キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

サヨナラまで : 2cmの距離感と、愛しく悲しいEMMA残し

EMMAを新たな「声に出して歌いたい名前」に認定します

ということで『EMMA』!!ようやく!!!Mステに間に合った!!!!*1

 

まずは気になっていた”2cm”から。

★歌詞のこと:”2cm”って?

増田さんが歌う「サヨナラまで2cm」。2cmって何から来ているのだろうと気になっていました。たぶん銃か何かに由来する単位なんだろうと思って見てみたら、これかも?という”2cm”を発見したので書いてみます。

それは、銃弾の長さ。わりとポピュラーなサイズに9×19mmというものがあるそうなんです。9mmは弾の太さ、19mmは長さ。(←付け焼刃知識)

9x19mmパラベラム弾 - Wikipedia*2

つまり「2cm=弾1つ分」という表現なのではないのかと。例えばデザイン業界の人が20cmと言われたら「A4の短辺くらい(21cm)」、競馬業界の人が2.5mと言われたら「1馬身くらい(約2.4m)」とイメージするように(するのか?)、ハードボイルド業界で共有する単位としての”2cm”「弾一つ分の距離」という用い方なのではないでしょうか。確信は持てないけれど。

”2cm”の意味がもしもこのようなイメージであるなら、サヨナラまでのスピード感がつかめてきそうな気がします。ざっくり言って、けっこう速い(←語彙力)。それと、互いに命をかけているような、切羽詰った状況という雰囲気もさらに強まる気がします。サヨナラまでの2cmがますます切ない。そしてこの主人公は日常会話がハードボイルド言語であるような、業界にどっぷり浸かって抜け出せない悲しいヤツという哀愁も感じさせます。

銃の知識がないと読み解けない歌詞なのだとしたら、そういう意味でも男性っぽいと言えばそうなのかもしれないですね。

 

ちなみにMVの銃についてはデザイン的にこれかなと。アメリカ発祥らしいし、携帯しやすく女性の護身用としても使われるイメージがあるそう。そして、この銃で使用する弾は9×19mmだとか。

M1911 - Wikipedia

女性におすすめの拳銃10選 | HB-PLAZA

2つ目のサイトでは「古い1911系ピストル全般」と紹介されているので、その古さが『EMMA』の世界観に合っているから採用されたのかな?とも。ビジュアル的にもすっきりスマート。たぶんアメリカンハードボイルドな物語と関連した由来などもあるのでしょうが、果てしなさそうなので断念。詳しい人の解説が見たい…。

 

★歌い方のこと:き捨てる感じ

語尾の力強さが印象的でした。歌い方に粗さを出しているということで、吐き出す感じというか吼える感じというか。下記、ぐっとくる吐き捨て感。

・加藤さん にぎらせ~ぇ゛

・小山さん なみだする゛~ぅ゛

・手越くん せないほど~ぉ゛ あおお゛~ぅ゛

全員で歌う時の エマッ エマッ エマぁ゛っ の吐き捨て加減もステキ。

「゛」多様で表現したくなる歌い方。名のあるテクニック的なものなのでしょうか?キャッチーの中にあるハードボイルド感!

そして増田さんは、エマッ えま… エマぁっっっ のエマ3種盛り。3度おいしいエマ。

 

★MVのこと:手つき・モノクロ・EMMA残し

余談ですが、メニューが出る前の4種の見返り美人(男)にまず足止め。振り返っているのはエマと過ごした記憶?「消えないようにキズつけてあげるよ~♪」*3 的な”悪さ”があるエマちゃん。

4人の画面が並ぶところでめっちゃテンション上がるとか、個別に、小山さんの「悪い女」で目を合わせるところにドキッとするとか、手越くんの腰使いがすごいとか、加藤さんの口の閉じ方がツボだとか、増田さんの色々色々を書きたいですが、それは私的に楽しむとして…。

 

【擬人化と触】 

見所の一つはいやらしい手つき(←)ではないでしょうか。

メイキングに加藤さんがギターを女性に見立てるよう伝えられている演出シーンがあるように、それぞれの担当アイテムを擬人化して触っているシーンが随所にあふれています。担当アイテムである増田さんの車と加藤さんのバイク・ギターは、”俺の相棒”というイメージが一般的にも思い浮かびやすく擬人化することが容易だと思うのですが*4、手越くんはビリヤード、小山さんはダーツという相手。この2種は飛ばしたり打ったりの接し方なので擬人化が難しそう。*5 しかし!!2人はやってくれますね。ビリヤードの棒(キュー)をあんな風に扱う人います??それとダーツを抜くときに「じらしをやってみました」って何???難題を、むしろいきいきとクリアする2人。間違いなく変態だわ…(ほめてます)。

 

【モノクロ+】 

全体にはモノクロ+赤の世界。元々歌詞の中に描かれる赤が印象的です。「血が流れても」「赤い夜明け」「濡れた唇」。歌詞の段階からMVのイメージを平行して描いていたのか気になる。その物自体は直接的に赤くはないけれど、火や血をイメージさせるモチーフには、銃(爆発・火薬、血液)、タバコ(火)※MV中 なども。*6 最後に雨が降るのはそうした火や血を消し去り洗い流す役割をしているようにも感じます。

その他に歌詞の中に出てくる色のイメージは、ギムレット=黄(ハードボイルドの作家だというレイモンド・チャンドラー『長いお別れ』では「うすい緑がかった黄色の神秘的な色」と表現されているそうです。原典からでなくコピペにて失礼!(汗) 裏取りお願いします←)、ピストル=モノクロの金属色、野良犬=イメージ的には茶褐色?黒?、ギター=茶褐色、月=白、薄い黄、夜=深い色、黒。ここから感じるのは、衣装の色はこれらのモチーフからピックアップしたのかなということ。加藤さん=赤全般、手越くん=ギムレット、小山さん=夜、増田さん=ピストルかな?革のハーネス(と言うの?)がっぽいと言えば、っぽい。手越くんの衣装の色については増田さんが見つけたときに「これだ!」と思ったという話を聞いた記憶があるので、選ぶ際の判断基準に思い入れの強さを感じ、ギムレット由来で正解のような気がしますが、小山さん増田さんは妄想に近いかも(汗)。

 

以外は基本モノクロ。主としてエマ関連が赤い。*7 エマの髪色を金髪でなく濃い目の髪色にしたのは、モノクロの世界の中での存在感を出すため?あるいはジョーカーのイメージなんでしょうか?

そして、バックがトタンのシーンだけ、NEWSメンバーにも黄~茶褐色が差されます。そこで改めて映えてくるのが衣装の色。

赤:加藤さんの衣装(ヒロイン色!)、増田さんのインナー、小山さんの腰の紐、手越くんのチョーカー(+指輪・ピアス)、そして手越くん以外の腕章のロゴ*8。各メンバーのポイントポイントに赤が差し込まれているのだと気がつきました。質感を変えつつも、色で韻をふんでいる。*9

その他に薄く色づいているのが増田さんの髪、手越くんのジャケット。手越くんのジャケットの色はモノクロだと明るめに出るから、首から下がる赤いラインは全体を締める効果もあるのかなと感じます。

 

EMMA残しゲーム】 

そういえばモノクロ+赤=トランプの色ですね。でもモノクロ画面では、ハートとダイヤの赤も黒になっていて、赤いのはジョーカーのエマだけ。

ババ抜きならぬ「エマ残し」。

そんなゲームが元からあるのかな、とちょちょいと検索してみたら(検索好きでスミマセン)、こちらもちょっとおもしろい話があったので貼っておきます。

www.asahi.com

たぶん演出とは関係ないのだろうと思いますが、 ババは元々「オールドメイド」という「適齢期を過ぎた未婚の女性」を表すのだそう。元々はクイーンを1枚抜いて、誰とも結ばれない女性=オールドメイドをわざと作って、やっていたゲームなんだとか。*10 NEWSメンバーはエマの取り合いをしていたようですが、エマ(誰とも結ばれない運命の女性)は出て行くことを決めていた、と考えるとちょっと切ないですね。鏡をのぞくエマは出発の準備をしているようにも、「あなた 私の幻を愛したの~♪」*11 的な心境を表現しているようにも感じます。

 

最後の銃に打ち抜かれた穴から朝の光が差し込んでいるシーンが好きです。きれい。NEWSメンバーは振り付けで何度も打ち抜かれているのに、エマは一度も打ち抜かれない。打ち抜かれた穴(実態のない存在)とそこから差す光は、エマ自身を表しているようにも、エマとの鮮烈な記憶を暗示しているようにも思えました。

CDTVの初披露を見てからというもの、エロとセクシーと悪いエマちゃんにばかり気を取られていたけれど、冷静に考えると悲しい歌、別れをわかっていながら…という歌なんだものね。*12 単にエロくて悪いエマじゃなく、大人で切なく意志の強いエマの肖像が浮かんでくる気がします。

アメリカンハードボイルドの世界についての知識が皆無なので、感じ取れていないことが多そうですが…〆。なんかエモさがある文章が書けずに申し訳ない。

 

色々な感覚で世界観にいざなわれる曲!!EMMAでした。

では、Mステのナマエマへ…。

 

*1:これからブログ巡りをしますので、内容がかぶっていたらごめんなさい! それはそうと、今週の小山さんの『メンバー愛』には色んな意味でドギマギさせられた…

*2:弾の外面の素材は真鍮と銅?MVのマイクスタンドのパイプは真鍮のようですね。でもその他の金属が真鍮縛りということでもないので、弾に関係しているわけではなく、重厚感や古びの演出かな?ちなみに、9mm Parabellum Bulletのバンド名の由来である弾らしい。…全然関係ない話ですが、「パラベラムの名はラテン語の諺「Si Vis Pacem, Para Bellum」(平和を望むならば戦いに備えよ)に由来している。」というの、ちょっと興味深いですね。皮肉と捉えるか、少年マンガ的に捉えるか。

*3:スピッツ『猫になりたい』

*4:まず思い浮かぶのが「こんな夜に お前に乗れないなんて~♪」by RCサクセション『雨上がりの夜空に』でも、増田さんは車というよりクッションを触っているので、単に彼女がいなくなった跡を惜しんでいる風。意外と一番擬人化的ではないかも?

*5:そのためか、2人にはそれぞれ柱とサンドバッグを触るシーンもあるw あ、小山さんはバラもあった。

*6:そんな中、赤であっても良いのに白いのがバラ。これはちょっと不思議。単にモノクロの画面上で色を抜くことで目立たせるため?それとも花言葉とか?…謎は解けず。

*7:唇、爪、傘、帽子の飾り、ドレス、ジャケットの襟

*8:ちゃんとエマ×3だったんだね。縁取りは増田さん赤、小山さん深緑、加藤さん紺?

*9:その他の色も、黒、紫紺、深緑、金(黄)、白くらいで、それほどバラつきはない。

*10:なんだか非常に複雑な気分…w エマちゃんもまあまあな歳の女性にしたのはだからだったり?

*11:杏里『オリビアを聴きながら

*12:小山さんと手越くんについてはセクシーを味わえばいいと思うけど(←)、増田さんと加藤さんの悲しげな表情にセクシーにばかり目が行っていてゴメン…となる。