嵐を閉めるか」と考えることがあると語っていたので、彼らはフェードアウトするのではなく、いつか区切りをつける気なのだな、というのは感じていたけれど。それは「いつか」の話で、今ではないといつも思っていた。)

 

大野さんを…仮に玉ねぎとしましょう。

玉ねぎが「ちょっとカレーから離れたい」と。「いつも”おいしいカレー”になるために、人生を送ってきたけれど、一度カレーになることを考えず、根っこを伸ばしたりのびのび成長したり花を咲かせたり実をつけてみたい」と。

最終的に素晴らしくおいしいカレーになるために、玉ねぎがどれだけ心血注いで丁寧に育てられ、メンテに改良にと己をコントロールしてきたか…。それを想像しきれないまでも、精一杯想像すると、全くまっとうな願いだなと思う。彼はいわばアスリート。ハードな競技人生を送ってきた玉ねぎが代表を引退したいと言ったとして、「才能があるのに」「チームをどうする気だ」なんてカレーをおいしくいただいているだけの誰が言えよう。人生をかけて臨んできたからこそ、他のメンバーもそうだと知っているからこそ、自分の気持ちが最高に持っていけないと感じてきた中で、このままではパフォーマンスにも響くし、それは自分が人生をかけてきた競技やチームにも失礼だと考えてもおかしくない。そして、カレーのための食材としてではなく、一つの植物として、生命として生きてみたい、という願い。それを止められるわけもない。(本当に、大野さんの願いが叶わんことを…。体型維持なんて、いったんわきに置いておいて良いんだよ?と言いたいくらい。そして、「休止でもいいんだ!?」と思ってくれたことが何よりうれしい。)

で、他の4人の具材たちが「いや、玉ねぎがないと、俺たちの理想のカレーにはならないんだ。」と。「”カレー”と言えるものはつくれるし、玉ねぎなしでも何か別の方法で異なるおいしさを実現できるかもしれない。でも、それは俺らが目指すカレーじゃないんだ。」と。(そう、玉ねぎは大事、絶対。とろけちゃって形が残っていないときもあるし、入ってることが普通になっているけれど、カレーに入っている玉ねぎはすごくおいしい。カレーにとって縁の下の力持ち。なくてはならぬ存在。たまにごろんと丸ごと入っていて、メインをはることだってもちろんある!)

「だから、玉ねぎがまた他の具材とともに”理想のカレー”を志す気持ちになるまで、カレーは作らないでおこう。」と。「例えばジャガイモはポテサラになったりジャガバタになったり、にんじんは煮物になったりシリシリになったり、それぞれ料理の世界にはいるけど、カレーは作らないでおこう。」と。

 

わかる。本当に「わかる」ことは絶対に無理なのだけど、私なりにわかる。

そして、彼ら5人の判断に対して疑う気持ちはみじんもない。

だけど…だけど…。

2021年から、カレーが食べられないなんて…。

カレーがない世界になるなんて…。そんな………。

想像できない…。

 

「今までだって、無理せず食べられるときにカレーを食べてきただけだし、カレーに人生かけてるわけでもないでしょ?似たような料理、ハヤシライスやシチューでも食べてればいいじゃん。」と言われるかもしれない。

でもカレーの味はカレーにしか出せないんだよ!!

あるいは「2020年までのカレーをレトルトにしたり冷凍保存しておけば?」って言われたりするかも。

言われなくてもやる!でも出来立てのカレーにハフハフしてヤケドしたり、新しいタイプのカレーの一口目をドキドキしながら口に運ぶことはなくなっちゃうんだよ!!

今日はカレーにしようと思うとワクワクするし、カレーを楽しみに仕事したりする。好きなカレー屋がある駅が乗り換え駅だと昼食はここにしようってテンションが上がったり、カレーが食べたいな~なんて思って帰ると偶然にも家族がカレーを作ってくれているとすごくうれしい。カレーは何食続いても気にならない。家でカレー、外でカレーなんてこともある。この時のカレーおいしかったな~また食べに行きたいな~って妄想したり、カレーって本当においしいな~ってしみじみ幸せを感じたり…してきたの!

確かに私はカレーを食べなくても死なないかもしれない。

でもね、カレーが好きなの!

カレーがすきなんだよーーーーー。

 

今は、2020年の大晦日まで、なるべく逃さずカレーを食べていきたいな…と、その想いで頭がいっぱい。それぞれの具材がベストに調理されたカレーを。彼らの理想のカレーを。

まだ2021年からのことは考えられない。

 

 

 

 

…ただ、松本さんが「解散ではありません」と言い切り、二宮さんが「1回止まる」と表現し、相葉さんの「(また嵐を)”巻き起こす”でいいんだよね?」という問いかけに大野さんが「巻き起こしちゃいますか」と答え、翔さんが当然のように「復活はある」と笑ってくれたから、楽しみに待っていられるように、2021年を迎えるときにはなっていたい、と思っている。

 

 

 

書き終えて、しょーもないことを書いていると思った。ふざけてるみたいだし、嵐もカレーも好きじゃない人にとっては、なんのこっちゃな話だろう…。もう少し咀嚼できたら、嵐そのもののことも書いてみたい。けれど、今は無理。…という、ある日の私の記録として。

 

*1:仕事に少し関わるので、どうしてもそうなる。

*2:嵐遍歴についてのメモ→もしも君に会わなければ もう少しまともだったのに : ジャニーズ遍歴について(嵐編) - キラキラの方へ。

*3:1/29深夜のNEWS小山さんのラジオ「KちゃんNEWS」でカレーの話になったのにはビビった。下書き後に聞いたの!汗

*4:じゃあNEWSやスピッツはなんなんだ?ってことで、現状妄想したことを。今の私にとって、NEWSはデザート系の何か(未定)、スピッツは空気です。

*5:そこで発見したのだが、私はカレーのデザインも好きみたい。デザインも素敵な食べ物なんだな、カレーって。

3種の”生音”にわきたつ:『NEWS DOME TOUR 2018-2019 EPCOTIA -ENCORE-』感想

落選→復活当選という経緯を経て、めでたく行ってきました『NEWS DOME TOUR 2018-2019 EPCOTIA -ENCORE-』の1月7日最終日!

 

と、いうわけで参加させていただきます!

お題「NEWS DOME TOUR 2018-2019 「EPCOTIA ENCORE」続・宇宙旅行記」

ステキな場を設けてくださり、いつもありがとうございます!!

 

今回のライブで印象的だったことは多々あるのですが、”生音”をキーワードに書きたいと思います!*1

書く前に断っておきますが、記憶力がないため正確性を欠きます!それと他のグループのことは全く把握できていないので、比較しての言動ではありません!TOKIOとか関ジャニ∞のライブは生演奏が主体なのかな?知識が絶望的に足りなくてすみません。そうだとすると、NEWSの特徴としてはやっぱりつくりこまれたストーリーと演出をメインに書くべきかもだけど…なんせ適当な記憶しかないし…汗。好きなことを書いてしまいます~。そんな感じでお一つ。

 

NEWSライブの”生音”、その1

それは、むろんNEWSの”生歌”です。生での歌唱はNEWSがこだわってきたところ。(4人になる前については把握しておらず申し訳ない!)NEWSのライブの魅力は?と訊かれたら、私はまず”生歌”と答えたいと思います。

そこで、突然の「ここがすごいよ!NEWSの”生歌”!」。

1)とにかく熱量がすごい

この圧倒的熱量は、なかなか珍しいのではないかと感じています。その理由の一つは楽曲自体にあります。2012年の『フルスイング』*2、2017年の『U R not alone』、2018年の『「生きろ」』 、この応援歌の流れを見ると激しさのボルテージがハンパなく上がってきているのを感じます。「こいつら、出来るな?」と思われて、どんどん難易度を上げられてるのかな?『「生きろ」』については、事前に歌う覚悟ができるかどうかの確認も入ったそうなので*3、それだけ重い曲ということ。本当に曲自体が熱くて感情的で崖っぷちなんですよね。(ほめてます。)そしてこういう曲を、曲のもつ熱量に負けないくらいの熱量で歌えているアイドルが、これまた珍しい気がします。単に声が大きいとか叫んでいるということではなく、感情を過剰にのせて体当たりしている感じがする。アイドルでここまで表現しこなせるというのは本当にNEWSの強みだなぁと。*4 個人的には『「生きろ」』を歌ってから、NEWSの表現力の幅がさらに広がったように感じています。これまでも様々な曲をその都度全力で歌ってきたと思うのですが、『「生きろ」』がさらに段階を引き上げたな、と。だから、他の曲への力の込め方にもより緩急が加えられるようになったような気がするのです。

2)表現方法の幅がすごい

ここで上げておくべきなのが、2枚の直近シングルのカップリング曲『夜よ踊れ』*5、『LVE』*6 。この曲のボルテージもまた別の意味で激しいです。前の3曲が”NEWS(表)”の吐露だとしたら、”NEWS(裏)”の吐露、って感じ(笑)←(笑)じゃない。

そして様々な表現方法がつめこまれています。元々輝いていた手越くんのシャウトや増田さんのラップなどに加え、加藤さんや小山さんの特徴的な声質を活かすささやき声や吐き出すようなラップ、台詞のような語りまで!(これまで全くなかったわけではありませんが!)『LVE』なんて、曲の冒頭が加藤さんによる「完璧を求める奴等に構ってる暇は一秒たりとも残っちゃいない 支え合ってここまでやってきたから 丘の上を見上げれば太陽は雲に覆われている 『二度と太陽は出てこないのではないか』と人々は不安に思うが全くそんなことはない」って127文字の台詞だし、小山さんには「信仰がなくては悪意に勝つことはできない」「頷いてばっかじゃ退屈過ぎて死んじまうぜ」とか言わせちゃうし。ひゅーひゅー!!(古い)とにかく表現の幅の広さを実感できます。

なんとも様々な”声”を楽しめるのがNEWSのライブだと思います。

3)楽曲のキャラ変がすごい

しかもNEWSはそうした吐露系熱唱系だけじゃなく、”かわいい”から”クール”、”セクシー”から”ピュア”まで何でも入れてきますから、聴き応えハンパない。ザ・アイドル。これはアルバムを聴いてもらえれば一発でわかるので省略。←

『NEWS DOME TOUR 2018-2019 EPCOTIA -ENCORE-』(以降:EPCOTIA -ENCORE-)でも、そうした”生歌”の聴き応えを余すところなく発揮していました。2曲目の『TWINKLE STAR』では早々に「手越くんかわいい」メーターが振り切れましたし、しっくり過ぎた『夜よ踊れ』から『LVE』の流れでは、加藤さんの語りや小山さんの叫びに「演劇がはじまった?」と思うほど入り込んだ魅力が爆発していましたし、少年倶楽部プレミアムでも披露された増田さんによる山下達郎さんのカバー『ずっと一緒さ』にはストレートに心がつかまれました。

もちろん、それらの歌声が全て完璧!ってことではなく「ああ、音、戻ってこーい!!」とぐっと手に汗握りながら聴いていた部分もあったし、『Cascade』とか『AVALON』は、もう少し”生感”をおさえてクール目な音にしても良かったんでは、と個人的には思ったり。でも、生の聴き応えの前にはなんてことないこと。

NEWSの生歌は良い。それは間違いない。 

 

NEWSライブの”生音”、その2

今回、個人的にとても上がったのが”生演奏”でした。

NEWSライブでは、以前にもソロにバンドが入ったりオーケストラとの共演なども果たしていると思うのですが、今回の”生演奏”に直接つながっているのは、2018年夏の『NEWS 15th Anniversary LIVE 2018 "Strawberry"』。こちらも2日目に行くことができました!そこで行なわれたのが、生のバンド演奏をバックにした『夜よ踊れ』『JUMP AROUND』『紅く燃ゆる太陽』『BLACK FIRE』のパフォーマンスでした。そのときもテンションぶち上がりだったことを思い出す…。

この時、9月の『テレビ朝日ドリームフェスティバル2018』(以降:ドリフェス)への出演が発表されたので、この形で戦うんだろうなと完全に思い込んだくらいでした。詳しくはないのですが、女性アイドルに「バンドセット」という生演奏の形態があり、アイドルとバンドが共演するライブを開いていることはゆるく知っていました。なので、バンドがたくさん出演する『ドリフェス』ではNEWSもこの体制で行くのだろうと。でも意外や意外。『ドリフェス』はバンド構成ではなく。ダンスや会場内での移動(大きなトロッコ?登場)、笑顔や変幻自在の表情、かけあいだったりでお客さんをわかせることを選んだ、”アイドル”の得意分野が光るライブでした。実際ジャニーズアイドルのライブを直に見られる機会は一般の人にはほとんどない。そうした貴重な機会にあたって、他のミュージシャンに寄せるのではなく、異なる魅力であえて勝負したのだと。夏のライブが素晴らしかっただけに少し残念に思う部分もあったのですが、納得しました。『ドリフェス』でのライブもすごく良かったし攻めていたから。

そうしてバンド構成は、私の中では夏だけの特別企画という認識になっていました。

だがしかし!『EPCOTIA -ENCORE-』には生演奏コーナーが帰ってくるばかりか、さらに進化していたのです!!

そして、突然の「ここがすごいよ!NEWSライブの”生演奏”!」。※整理してるだけ。

1)ラッパが入ったシャレオツ曲~激しめバンド曲~ナチュラル曲で聴かせる

夏は全体的に激しめ曲よりだったのですが、『チャンカパーナ』のオシャレさが加わり、『夜よ踊れ』『LVE』『JUMP AROUND』『BLACK FIRE』と熱量が上昇。もう踊るしかない!(そんなにオシャレに踊れないけど!)もしくはコブシを振り上げるしかない!(コブシはやらない派だけど!)かと思うと、急に『Strawberry』!実はライブでどんなアレンジだったのか記憶がないのです(ひ…ひどい)。CD音源ではギターによる弾き語り曲。直前の『BLACK FIRE』から、すっと雰囲気が変わったのは確実なので、ナチュラルなアレンジだったのはたぶん間違いない(ほんとひどい…)。『BLACK FIRE』直後の『Strawberry』とか、増田さんがんばった!*7

2)バンドメンバー紹介で聴かせる

曲間にはバンドメンバーの紹介とソロ演奏も!結構しっかり聴かせてくれました。これがまた一人ひとりかっこいいのですー!大人なバンド♡って感じでした。

3)ピアノだけで聴かせる

で、増田さん&手越くん*8 のピアノ伴奏によるソロ曲へ!しっとり聴く、繊細な音が贅沢!(手越くんもピアノだったよね?(←違ったらしいぞ!)加藤さんと小山さんは動きと表情に夢中だったので、演奏がどうだったか思い出せず…違ってたら本当にすみません!*9

NEWSったら、バンドのアレコレ魅せまくるわ~。はっきり言って私の耳と知識はへっぽこなので、どこの演奏が良かったかと問われると困る(正直)。でも、リズムにのっていたら文字通り「あっという間」で、記憶が吹っ飛ぶくらいものすごくテンション高く聴き入った!という感覚は残っています。円盤を楽しみにしてる!

『EPCOTIA -ENCORE-』は実際舞台美術(ステージ?セット?)もすごくて、そこでライブが始まった瞬間すでに「すごいエンターテイメントを見に来ちまったぜ…」と思ったのに…。ぐるっと会場を回るのは惑星型のバルーンに吊り下げられながらだし、ムービングステージでは時折がっつり振り付けを見せてくれるし、遊び心満載で東京ドームの広さを感じさせないし…。振り付けも一曲一曲味わいたいくらい世界が濃いし、増田さんが関わる衣装も、加藤さんが関わる映像や物語もある…。そんな盛りだくさんのライブなのに、耳の方までパワーアップして楽しませてくれちゃうなんて最高じゃないですか!!これは、もう新種のアドベンチャーテーマパークなのでは??(何それ)

ちなみに私自身は必ずしも生歌&生演奏至上主義(?)というわけではありません。アイドルにとっての生音は多くのパフォーマンスの要素の中の一つだと捉えていて、パフォーマンス全体を魅力的にするための選択肢の中の一つだと思っています。そのアイドルの目指すイメージや、得意分野を活かして魅力的にしてくれれば、どの選択肢が上位とかってことはない、と。NEWSのライブだってもちろん全てが生演奏というわけではないし、こうした生演奏が今後強化されるのか、それは全くわかりません。

ただ、ライブ=”生”であることの楽しみに臨場感あふれる音の世界が入らないわけはなく、音楽にこだわっているNEWSが、生演奏のコーナーをドンっとすえてきたことには素直にとてもうれしくなりました。もともと映像で見た『NEWS LIVE TOUR 2015 White』で多く試みられていた、手越くんの声でバーっと世界が変わる等、曲が演出に合わせて変化するのが個人的には大好きで。欲を言えば、そうしたアレンジへの期待も高まっています。

 

NEWSライブの”生音”、その3

NEWSライブの最後の生音。それは”生コーラス”です。つまりファンの声。

今回もだいぶ歌いました(笑)のどの調子が悪かったのに、咳き込むほど歌った。ごめんなさい、周りの方々。(風邪じゃないよ?)

でもって、突然の「ここがすごいよ!NEWSライブの”生コーラス”!」。

1)つかみが『U R not alone』

3曲目にして来たのには驚きました。お客さんの緊張ほぐし?あたため?一体感づくり?と思える早さ(笑)けっこう重めの曲のはずなんだけど、早々に持ってこれるNEWS強い。

2)難易度の高いコーラスをたくされる

最初聴いたとき、自分自身も周囲も「これを歌うの?覚えられなくね?」っていうザワ…ザワ…があったのですが、結局完璧に歌いましたよね~(たぶん)。宇宙人くん達の指示がわかりやすかったです!

3)能動的に自分たちのパートを増やす

あと、今回新鮮だったのは『BLUE』の前奏。サッカーの応援で歌われる『アイーダ』の『凱旋行進曲』が使用されています。そこもコーラスという自覚はなかったのですが、歌声が聞こえてきたので私も歌っておきました。歌っている人がいたら、とりあえず歌っとくようにすり込まれている気がする。その他にも、ん?歌ってる人いるな?ここ歌うんだっけ?と思うシーンがけっこうあった(笑)すごいぞ、NEWSファン(笑)

私の隣の席は若いカップルの彼氏さんでしたけど、歌ってました。いい青年だなー。彼が曲にのって体を動かしていたので、私も気楽にのれました。(たまに私しか動いてない??みたいな状況になることもあるので、ちょっとさみしいのです。それでも動くけど。)

余談ですが、声の集合を聴くと、なんとなくお客さんの年齢層がわかるのもおもしろいですよね。(私にゃ高いよ。)

こうして、自分も”生音”に参加してきました。

 

…というわけで、生歌生演奏生コーラスの三本柱でNEWSの”生音”ライブを堪能してきました!

今の全方位を作りこんだ演出に、生演奏まで突きつめて行ったら割に合わないのではないかな、という懸念もあるのです。ライブの準備がさらに大変になるし、当日の調整も大変になるし、お金の事情もきっと大変になるというのは素人にも想像できる。

でもとにかくNEWSの『EPCOTIA -ENCORE-』での生音は素晴らしかったってことを留めておきたいと思います。

 

最後に『EPCOTIA -ENCORE-』1月7日の各賞を発表!!(知らん)

手越くん:『TWINKLE STAR』が愛くるしいで賞!!

ひたすら笑顔で「とぅいんくるすたーーーーー♪」って歌いながら、手をスライドさせる振り付けをする手越くん…かわいいいいいいいい!!ちょっと大変そうなところも含めてかわいいいいいいいいい!!(かわいいメーターが思い出し振り切れ。)同じ話を2回してすみません。だって本当にかわいかったんだもの。

小山さん:演出過剰があざとかわいいで賞!!

いちゃいちゃが過ぎる…(笑)そして楽しそう(笑)そういう演出をきっちりナチュラルにこなしてくる小山さんが、ほほえましさとあざとさ込みでまるっと「よっ!小山屋!」って感じでした!!(『LVE』とかも打たれたはずなんだけど、ごっそり記憶が飛んでいるから書けなかった~涙)

加藤さん:笑顔が不敵で賞!!

いちいち不敵な笑みを浮かべてくる…。なんて安定感のある妖艶な表情…。先生!!あの人演じてます!!魅了されたら危険です!!(心の中の告げ口くん。)セリフの完成度とあいまって、加藤シゲアキの本気はヤバイ…と思いました!!

増田さん:『AVALON』を目の前で踊ってほしいで賞!!

AVALON』では増田さんが一番遠かったのですが、踊っているシーンがプロジェクターに映し出されるたびに「ぐはっ」となりました。なんだ!!あれは!!この世のものか??

はー…これで私のテンションも成仏できたかな?(だから知らん)

 

さらにオマケ!!うちわ!!うちわ持ったの!!ジャニーズのライブに行くこと6回目!!(少ない)初!!初うちわ!!

初めて持ったので、それだけでテンション上がっちゃってすみません。

持つことにした経緯や心情なんかに触れたい気がしますが、時間がかかりそうなのであきらめてうちわだけ公開しますね。(だーかーらー知ーらーんー)

f:id:chikachika04:20190113194857j:plain

f:id:chikachika04:20190113194912j:plain

増田さん『Thunder』バージョン!!あるいは左目からビーム!!(顔はぼかしておきました。)

初うちわなのにデコってやったぜ!(デコかな?)元々のデザインが好きな上に、さらに手を加えたいという欲求が抑えきれず。ごめん、キレイにとっておきたい系ファンじゃなくて。

やった…私…やったよ…満足。

だって今のところ自分しか見てないし、今後も押し入れの奥深くで眠るだけだし、ここで見せなきゃ一生見せないから(全て私の自意識のせい)。

…おつきあいありがとうございました。

 

次の「W」も楽しみにしています!!

 

*1:”現場”のことを書くことが苦手のようで、今までいくつかの”現場”に入れる機会を得ていたものの、気がつくと1回しか書いていない事実に反省しつつ。

*2:今回は歌ってません

*3:「小山:『生きろ』ってすごく強い言葉だよね。最初に歌詞を見せられて「この歌詞を背負えるか?」って確認をされたのは初めてだった。この歌詞を今このタイミングで歌う覚悟を持てるかってことなんだけどズシンときたよ。その時点で歌詞を丸めることもできたけど、あえて変えずにいかせてもらった。」『TV LIFE』2018.9.5発売(首都圏版9/8→9/21)

*4:ミュージシャンの中なら、詳しくないながら、エレファントカシマシ宮本浩次さんや峯田和伸さん等がパッと思いつきますが。あ、女性アイドルならBiSH?

*5:『BLUE』通常版(2018.06.27リリース)収録

*6:『「生きろ」』通常版(2018.09.12リリース)収録

*7:追記:間に『さくらガール』が入る可能性があったみたいですね。確かにその流れならもっとスムーズ。

*8:追記:ごめんなさい!手越くんはギターだったとか?なぜこんな適当な記憶で書いたんだろー汗

*9:追記:加藤さんはバンドだった~!小山さんは?