キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

続・ココロとカラダ、にんげんのギャップ:『装苑』2018年11月号MFBB感想

minaとかM girlとか話題の雑誌が出まくっていますね。それに今日はラジオでテゴマスが歌うそうじゃないですか!?そんな中、しつこく前回の記事につけたします。

chikachika04.hateblo.jp

というのも、前回の記事で増田さんの関心事について検討してみた部分が、自分で書いておきながら「そーかぁ?」ともやもや不完全燃焼だったので。

下記の『Thunder』とのからみで書いた部分です。

「今の増田さんには、見た目と気持ちは異なることもある、そのことをわかってほしい、あるいは、気持ちをさらけ出したい、という欲求があるのだろうか?と。もしくは、そうしたギャップに葛藤する自分に区切りをつけたいとか、逆にギャップを肯定し受け入れ融合していきたいとか…そんな想いや興味関心があるんでしょうか?」

んんん…やっぱり短絡的だったというか、感傷的過ぎたというか。

むろん私には増田さんの精神状態なんてものはわかりません。わからないんですけど、今回のチョーヒカルさんとのコラボの中で増田さんが考えていたのは、私が書いたような一時的な気持ちではなかったのではないか、という妄想が強くなってきて。(前回も別に結論付けてたわけではなくて、可能性として書いてみただけなんだけどね??)

なぜそっちの妄想が強くなったかと言うと、増田さんは一時的気持ちのようなものとは別の次元(異なるフェーズ?)で、”外面と内面”について常に関心を持っている人だったということを思い出したから。

それはつまり、衣装やファッションへの関心のこと。増田さんは衣装を考える人であり、ファッションへの興味関心が莫大な人なのでした、そうでした。今更ですし、そのまんまのことでした(汗)

増田さんがNEWSの衣装について話すとき「NEWSをどう見せるか」という言葉をよく使う気がします。装苑でも「もちろん客席には、NEWSをかっこいいと見に来てくれる人も、かわいいと言ってくれる人も、アイドルとしての美しさみたいなものを期待してくれる人もいます。いろんな角度から見たNEWSを全部クリアして、その上でこんな面もあるんですよと、NEWSの新しい一面を、衣装を通じて見せたいんです。」*1 とか「メンバーの長所やキャラクターをちゃんと、強く、表現したいとも思っていました」*2 と語ってます。NEWSや各メンバーを様々な方向から客観視しつつ、NEWSのメンバー自身だからこそわかることも加え、強調したり発展させたりして衣装をつくっているんですね。そうした想いは、素人目で見ても、衣装からあふれてるけど、言葉にしてくれるとまたまたぐっと来ます。

増田さんがやっているのは、メンバーやNEWSという”素材”を”衣装”によって色づけ、変化させ、飾るという作業。”素材”を”内面”だとするなら”衣装”は”外面”。内面に対して外面をシンクロさせたり、誇張したり、あえてずらしたり、裏切ったり…。オフのショッピング中にも衣装のアイデアをストックしておくほど衣装のことが常に頭の片隅にある人なのだから、外面と内面のバランス、その関係性に関心があるのは極々自然。職業病と言っても良いくらいなのだろうと。

そんなこんなで、きっと『Thunder』もまるっと含めて、増田さんの中には一朝一夕ではない外面・内面への関心が脈々と流れ続けているのではないか、と思うにいたったわけです。一時的な精神状態や欲求などと関連してるのでは?風に前回は書いたのですが、いや一時的じゃない!ってことが言いたかった。そういう追記です。前の記事をアップしてすぐこのことを書きたくなったのに、完成が今頃になってしまったためずっーーーと考えてたみたいで少々重いことになっていますがw 

 

それと、もう一つ、つけたししたかったことがあります。それはチョーさんの作品の中から今回のタイプの作品を選んだ増田さんって絶妙じゃない!?ということ。

”今回のタイプの作品”というのは身体の中身が見えている(ように見える)タイプの作品のことです。チョーさんの作品にはもっと錯視に重きを置いていて、ありえない身体状況になってる!みたいな驚きが強い作品もたくさんあるんですよね。その中で増田さんが選んだのは割と静的なタイプのようにも感じます。だけど、この作品だから考えさせられる、ボディペインティングと衣装との関係性があるような気がしました。

それは、ボディペインティングを”まとう”って表現をめぐって。MFBBで「アートをその素肌にまとう」というように使われているんですが、まず”まとう”という表現がそれだけでもおもしろいですよね。さすがファッション誌!うまいこと言った!みたいな。(軽い。)確かに”まとっている”と言うこともできるなって。皮膚の表面に描いているわけだから。

だけど、さらに、この作品には”まとう”という関係性を反転させる効果もあるように感じたのです。この身体の中身が見えている(ように見える)タイプの作品は、素肌に描いたボディペインティングによって描かれた人の内部が表されるから。つまりはボディペインティングによって、その人の”本質”が表されているという風にも受け取れるのではないかと。そう受け取ると、ボディペインティングで表された”本質”が”まとわれる”ものになり、外側から見えている素肌の方が”まとう”側ということになるという反転が起こるのです。

f:id:chikachika04:20181029221516p:plain

つまりはこんな感じ。(ゆるい図にて失礼。オバケのQちゃんかメソあたりでイメージしてください。え?知らんて?汗…じゃあ着ぐるみで。)
今回の作品が増田さんの内面にまでアプローチする意識があったかどうかは置いておいて、そういう風にも捉えられるのではないかなぁと。

その上で”アイドル”とのコラボというものを考えると、また興味深い。アイドルにとって外見ってかなり重要な要素ですよね。だけどチョーさんのボディペインティングによって、外見が、本質を”まとう”ものになる。そうすると、身にまとう衣装とは異なる形での人物表現が可能になるのではないでしょうか。ある種の脳内メーカーみたいな?ファンにとっては、自分はそのアイドルのどんな部分を見てるんだろう?って考えさせられる作品になるんじゃないかと思いました。

描かれる人物が作品の重要なピースになって、その人物と描かれるモチーフの関係性がとても意味のあるものになってくる。コラボ向きの作品ですね。チョーさんもコラボウェルカムっぽいのでw今後の展開が気になります。

ちなみに個人的には、本質と外見って切り離せないものなんじゃないかと考えているので、切り分けて言葉にするのもどうかなぁとも思うんですけど、そういう見方してみてもおもしろいよねってことで!

余談ですけど、ファッションに真剣に向き合ってる人は、ファッションが自分の本質(とかその日の気分とか理想とか信念とか)を表していることをちゃんと意識して身に付ける物を選んでいるのですね、きっと。反転させるまでもなく、身に付けた衣装自体からその人の多くを読み取れるのだろうな。すごい世界。想像すると圧倒されます。ゆるゆるの人間なんでそんな境地にはいけそうもありませんが、それなりに意識して自分と身に付ける物について考えていけたら良いな…あの、あくまでそれなりに。

 

それにしても、増田さんってなんでこういう(私にとっての)おもしろ嗅覚があるんですかね?(増田さんをなめてる発言じゃないよ?)そこで、はっと思い出したのは増田さんがANREALAGEを好きな人だということ。

私、ファッションについて完全なる素人です。だから他のブランドと比較して言っているわけではないのだけど、ANREALAGEって”アート”と近しいブランドだなーってことは言われてもいるし(たぶん)、確かに感じるところでありまして。本当にあくまでNEWS周りの知識でしかないんですけど、なんて言うか…コンセプトを着ているようなブランドだと。もちろん”着る”ことを軽んじているということではなく、MFBB第1弾でのANREALAGEの森永さんとの対談で、増田さんが「森永さんの作る服にはいろいろ仕掛けがありますが」*3 という表現をしているように、”仕掛け”に存在感があるということです。新しいテクノロジーを活用することで可能になるコンセプトを提示したり、工程に一般的な完成度とは異なる”意味”を見出して展開させたりと、そんなアプローチがすごく”アート”的だと感じます。ファッションよりファインアートが上位とか、そういうことではないのですよ?アートにも工芸方面の領域もあるので、”仕掛け”が強くないとアート的じゃないということでもないですし。

…うむむ、この程度の理解でANREALAGEについて語ろうというのは無謀なので、ここらへんで(逃)。ファッション全体についても知らな過ぎるので、この印象があっているのかどうかもわかりません~。ただ、私がNEWSの衣装がおもしろいなと感じる要因の一つに、増田さんがそういうアート系嗅覚を持っていることも関係しているのかなと思ったのでメモってみました。私が増田さんの込めてるものをきちんと受け取れているということではないのですけど…凹

 

一緒におもしろがってやってくれるスタッフの方々がいて、それを披露できる場があるってすんばらしいですね。年末年始の衣装も、直に見られるかはわからないけど、楽しみにしてます!!

ちなみに『NEVERLAND』の衣装展の特典映像はうれしかった!!って今更報告しておきます。作り手としての増田さんへの信頼度がさらにアップしました。モノとして存在する作品って、説明しつくしてしまう心配はないと思うのですよね。いまいちな作品だとコンセプトに負けることがあって、言ってる割に…と残念な状態になる場合もあるんですが(毒)、魅力的な作品ならばそのもの自体が強く豊かであるはずだから。言葉はそれを補強してくれるイメージ。なので、個人的にはほどよくしゃべっていってほしいなと思ってます。

だから装苑が増田さんの色々を補足したり見せてくれる欠かせない場として機能してくれるのが、ほんとありがたい!!(他の雑誌も!読みつくしてはいないけど!←)

 

タイトルはオリンパスの「ココロとカラダ、にんげんのぜんぶ」からのパクリ変形でした~。

 

*1:2017年9月号p42

*2:2018年9月号p35

*3:2018年4・5月合併号p96