キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

朝に消えるまで : 『Snow Dance』の歌割りに見る妙

『EMMA』カップリングの各曲についての印象を書きとめておきたいと思います。

まずは『Snow Dance』と『スノードロップ』、雪の2曲から。『Snow Dance』の話が自分の中で盛り上がったのでタイトルにしてしまった…『スノードロップ』ごめん!

(ちなみに”妙”というのは”「いうにいわれぬほどすぐれていること。きわめてよいこと。また、そのさま。」という方の意味で使用しています。みょう【妙】の意味 - goo国語辞書

 

『Snow Dance』:初回A、B、通常版収録

前奏の段階で、頭の中に雪がちらつきました。デジタルのあの丸くてフワッとしてすっと消えていくような雪。 軽くて儚く幸せになれそうもない感じ…←。しかし、舞い踊る雪のイメージはまさにスノーダンス。

そして歌詞もあわせて聴いてみると、パートごとにかなり意識的な色付けがあると感じました。*1

Snow Dance - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

①描写の特徴と内容 ②パートのテーマ(ざっくり) ③歌い方の特徴(分析というより印象)

小山さんパート:

泣きそうに降る粉雪

灰色の空に

明日を探している僕らがいた

静かに舞うため息

夜に溶けてく 夢だけ残して

 ①一歩引いた心理的な情景描写 ②失望 ③感情をおさえた切ない歌い方

加藤さんパート:

もう何もいらない 二人の現在(ばしょ)があるなら

未来などいらない

掌の輝きを絶やさずにいたい

 ①独白的な心情描写 ②抵抗 ③語尾伸ばしめで秘めた熱さを感じる歌い方

手越くんパート:

この夜に抱かれて

叶わないと知って

Tonight

 ①短く強い端的で心理的な状況描写 ②運命 ③高く強い刺すような歌い方

増田さんパート:

君とLet's do the snow dance

今はLet's do the snow dance

今日はLet's do the snow dance

せめてLet's do the snow dance

 ①英語を含んだ比喩的な行動描写 ②慰め ③やわらかく受け止めるような歌い方

 語彙力が無さ過ぎてつらい。”状況描写”って言わないですよね…。ニュアンスで!

 

小山さん(情景・失望)と加藤さん(心情・抵抗)、手越くん(運命・剛)と増田さん(慰め・柔)が互いを補完しあっている印象。一人ひとりが歌うことを最大限に活かし、歌詞においても歌い方においても、たぶんメロディーや音色においても、個々を際立たせるつくりになっているんだなろうなと感じました。同じ人物の心理を様々な方向から語っていておもしろい。個々のパートが層になって重なり一つのイメージを作っているよう。

また、パートの振り分けが絶妙。小山さんの声からはじまるのがしっくり。ためこんだような切なさが板についている。*2 加藤さんの人間味のある声にはだだっこのような青臭さのあるかわいらしさを感じます。手越くんの声は男前。運命を告げるだけある、手越くんだからこその説得力。*3 そして増田さんはやっぱりファンタジーの世界に片足をつっこんでいる。「雪に願うよ」の後の部分大サビ?では地声っぽいささやくような歌い方でドキッとする…ただの感想。

 

一言ずつの部分もやはり同じような印象。

小山:雪の音に隠れ

加藤:君を愛せたなら…

手越:朝に消えるまで

増田:二人Let's do the snow dance

一人1フレーズずつを歌うところ、好きです。まんまと引っかかる幸せw

そして個々のパートが同じ人物の多様な視点を現わすとしたら、最後の最後に全員で歌ったときにようやく人格が統合される感覚があっておもしろい。

 

ふと思いましたが、増田さんの「雪に願うよ」って「雪」を音読みして「セツ(切)に願うよ」 とかけていたりしてますか?してないか。「雪」に願うなんて心もとなさ過ぎるだろう…と思ったもので。この場合は今だけは消えないで的な儚い願いという受け取り方で良いのかな?加藤さんパートで「掌の輝きを絶やさずにいたい」→「~日々が僕らの永遠 ひと時の輝きを忘れずにいたい」とされているので、だとすると「雪」は消えてしまうものと知りつつ、その輝きに”永遠”を見る、つまり「記憶」に留めたいという願いなのか…。

それと、最後のすっと消える終わり方も印象的ですね。朝に儚く溶けたのか、”雪の音に隠れ”て音のない世界へ2人入っていったのか、などと妄想。雪に願って留めた過去の記憶からふと現実に戻った、というようにも思えるかも。すっきりしつつも不思議な余韻がある。

 

第一印象は「ああ…小室ファミリー…」と、電子音 × 冬の歌=小室ファミリーという短絡的な脳みその私は思いました。世代なもので。*4

でも間違いなくNEWSによるNEWSのための曲でした!増田さんの歌割り提案すばらしい。*5 そして、それをNEWSにフィットするばかりか、それぞれの魅力を引き立たせるような上質な形で実現する作詞作曲のヒロイズムさんの深いNEWS愛を感じました☆

 

 

スノードロップ』:通常版収録

スノードロップ - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

あっまーーーーい!アイドル!!な曲、という第一印象。「あなた」呼び!

そして”ドロップ”にちなんだ水音がおしゃれ。花や葉に落ちる水滴のようにも、溶けていく雪から滴る雫のようにも。

増田さんを筆頭に、全体的にやさしい歌い方。加藤さんの声も色んな表情があるなーと感嘆。手越くんのやさしいフェイクが気持ちよい。一瞬静かになってから小山さんが入るところ、そこから盛り上がりがぐんとくるところがやっぱり好きです。あと「足跡は消えていた」の短く切って歌うところ、上がります。

「さよなら 別れの交差点 足跡は消えていた」をどう受け取ったらよいのか…。「愛しくて苦しくて」「沫雪(あわゆき)消える前に ふたりだけの足跡を残して」「これが最後の朝じゃないと」という流れを考えると、やはりこれは一時のみの逢瀬で、それぞれの道に離れ離れになっていくのかなと感じます。こんなにやさしげな曲調なのにナゼ?!いずれは幸せになって~と願ってしまう。終わりはあたたかい朝の光が差すようで、さみしいけれど新たな旅立ちを感じて少し救い。*6

『Snow Dance』と異なり全員が同じ雰囲気をかもしだす。その世界にひたりたい。

 

 

特に『Snow Dance』の初聴き時には、冬の定番路線できたな~と感じましたが、NEWSにはこうしたタイプの冬の曲はなかったのですね?NEWSの冬の曲と言えば『NEWS LIVE TOUR 2015 WHITE』の2曲と『ザ少年倶楽部プレミアム』で披露された2曲という超初心者の私にははっきりとは言えないですが、しっかり住み分けをしながら曲作りをされているんでしょうね。様々な”切なさ”を歌い方でも表現しているのがステキ。(でも、幸せになっていいんだよ?)

それに80~90年代ブームらしいし?『マツコの知らない世界』で「小室プロデュースの世界」とかやっちゃって小室さんが出ちゃうくらいだし?新鮮に聴ける若い世代と懐かしく聞ける大人世代にちょうどはまる設定なのかな~などとぼーっと考えたりしました。幅広い支持を得られそう!

 

2/20追記:

realsound.jp

はわわわ。専門家から見た専門家のお話ってやっぱりすごい。専門家目線でも注目されるヒロイズムさん × NEWS…。

一方、カップリングの「Snow Dance」もアヴィーチー「Wake Me Up」以降のテイストを感じさせるEDMポップなのだが、こちらは清涼感あるシンセの音色とサビの情熱的なメロディが印象的。「EMMA」のような飛び道具感はないが、すごく力の入った曲だ。

つくる人達が込めているものの15%も受け取れていないかもしれないし、自分の感受性にすごくがっかりすることもあるけれど…。こうした情報を補足させてもらって、楽しんで見て聴いていきたい!

 

スノードロップ』が収録されている通常版↓ まだ初回もあった!

tower.jp

 

*1:2/12の『関ジャム完全燃SHOW』谷村新司さん解説で聞いた「目線の使い分け」という話をきっかけに歌詞を見てみました。番組では「主人公が私の物語」「主人公が相手の物語」「第3者から見た物語」「空(俯瞰)から見た物語」という4種の分類が紹介されており、その中では『Snow Dance』は「主人公が私の物語」にあたるかと思います。関ジャム、良い番組だよなぁ。この回では草野さんも取り上げられていてほくほくw

*2:冬の定番小室ファミリーに鼻にかかった声のボーカルの方のイメージがあるからか、小山さんの声がなじみまくってます。

*3:手越くんにはいつか[Alexandros]『ワタリドリ』を歌ってほしい←いきなり願望をつっこむ。

*4:最初「増田さん、マーク・パンサー感ある…」と思っていたのですが(両方になんか失礼)、確認してみるとマークさんはラップなので全然違う。ただ、やさしめの声で英語詞を歌っている点と今回各メンバーの役割がしっかり区別されている点、手越くんとの掛け合いで歌っている点にそういう印象を受けたのかも。強く歌い上げる手越くんの横でフワッと歌う増田さんを想像すると、うーん…おもしろい画になってしまわないかな?と少々不安を抱いたのですが、『ザ少年倶楽部プレミアム』を見たら全然違和感がなく、増田さんもライブバージョンでちょっと強めに歌っており、歌い上げる増田さんの声好きとしては「こっちの方がイイかも…」とひそかに思ったりしたとかしないとか。

*5:たまには歌割りで遊んでほしい派かも。嵐の『Miles away』も新鮮で好き。大野さんありがとぉ。

*6: そう言えば『EMMA』も『Snow Dance』と『スノードロップ』も、朝が来たらサヨウナラ、な曲なんですね。汗