キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

応援歌への共感がうすい人間 vs『U R not alone』

ただ1曲についてしか書いておりませんが、お題に参加させていただきます! 

お題「私のNEVERLAND」

ほかの部分については、いずれ、ただの感想を…。

なお、この記事は前向きに生きている方をイラっとさせる内容なこと間違いなし。(最後は少し盛り返していますが。)しかもほぼ自分語りです。お気をつけください。

 

応援歌へのめんどくさい想い

実は私、応援歌系の歌が苦手なのです。

ここで誤解なく伝えておきたいのは、”苦手”であって”嫌い”なのではないということ。応援歌と言っても多様なものがありますので、中には”嫌い”な応援歌もあります。でも、応援歌というだけで全てが”嫌い”というわけではない。しかし明らかに応援歌と分類されるような曲全般が、強弱はあれどもたいていどれも”苦手”なのです。

なぜ応援歌が”苦手”なのか?それは、他のタイプの曲よりも応援歌には”共感”が必要になってくるからなのかもしれません。応援歌は聴く人を励まし勇気づけ奮い立たせ後押ししてくれる、とても力になる存在。それは素晴らしいことだと思います。言い換えると、自分に重ねて聴きがちな曲なのではないかと思います。メッセージに自分を重ねて、自分自身を鼓舞したり、誰かから力づけられているような気持ちになるから、力になる。つまりは、内容に共感できるかどうかが重要になってくるタイプの曲なのではないかと。

適当な印象ですが、近年応援歌が増えてませんか?なにかと叱咤激励されている気がしています。*1 いつの時代も「恋愛」が共感母数の大きいテーマであることはよくわかるのですが、「応援」についても大分共感母数が多くなっているのではないかと想像しています。(きっと応援されなきゃやってられない世の中なのだわ…*2

なお、「恋愛」は個人の感情の問題だし、基本的に良い悪いはない。始まりから終わりまで、状況もよりどりみどりだし。聴くのがつらい曲がある人もいるでしょうが、「恋愛」がテーマとなっている曲が総じてつらい、ってことにはならないと思うのです。それは、「恋愛」に伴う感情のどれもが、否定されないからです。さみしかったり悲しかったり葛藤や後悔はあったりするかもしれませんが。それに「恋愛」テーマは、物語やエンタメとして聴きやすい。1mmも自分に重ならなくたって問題ないのです。(略奪愛だってエンタメ。)

し・か・し!「応援」テーマは、「応援」されるような状況に自分がない場合には、ガラッと様相を変え、つらくなる可能性が出てきます。なぜなら「応援」がテーマの曲は「応援」されるような何かを持つことが前提であり、進むべきベクトルがしっかり存在するから。夢に向かう努力・あきらめない意志・その結果としての栄光、という”正しく”善き”方向があるのです。そこが「恋愛」テーマの内容との大きな違いなのではないでしょうか。(この状態を「恋愛」テーマに当てはめるとしたら、片思い・気持ちを伝える・両思い、という前向きラインしかない感じ…。振り向かせるまであきらめるな・両思いになった努力すばらしい系しかないというのは「恋愛」テーマだったらありえないよなぁ。)「応援」の曲はあきらめることも何も求めないことも許してくれない。夢があいまいで、情熱も覚悟もなく、努力する気力もないような状態の人間には結構な刃になる可能性があります。もちろんそうした状況だからこそ応援歌によって励まされ力にできる人もいると思いますが、精神状況によっては、責めたてられているように感じていたたまれなくなることも。つまり、私はそういう人間なのです。*3

もし、そうした状況にある自分を受入れられているならば、応援歌を物語やエンタメとして聴けるのかもしれない。ゆとりを持って。しかし「”夢”を追わずんば人にあらず」的な病というか呪いというかを、深く深く刻み込まれてきているものだから、なかなかそんな自分を受け入れることもできないわけです。実際に満足できるような状況にもいないし。*4エンドレスサマー』なんて心に響く曲だからこそ、つっらーい!!「よし、聴くぞ」と気合を入れ、心を整えないと聴けないです。「恋愛」テーマだったら物語やエンタメに変換できるのに、「応援」テーマではそうしにくいのは、内包する”正””善”ベクトルの圧力が強いからなのかもしれません。

NEWSが好きな人には、こんなタイプは多くないですよね、きっと。応援歌に名曲が多いと言われるNEWSだもの。 

ただし、NEWSの応援歌をあまり病まずに聴くことができる技があります。それはNEWSに重ねて聴くこと。NEWSに重ねることで、自分と重ねるキツさを回避することができる。意識的にそうしているわけではないけれど、彼らは応援歌がはまる要素を望まないながら持ってしまっているので、結果的に非常に重ねやすい。そうした聴き方は、NEWSの応援歌においては、珍しくないのではないでしょうか。(いや、むしろアイドルの場合、彼ら彼女ら自身に重ねて聴くことが一般的な気もする。「恋愛」テーマの曲も、エンタメとして仕上がっている場合が多いから(特にNEWSは)自分に重ねるより、ほぼほぼ彼らが演じるイメージに重ねて聴く気がする。曲の聴き方にもアイドル作法(?)があるんだな、たぶん。)

 

そういう人間 vs『U R not alone』の変遷

さて、こんな人間である私は、アルバムにおさめられる曲情報として『U R not alone』というタイトルを知ったとき、恐れました。「絶対応援歌だ…。しかも、タイトルから察するに”オレ等がついてるよ”系?もしそうだったらどうしよう…」と。私だって、”オレ等がついてるよ”系の曲を笑顔で受取ることができるくらいには人間できています。「その気持ちがうれしいよ。ありがとう。」「こういう言葉に励まされる人もいるよね。大事だよね。」とね。(書いてみるとかなり嫌なヤツだな。)「NEWSに重ねて聴く」という技もありますしね。しかし、どうしても埋められない溝はできるだろう、と。久々のGReeeeNの曲で、事前情報からも力が入っていることがひしひし伝わってくるのに、彼らが心をこめて送ってくれる曲を自分がどこかそらぞらしい気持ちで受け取らなければならないことが予期され残念でした。(実際は、字面ほどは深刻には考えていないです。NEWSに似合うアプローチだとも思ったし、良い曲になっているのだろうという期待もしていました。)

でも、実際に曲を聴いたら恐れていたほどではなかった。まず”オレ等がついてるよ”系ではなかった。それどころか、自分による自分へのエールの曲でした。しかもわりと地道で丁寧な応援歌。なので精神をそこまでやられずに聴くことができました。彼ら自身が語るほど「NEWSに重ねて聴く」ことも容易だったし。

それに、こういう気持ちには慣れている。さらに、作品への評価と個人的な好みは位相が異なると考えているので『U R not alone』に対する彼ら(やファンの方々)の熱量についていけない自分に若干の後ろめたさは感じるけれど、好みの問題はどうしようもないという割り切りも通常運転。外部から評価されているし、自分も評価しているあるいは外部評価を正当なものだと感じるし、さらに個人的にも好みだし、なんて3拍子がそろう曲なんてそうそうない。*5 逆に言えば自分の好みではなくたって、何かの文脈で評価できると思えれば、それだけで充分だと。そういう意味では、積極的に「好き」とは言えなくても、『U R not alone』は応援歌として誠実だと思ったし、アプローチもおもしろいと思ったので「良し」としていました。

…とは言いつつも、ライブの情報がほんのり流れてくると、やっぱり合唱するようだとわかってきて、新たな不安が生まれました。ライブに参加したときに、その雰囲気に入り込み程よいテンションで歌うことができるかなぁ、逆に周囲との温度差に冷めてしまったらどうしよう、最後の最後でそんな気分になるのも嫌だなぁ、と。しょうがないとはわかっていても。

 

そんな不安が心の隅にかすかにチラつきながら、NEWSのライブに参加させてもらいました。6/10(土)のことです。

ライブの最後、『U R not alone』が始まり、気がつくと私はこれまでのどんなライブよりも声を出していました。間違いなく。引くほど歌っていました。自分ではそこまで何かのスイッチが入っている実感はなかったのですが、あおられるままに大熱唱。何度もさらなるボリュームアップを希望されるので喉がイってしまうかと思いましたよ。私も声が高いほうではないので、高音はだんだん上がりきらなくなってきて、いっそ裏声に切りかえようかと考えたくらい(笑)本当に大声で歌ったので、音やリズムが外れていたら周囲の人に申し訳なかった。とにかく、こんなに声を出したのは久々でした。

その時は無心に歌っていたのですが、改めてなんでこんなに歌ってしまったのだろうと考えると、理由の一つは、周りも大合唱なので浮く心配がなかったということがあると思います。ダンスでは、行進しながら回ったら、周囲は誰も回っておらず、ばっちり後ろの人達と目があってしまい、もんのすごい恥ずかしかったです。後で増田さんが「みんな回るのサボってない?」的な苦言を軽くのたもうていて「そうだよね!回ってほしいよね!!」とひどく同意した。自分もその1回しか回らなかったのに(笑)ダンスではそんな感じだったのに、『U R not alone』でそこまで行ったのはやっぱり彼らの力だよなぁと感嘆します。

…と書きつつ、よくよく思い返してみると、歌っている時は他の人の様子をそれ程気にしていなかったようにも思います。歌い出しは多少気になった気もしますが、進むにつれて気にならなくなったのかな。他の人達と一緒に歌っている意識はありながらも、対NEWSに集中していたように思います。

では、なぜそうなったのか?最終的にはNEWSに対する信頼が勝ったからかもしれません。(注:ポエムっているのではなく、真顔の感想。)演出の幅を出すためとか、ファン参加のコーナーを設けたいからとか、そういうねらいを超えて、きっと彼らはファンが歌うことをただただうれしいって思ってくれてるんだろうなという信頼。この声を心から喜んでくれるであろう信頼が。だから恥ずかしがったり恐れたりせずに全力で歌えたのではないかと思います。(個人的には、増田さんが歌い出しにつまったことも、最後の一段階を越えさせてくれたきっかけかもしれない。もっともっと聴かせてやるぜ(なぜ上から?)という気持ちになった気がするし、そこで「対NEWS」に心がロックオンしたような。)

そして、やっぱり歌う曲が応援歌である『U R not alone』だったからだと認めざるを得ません。NEWSに重ねて、自分に重ねて、多くの人が歌に想いをぶつけていました。応援歌の力ってすごい、と思わずにはいられない。それに、応援歌を自分が応援したい人に向かって歌えるって幸せなことですね。しかも、それをちゃんと聴いてくれてる!個人的には共感の限界があるものの、応援歌がもつポジティブな面を体感することができたので、恨みにも似た苦手意識は少しだけ浄化されたような気がします。

興奮冷めやらず、帰りはカラオケに歌いに行きたくてしかたなかった。(それよりビールを選びましたが←)

 

そして、翌6/11(日)、21時頃を迎えると、「あぁ、また大合唱しているんだなー」とうらやましく思う自分がいました。一緒に歌いたかったなぁなんて柄にもなく思ってしまった。

で、終演後に流れてきた皆さんのレポが、さらに想像を超えてくるわけです。すごいな、NEWSは、と。毎回エモさを塗り替えちゃって、どこまで持つのかな?なんて余計な心配をしてしまいました。これを杞憂と言うのね。(ちなみに、11日の『U R not alone』関連レポを読ませてもらって私が強く思ったのは「手越くんすごい」でした。だってここまで感情があふれてしまうほどの想いを抱えながら、彼はこのツアーを乗り切ってきたということではないですか。よく途中で崩れずに最終日の最後の最後までおさえて来たなぁと。ものすごい精神力。私が参加した10日にも、彼がそんなになるほど抱え込んでいたなんて気づかせる素振りはなかったと思います。少なくとも私は感じ取れなかった。サービス満点のアイドル手越くんでした。度々書いていますが、私なんかはゆるい人間なもので、そこまで完璧じゃなくていいのにと思ったりします。でも、彼自身はそこを乗り越えることを自分に課していて、乗り越えたことでまた自信をつけ、あるいは自我を保つのだろうと。なので、結局は彼の思う通りにしてくれたらいいし、見守るのみスタンスです。だからこそ、今回のことを彼自身はどう思っているのかが気にはなっていますが、個人的にはむしろ安心した。アイドル現場で心を引き締めている彼はプロだとは思う。でも、特に今回は、ファンとの関係において抱え込んだ気持ちなのではないかと推測しますので、そこで抱え込んだものがファン自身の手によって解かれたのだったらうれしいなと思うし、もしそうなら、ファンとの間にあった緊張感が解かれたことをファンの前で表してくれることも自然なことだと思うのです。そこを見せない必要ある?互いが直接交流できるライブならではのコミュニケーションじゃないか、と。*6

 

とりあえずの決着、そして戦いは続く 

果たして、『U R not alone』は私にとっても大切な曲になりました。

NEWSに重ねて聴くだけでない、自分の体験に重ねられる生身の曲になりました。

『U R not alone』は現実の歌、と加藤さんは言ってくれていたけれど、音源で聴いている段階では、私は自分の現実と結びつけることができていなかった。そういうコンセプトで曲を配置していることは素晴らしいと思ったし、ファンを想ってくれる姿勢にも一ファンとしてうれしく思っていた。でもね。

しかし、繰り返しますが、この体験で私にも「現実の歌」となったのです。NEWSのライブで他の方々と一緒に、自分でも引くほどの大熱唱をした曲。補足するなら、増田さんが歌い出しからつまった曲。(さらに補足するなら、それを他のメンバーがフォローした曲。)まごうことなき「現実の歌」です。

一般的な好きとはちょっと違う角度かもしれないけれど。

NEWSが願っているであろう好きとも違うと思うけれど。

そして、あいかわらず応援歌は苦手だけれど。 

今後『U R not alone』を聴く時は、別の意味で胸がいっぱいになりそうです。*7

 

はー。こんな『U R not alone』記事を書くことになろうとは、自分でも驚き。こんなことを書いている自分はバカみたいだなーというなさけなさと恥ずかしさと、でもこんなに感情的になれるなんて貴重なことだしなーというゆるい肯定と…まぁ様々な感情がわきましたが、最後までたどりつけて、ほっ。

 

いつか私もストレートに何かを追いかけるような日が来るのかな?んー来ないかな?

でも、もしそうなったら。もし大切な何かを持つことになったら、応援歌をたくさん聴いてたくさんの元気をもらいたい。そうなるのも思っていたより悪くないかも…なんて今は少し思います。

 

*1:あ、この頃応援歌が増えていると思うのは、私自身がアイドルの曲をよく聴くようになったからかもしれないです。アイドルは前向き…。そこが良いのよ?

*2:関係ないのだけれど、「負け犬」と「自己責任」が流行語になったのって両方とも2004年なんですね。今は少しゆり戻しが来ているような気はするけど。

*3:「恋愛」テーマに失恋や別れの曲があるように、「応援歌」にも幅があると考えたらもっと楽になるのかなー。例えば「生き方」テーマという大きな枠の、一部に位置づけられるのが「応援」系であると捉えれば良いのかも。「生き方」テーマの中で”正””善”ベクトルが強めのジャンルが「応援」系なのだという風に。そう考えると、「生きていく事など死ぬまでの暇つぶし」と歌う斉藤和義『ジユウ ニ ナリタイ』ジユウ ニ ナリタイ - 斉藤和義 - 歌詞 : 歌ネットとか、「死にたいな 生きたいな どっちでもいいや」と歌う神聖かまってちゃん『芋虫さん』芋虫さん - 神聖かまってちゃん - 歌詞 : 歌ネットとかは、「応援」系とは違うジャンルの「生き方」テーマの曲と捉えられるかもしれない…(とっさに思いついた曲なので、もっとフィットする曲があるかもしれません)。そうそう、2008年北京オリンピックテーマソングのMr.Children『GIFT』GIFT - Mr.Children - 歌詞 : 歌ネットは、人をフワッと支えながら多様性を認める珍しいタイプのオリンピックテーマソングだなと思いました。Mr.Childrenと『GIFT』への思い入れは個人的にはないのですが、今回歌詞を検索してみてほろりとしました。応援歌における癒しキャラだ…。あるいは新ジャンル応援歌と言っても良いかもしれない。さらっとしか見ていないので他の曲ときちんと比較しているわけではありませんけど。さらに余談ですけど、海外の応援歌も気になってチラと見てみたら、ロンドンオリンピックの公式ソングだったらしいMuse『Survival』のアグレッシブさにびびりました。ここまで行けば逆にテンション上がるかも←。応援歌代表として見てみた歴代のオリンピックテーマ曲はすごく興味深かったです。ついつい傾向を検証してみたくなりましたが、本題ではないので汗

*4:私が自分をダメ人間であると思う大きな理由はこの呪いのような気がします。こんなことに心かき乱されるなんてヒマだからだなーとか、いい歳してまったくとか、思うんだけどね。そういう状態だから小中高大学生時代にスルーしてきたアイドルを好きになって、それによって何かを見ないふりをしているのでは、という暗黒系疑いもある。「”夢”って何でしょうね…」と、鬱方面に脱線しそうですが、今回はここらで踏みとどまっておきます。

*5:聴くタイミングも重要だと思う。だからこそ、今の自分の理性にも精神にもジャストに刺さった曲というのは大切にしたい、と思うのです。

*6:脱線しますけど、11日のレポを読んで「増田さんはどした?」と、なっていました(笑)手越くんに対して、加藤さんが…とか小山さんも…という情報はたくさん見たのに、増田さんについてはからんだ情報が入手できず。微妙に不完全燃焼でした←。しかし、翌日のワイドショー映像を見て心の中でちっさくガッツポーズをしました。登場した時、増田さんが手越くんの肩に手を回しているではないですか!!もう!!なにさ!!(冷静さを失っています。)それに映像を見たら、自分の想像だけの時とは気持ちが変化しました。こんな小さなことが引っかかっていたのかと(笑)やっぱりなるべく情報を入れて受け取る必要あるなー。

*7:とか言って、数日後には普通に聴けるようになってしまうのだろうとは思いますが。だから早めの映像化をぜひ。←急な催促