キラキラの方へ。

しがないミソジのゆるふわ雑記

舞い散る桜に息をのみ、『AVALON』に思いをはせたい

前置き:以下は、NEWSの最新アルバム『EPCOTIA』収録の『AVALON』という曲を桜の季節が終わる前にプッシュしたい!という心意気で書き始めたものの、気がついてみると『AVALON』をめぐるあれこれを取りとめなく書いているだけになっていた…と、そんな記事です。

そんなんですが、参加させていただきます!いつもありがとうございますっ。

お題「NEWSアルバム『EPCOTIA』レビュー」

 

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EPCOTIAツアーがスタートしましたね。一ヶ所目の札幌、どうだったのかなー?これから続く各地でもステキなライブになりますよう☆☆☆☆ *1

私が年度末にのまれてあっぷあっぷしている間にうれしいお知らせが次から次へと舞い込んできて、テレビも雑誌もわんさかあって、15周年にすでに置いていかれ気味…(汗)そんなんじゃダメだーっ的な今日この頃でしたので、季節モノ(?)の『AVALON』だけ、急ぎ。桜前線は今どのあたりなのだろう?

 

AVALON』と言えば。

Avalon」とはケルト神話アーサー王が傷をいやすためにつれていかれた、あるいは埋葬された伝説の島だそう*2。ちなみに語源からAvalonに咲くのは林檎という説があるそうだけれど、NEWSのAvalonには桜が舞っています。

さて、いきなり脱線。「Avalon」という言葉、偶然にも昨年知ったばかりでした。それは『amiinA』(あみーな)という女性二人組アイドルのアルバムと曲のタイトルとして*3。アルバムのアートワークもすごくかわいいのです。ジャケットを開くとamiinAAvalon島が現われる*4。メンバーのamiちゃんは狼、miyuちゃんはカナリアというイメージ が歌詞やダンス、アートワークに広がっているってところも、ちょっとNEWS演出との縁を感じてしまいました*5。NEWSは毎回大幅にイメージを変えてくるから、イメージを継続しているamiinAとはまた違うけれど。

というわけで、事前に別の『Avalon』を聴いていたため、NEWSの『AVALON』はどんな曲になるんだろうか…と余計に興味が高まっていました。

 

曲を聴いたときに。

AVALON』を初めて聴いたのは『KちゃんNEWS』。フラゲ日だったのだけど、CDはまだ聴けていなかったし、オンエアは私にとっては寝耳に水。「ええっ待って!まだ心の準備が!!今聴く?聴いちゃう??」という感じで心がワサワサしたまま聴きました。聴き終わって、加藤さんがNEWSの新しい桜ソングと言っていた(たしか)のにも驚きました。私が思い描く一般的な「桜ソング」とは違っていたので。そして、しばらくは恋愛系の曲なのだろうと漠然と思っていました。*6

ところがどっこい。歌詞を見てびっくり。”応援歌”だと思えたからです。こんな”応援歌”もあるんだなぁとぐっと来てしまいました。NEWSってやつは!*7 かと言って”応援歌”だけにも限らない。時期的には”卒業ソング”とも受け取れるし、やっぱり広い意味での”ラブソング”と言っても差し支えないだろうと。しっかり「春」という季節に寄せて、確かに「桜ソング」でありながら、読み取り方を限定しない。その在り方が、ふわっとした花散るイメージとも相性が良い気がしました。

曲として好きで、詞を読んでさらに好きになるというのは、私的には最高の流れ。

それにしても、こういう曲(の詞)って「Don't think. Feel!」ですよね。もう野暮に思えるくらいなんですけど…少し考えたことだけ書き留めておきます。

 

詞のこと。

AVALON - NEWS - 歌詞 : 歌ネット

はじめにGoogle翻訳氏に丸投げした結果だけ貼っておきます。ちゃんとした訳としてではなく、ニュアンスをざっくりつかむ材料として!ちょっと意味が通じにくいとか、分割した方がGoogle翻訳氏にはやりやすそうだと思った部分は分割してみています。それと、間奏については、音の効果としてあえて断片的に書いていると思われる部分を勝手に削除したりつなげたりしていますー。

1番~間奏

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2番

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私の英語力では「Get down in ur heart」が難易度高い…。「ur」は「your」のスラング(俗語)だそうなので、「Get down」もそうした表現?「Don't follow me, Don't follow the crowd」からの流れなので、”自分の心に従え”的なことなんだろうか。どなたか~(泣)

 

主体は誰?

突然ですが、「風に背を押され」「踏み出」し「旅立とう」としているのは誰なんでしょう?歌い手自身が行動や気持ちの主体なのかと思いきや、実はそうでもない。それは英語部分を読んでわかりました。「You are on your own」「Go find your way to Avalon」のように、主語は「You」。歌い手が「You」の状況を描写したり語りかけ呼びかける詞になっている模様。主語があいまいでも成り立つという日本語の特性を、意識的に英語と対比させて活用しているのかな?

では、歌い手と「You」はどんな関係なのだろう?と。歌い手の情報が登場している部分は、「寂しくなったら Come back here 時空 飛び越えて」「Don't follow me」「We gon' Blast」「ここへおいで We'll meet again at Avalon」「涙 溢れたら Come back here 記憶 手繰って」あたり。

「『せえの』で踏み出すけど You are on your own」「Don't follow me」なので、スタートは同時かもしれないけれど、その後はバラバラに進むことになるのだと読み取れます。だけど「We gon' Blast」「We'll meet again at Avalon」からは、共に何かに立ち向かい、同じ場所を目指す”戦友”のような存在に思える。そして「寂しくなったら Come back here」「ここへおいで We'll meet again at Avalon」とか言ってくれる。なにこの自立しつつも、いざとなったら支えてくれる関係。ステキじゃないかー。

 

「Come back here」の「here」と「ここへおいで」の「ここ」は同じ場所なのか?

「寂しくなったら Come back here 時空 飛び越えて」の「here」は「Come back」する、つまりこれから過去になる場所。「涙 溢れたら Come back here 記憶 手繰って」の「here」も同じ場所だと思われます。凹んだ時に「時空 飛び越えて」「記憶 手繰って」戻る場所。「here」は現在地であり、今まさに旅立とうとしている場所なのだろうと読み取れます。

それで、どこへ向かうのかというと「Go find your way to Avalon」、つまり”Avalon”=目的地。

でも、ちょっと混乱しませんか?なぜなら「here」は過去になる現在地を指していたはずなのに、「ここへおいで We'll meet again at Avalon」での「ここ」は目的地であるはずの”Avalon”になっているのです。

そこでヒントになりそうなのが「未来と過去」。「未来と過去 つなぎに旅立とう」「未来と過去 行ったり来たりしよう」という詞です。つまり”Avalon"は未来(旅の目的地)でもあり過去(旅立ちの地)でもあるということなのではないでしょうか。

 

Avalon"とは何なのか?

Avalon"は、やっぱり理想や理想郷のような存在を指すのだろうと感じています。夢や希望などと言い換えてもいい。でも、”Avalon"は未来でもあり過去でもあるというのがちょっと複雑なところ。”未来”の目的地としての”Avalon"というイメージは問題なくしっくりするのですが、では”過去”に存在する”Avalon"とは?それもちょっと考えてみたいと思います。

まず一つ目にイメージしたい”過去”の”Avalon"は、自分の”動機”のようなもの。つまり何かの理想をもつきっかけになったり影響を与えた体験や場所や関係性の記憶。悩んだり迷ったりしたら原点に立ち返る、という表現をする際の「原点」と言ったら良いのかな?そのように捉えてみた場合、『AVALON』で歌われているのは「理想(目的地)に向かって進みだそう、でも気持ちが弱るときがあったら自分の理想(動機・原点)を見つめなおしてね」的に思い描けます。

このイメージは「卒業ソング」にもぴったり。「笑い声は」に続く部分も、卒業っぽい。

二つ目の”過去”の”Avalon"は、ドラマ『anone』で例えてみていいですか?ネタばれしてるので、これから見る方は飛ばしてください。しかもドラマの説明は省いてます(汗)半ば自分用メモ…。自分にとってフレッシュなネタを入れておきたいという欲望…。

『anone』の広瀬すずちゃん演じるハリカちゃんの台詞に「大切な思い出って支えになるし、お守りになるし、居場所になるんだなって、思います」*8 というものがありました。でも、ハリカちゃんの支えになっていた幼少期の”幸せ”な思い出は、自分で無意識に塗り変えた”ニセモノ”の思い出だったことが早々に発覚。現実に起こったことは彼女にとって居場所になるようなものではなかったのでした。そんな彼女の支えは、SNSでのコミュニケーションや擬似家族的関係になっていきます。そうした”本物”ではないと言われてしまうような関係(の中にある”本物”)が、それでも彼女を支えていく。そして最後には、その支えが”ニセモノ”から”本物”に変化。痛みは伴ったものの、彼女自身が”本物”の現実に生きているハリカちゃんになり、また擬似家族の人々とも一緒に何かを乗り越えた結果、未来に続く”本物”の確信がある関係になったのかなと感じました。

”過去”の”Avalon"って、例えばこんな居場所、家族やコミュニティのような存在と捉えても良いかもしれないと思いました。それは過去でもあるし、更新していきたい、自分が新たに築きいていきたい未来でもある。一つ目にあげた動機や原点とも重なりますが、もうちょっと具体的な存在としてイメージしてみました。

最後、三つ目、”Avalon"の一つに位置づけたいのはNEWSです。(何でもNEWSにつなげたがる病。)NEWSは歌い手であり、ファンの人たちと同じ時代を生きている”戦友”です。そして、自分が見聞きし体験した音楽や映像やライブなどの記憶の中の存在(過去)でもあり、先の希望をくれる存在(未来)でもある。「Come back here」「ここへおいで」と呼びかけるNEWS自身が”Avalon”であり「here(過去)」「ここ(未来)」であると捉えると、この呼びかけにぴたっとはまります。

NEWSはその人にとって大切な想いを保持し、未来にわたって具現化していく存在。

そして、この『AVALON』という曲自体も、大切な過去になり、これからも戻れる未来になっていく。

まぁ、詞の全体に一番合致するイメージはやっぱり一つ目かなーと思いつつ←。でもこうやって思いめぐらせてきたのは限定したいからじゃないのです。自分の好きなように捉えればいいじゃない!この部分は、どうしてもこういう思い出と重なる!とかだっていい!私も色々な聴き方でその時々の”Avalon"に想いをはせることにします。(結局。)

 

AVALON』の詞って全体的に使用単語が甘さ控えめですよね。「TearDrops」が少々甘めなくらい?かわいらしいイメージがある「Cherry」に合わせた「Dust」とか「Ash」も効いてるなぁと思います。

ちなみに、2番のAメロは一気に世界が広がっているので、自分なりのぴったりくる落とし込み方法をゆっくり探りたいです。安易だけど、コミュニティ的”Avalon”とかけ合わせると、難民問題とも重なって感じたり。だけど私自身の知識が浅いのでもうちょっとしっかり考えたいかな。(「Angels come along」って『あやめ』だぁ。)

あと、「一枚の欠けらでも」に続く部分に力をもらえるってことと、イメージがぶあっと広がる「花時のアヴァロン」という言葉がものすごく好き、とだけ書き記しておきたい。体言止めが想像を広げる余白になるのかなー。

 

 NEWSと桜ソング。

ところで、NEWSの桜ソングに何か共通点のようなものはあるのかな?とぼんやり思いました。

一般的な「桜ソング」と聞いてパッと思い浮かぶのは、個人的には『さくら(独唱)』『桜坂』のようなナチュラル系の曲です。桜の美しさと儚さをベースに、時期的な要素である卒業(別れや旅立ち)をかけ合わせているイメージ。プラス和テイストだと『春よ、来い』*9 とか。『さくらガール』は、大きくはここに分類されるかもしれません。私の中では。

では『ミステリア』はどうかと考えると、桜のダークネス方面のイメージが強い。死や狂気のイメージ。『夜桜お七』の系列?ちなみにこのイメージには、文学作品、梶井基次郎『櫻の樹の下には』*10(1928年)、坂口安吾桜の森の満開の下*11(1947年) の影響が強いんだとか。*12 日本っぽい感覚なんでしょうか。『ミステリア』も歌謡曲テイストだし。

そして『AVALON』を聴いて思い出したのは、宇多田ヒカルさんの『SAKURA ドロップス』でした。内容ではなく、桜×ピコピコだからかな。

それと、両曲が持つ美しく儚く切ない桜のイメージが重なりました。宇多田さんの桜ってどうしてこんなに切ないんでしょうか。宇多田さんの桜、とか言いつつ、他には『桜流し』しか把握してない人間ですけど。宇多田さんの桜イメージ、けっこう好きです。(『さくらガール』は内容的にはここかも。)

そしてピコピコ系はやはりファンタジー感が増す。でも『SAKURA ドロップス』は心象風景のようで、『AVALON』は自分が立っている世界が抽象化されているような…うーん、そんな違いも感じました。

このように、NEWSの桜ソングは各々のイメージがけっこう違う。同じような曲を作っても…となるのだろうから、そりゃそうか。(私の脳ミソ検索では、桜が直接登場する曲は上記にあげた『さくらガール』『ミステリア』、そして『AVALON』なんですけど…。他にもあるようだったらごめんなさい!)

でも3曲に共通する部分もあるように思いました。それは「散る桜の美しさ」。『さくらガール』では儚げに舞い、『ミステリア』は夜に妖しく、『AVALON』は強い風の中で、という印象。

桜(主にソメイヨシノの花)の歌は、開花の季節、盛りの期間の短さ、散る様子*13等々…どういう面をピックアップするかでイメージが変わるし、「桜」という一言で多層的なイメージを付与できるのがおもしろい。

 

改めて『AVALON』を聴く。

加工された声が絶妙だなぁと思いました。特に手越くんの声は加工と相性がよい気がする!キレイ!増田さんの声は加工されるとさらに音に溶けていきそう。そして加藤さんと小山さんの声って、人間の声っていう印象が強いんだなぁと。良い意味で声に人肌の湿度がある。加工された声を聴いても、生身の人間が音源にいるんだなと思う、と言うか。対して、手越くん増田さんの加工した声って、元々こういう”音声”として存在しているのかも、と思える。無機質にもなり得る声だと感じました。(説明下手が悪化してる。)楽器のような手越くんと増田さんの加工声と、生身感がしっかり残る加藤さん小山さんの加工声、両方でバランスが取れているのかなと。もっと加工して全体を似通わせることもできるんだろうけど、そこまでしないところにジャニーズっぽさがある気もしました。個々の歌い手を大事にするよね、ジャニーズは。っていう勝手なイメージ。

そして、何と言っても、音から空間的イメージを感じるのがすごく好きです。音と詞のイメージが混ざり合って、心の中に光景が広がる。

まずイントロでは声のしてくる方向が楽しい。声の「欠けら」がチラチラ現れては消える。そしてイントロから「CherryDust」に入る前の、どこからか近づいてきてぶあっとぶつかってくる風のような音(シンバルなのかな?)が良い。他にも1・2番のBメロ(?)「一枚の」「一人でも」の前にも入ってくる。でもこの風は自分にぶつからずに上空に吹いたのかも、と妄想。始まりのときよりも音がやさしく広がるので。

風によって舞い散る花びらをイメージさせる音も素敵です。1・2番のBメロ(?)では舞い落ちてくるイメージ。3回目の「一枚の」の静けさ、大サビ前の一瞬の静寂もぐっとくる。間が…すごい。(語彙力。)

間奏は、まぁしぶい。ノイズが入るように、増田さんが途切れとぎれに歌うのがおもしろいです。実は詞を読む前は、間奏にシャレオツ音楽的スパイスの圧迫感のようなものを感じていました。(なんじゃそりゃ。)かもし出す”黒さ”が、桜の光と影の面、一筋縄じゃいかないイメージの幅を演出しているのだろうとは思いつつも、どうしてもオサレ感が迫ってきて←。でも、増田さんはかっこいいし、間奏明けの手越くんへの流れがすばらしいのでOK!くらいの感じでした(何様?)。でも、詞とのかねあいで、その意義が理解できたような気がしています。

 

なぜかリリックビデオの話。

あのね、NEWSもリリックビデオ作りません?

リリックビデオの存在を知ったのが、Youtubeにおススメされて昨年偶然見た時、という浅い知識なんですけどね。強く押したい。開放された音源をアルバムから2曲くらいつくってほしいなーなんて。

ちなみに、今年グラミー賞の最優秀賞新人賞を受賞したAlessia CaraとDJ(音楽プロデューサー?)のZeddの『Stay』のリリックビデオでその良さを知りました。↓コレ。

www.youtube.com

歌詞が中央にシンプルに出るだけなんだけど、MVよりも曲と映像の距離感が格段に好きです。*14

NEWSメンバーが出ないとなると、それはそれで完成度を上げるのが難しいだろうと思うけれど。どうなのかなー?アルバム購入やレンタルのきっかけになったりしないのかなー?「NEWS、意外とイイじゃん」(←誰?しかもなんか古い…汗)みたいなことにならないのかなー?

で、You、Youtubeチャンネルで公開しちゃいなよ、ってね。(もう作ってたらごめんなさいー。)

 

脱線ついでに。

記事を書くにあたり桜の写真を撮ってみたら、私が撮ってもキレイなんだなーとうれしくなったので、ここにペタリ。(後で、すごく恥ずかしくなりそうな予感がする…汗)鈴木理策さんのもどきのもどきのもどきのイメージで。

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↑見えるかな(汗)何気に花びらが一ひらあるのですー。

ソメイヨシノの花びらが大量に吹き溜まっているところも何気に好き。もう少しほしいかな。

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桜を絵や写真で表すことは難しいと聞いたことがあります。それには共感してしまう。特に二次元の表現に、私の中の桜のイメージに近い作品は見つけにくいので。私にとっては桜は空間的、あるいは時間も含めた四次元の存在なのかもしれません。

でも、中にはいいなぁと思う桜もあって、その一つが鈴木理策さんの桜です。

SAKURA | 鈴木理策

凛としていて、可憐。被写界深度が浅い(ピントの合う範囲が狭い)桜、いい。

AVALON』の桜は勢いよく散っているようなイメージがうかぶので、鈴木理策さんの桜が曲のイメージにはまると言いたいわけではないのだけど、私の”Avalon”に咲く花はこんなだったら良いなーと思ったりします。ちなみに写真撮影中、後ろから突風が吹いて花びらが流れてきたときに、すごーく『AVALON』味を感じました。

 

 

以上、『AVALON』いいわー、って記事でした。たぶん。

はー、勢いでつめこんだから内容があちこちに飛んでしまって、いつも以上にまとまらない記事になってしまいました。長いし。わー最後まで読んでくださった方、ありがとうございます…。真っ白に燃え尽きたよ…。(弱い)

さーて、ライブに行かせてもらう前に様々な情報に追いつかねば!そしてアルバム『EPCOTIA』についても書けたらいいなぁ(ハードル低め設定)。よーし!

では。

 

*1:私信ですが、お誘いをいただいたおかげでライブにおじゃまできることになりました。お誘いいただいた方に深く感謝です。今回は行けないという方も多いのではないかな…。私にできることは、とにかく楽しむことだと心得て行ってきます!(いや、アウトプットをがんばるべき?!)

*2:出典なしで失礼します!追々どこかから引っぱってきます。→「Avalon」について追記します~。2018.5.4

「リンゴの島」の意味.ケルトの楽園で,西方の海の彼方にある.そこでは神々や英雄たちは不死のリンゴを食べて生きていた.

山下主一郎訳者代表『神話・伝承事典―失われた女神たちの復権―』(大修館書店、1988)66ページ

事典にはこう書かれているのだけど、それを描写している文献が見つけられなかった…。とりあえずアーサー王伝説の中に登場しているところを一部。

しかし、かの高名なる王アルトゥールスもまた瀕死の重症を負い、そこから彼の傷を治すためにアヴァロンの島へ運ばれた。

(「アルトゥールス」はアーサー王のこと。)
ジェフリー・オヴ・モンマス(瀬谷幸男訳)『アーサー王ロマンス原拠の書 ブリタニア列王史』(南雲堂フェニックス、2007)321ページ

王は船の中から答えて、「安心せよ、わしの命数は尽きた、わしはアヴァロンの島(the Isle of Avalon)へ行って、この痛ましい手傷を癒すのじゃ」と言う。
(中略)
なおある人々の言うところによると、アーサー王は死んだのではなく、ただある地に身を隠したばかりである。いつか王が再び世にあらわれて、イギリス全国を支配する時が来るとその人々は言っている。しかし多くの人々の言伝えによると、王の墓には、次の銘が誌されていたという。「ここにアーサーは眠る、一たび王であり、更にまた王たるべき」

中島孤島『世界神話伝説体系38 イングランドの神話伝説』(名著普及会、1929)287-289ページ

*3:Profile - amiinA Official Web Site ちなみにグループ名は「awake mind into ideal naked Avalon」の略(頭文字)で「空想の世界『Avalon』に飛び込もう」という意味なんだとか(空想の世界『Avalon』にあなたも飛び込もう! ──amiinA・プロデューサー、齊藤州一インタヴュー - OTOTOY) 曲にも”ケルト音楽”と言われる要素がふくまれてます。なお、グループ名の元々の由来は当時のメンバーの名前の合体なのだけど、メンバーが変わったので意味を更新したようです。

*4:伝説の島が姿を現す!amiinA、特殊仕様のアルバムジャケット公開 - 音楽ナタリー

*5:amiinA「Avalon」インタビュー|大きな夢に向けて築いた“楽園” (2/3) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー いつかamiinAのライブで『Canvas』のコールをしてみたい。気持ちよさそうなのだもの。音源のコールも実際にファンの方々が歌っているのだそう。

*6:詞のことばかり書いてるけど、詞は後で読むようにしておりまして。まずは全体を感じたいなぁと。詞を知る前後で二度おいしい、みたいなのもありますし!

*7:NEWSチームってやつは!Ryohei Yamamotoさんってやつは!

*8:記憶がへろっているので http://news.nicovideo.jp/watch/nw3203186 より。せっかく良いドラマやってたのにじっくり考えられなくてもったいないことしてる…。

*9:実は「桜」が登場しない←

*10:井基次郎 桜の樹の下には

*11:坂口安吾 桜の森の満開の下

*12:これネットでチラ見しただけの情報なんで、そういう説もあるんだ~とゆるく受け取ってください。両方ともおもしろいから書いちゃうけど。ちなみに桜のダークネスなイメージを私に埋め込んだのは、文学ではなくCLAMPの『東京BABYLON』です。てへ。読み返さないとストーリーが思い出せないくらい遠い記憶になってしまったけど。このマンガのせいで(違う)、長年「桜守」にミステリアスなイメージをもっていた…。

*13:花びらが1枚ずつ散るというのも桜の特徴なんだとか。

*14:これ、もうインスタレーション作品じゃないですか?本当に鏡を運んで撮影したのかな?自然相手だから、手法はシンプルでもかなり大変なのではないかしら。人が鏡の角度調整しているところなんかを想像するだけでたまらん。それとも鏡や光の部分は合成なの??だったらちょっと悲しいけど、それにしたら良くできてる。

幻が醒めてしまうまで:『madoromi』がまどろめるのは

マイペースに『madoromi』について書いておきたいと思います。入国ラッシュが落ち着いてきたであろう今、…と書いていたらアルバムと連動キャンペーンの情報までがどどっと押しよせてきた今、なんですけれど。実は私まだちゃんと入国してないんです(汗)めずらしく少々立て込んでおりまして、気持ちが持っていかれてしまうと仕事に支障が出るかもしれない…という恐れから。(単に時間の使い方と気持ちの切り替えがヘタなせい。)で、ようやく少し余裕ができたので、ぼやーっと考えたことを入国前に書いておこうと。専門的でも何でもないから、「『madoromi』やばい。」の一言以上の意味があるのかどうかわからないけど、いいじゃないか、素人があれこれ考えても。ってことで、よろしくお願いします。
あ、『madoromi』とはNEWSのシングル『LPS』の通常版に収録されている曲です。(みんな知ってる。)

 

まずは私の感想から。
ざっくり『madoromi』の空気感が好きだなーと思っています。奥底に何か抱えながら、最終的には羽根布団みたいなふわっとした存在感になっているところが、すごく。羽根布団じゃ情緒がないけど、相手を包み守りあたためて、けれども圧はない、そんなところが。まどろみだけに☆(うまいことは言っていない。)そこで、その絶妙な空気感を生み出しているものが何なのか考えたいと思いました。

 

詞における、「君」と「僕」の距離感

madoromi - NEWS - 歌詞 : 歌ネット
詞の中には「君」について具体的なことが何も書かれていないことに気がつきます。同様に「僕」についての説明もない。ただただ「僕」の想いがつづられていきます。状況としてわかるのは、「僕」は「君」が好きで、二人には短くはない期間の、次いつ会えるのかわからない別れの時がせまっていることだけ。*1 二人の関係性については聴く人のイメージにゆだねられています。
この曲を聴いたとき、“手紙”みたいな詞だなぁと思いました。“置手紙”の方がぴったりくるかな?「君」を残して去る「僕」が、まどろんでいる「君」を起こさないようにつづっている置手紙、あるいは語りかけている別れの言葉のような。そんな雰囲気。
そう感じさせる理由の一つは、すでに書いたように「君」に宛てた「僕」の想いのみが語りかけるようにつづられていること。手紙なら第三者に自己紹介や状況説明をする必要はないわけで。もう一つは、詞の中にストーリー的な時間経過がないこと、かなと思います。「こうだったけど、こうなった」みたいな描写はなくて、一気に書き上げたような内容なので。
“手紙”っぽいことは、「君」と「僕」の間にワンクッションはさむ効果がある気がします。“手紙”は「君」に伝えたい「僕」のメッセージであって、そのままの「僕」の内面描写ではないから。

詞を読むまで気がつかなかったんだけど、「きみはきみのままで」の部分だけ漢字ではなく平仮名の「きみ」になっています。そのため、ここだけ「僕」の言葉ではなく、引用のような、定型句やよくあるワンフレーズ的な表現のようにも受け取れる。この言葉を「君」に送る、という感じの。そう思って聴くと、手越くんのこの部分の歌い方がすっと収束しているのがより切ない。

 

ただし、“手紙”っぽくないところもあります。

幻が醒めてしまうまで
せめて グッバイ ah グッバイ ah

「ah」という感嘆詞もあって、ここに一番「僕」の感情があふれている。気持ちを抑えて「君」にメッセージを送っていたけれど、不意にメッセージではなくなる瞬間。
ここの詞って、けっこう不思議な気がします。「せめて」の後に続くのは願望のはず。だけど、続くのは「抱きしめたい」とか「笑って」とかではなく、「グッバイ」という別れの言葉。つまりは別れを告げることもまともにできない状況なのだと思われます。
その前にあるのは「幻が醒めてしまうまで」。ということは「幻」の中でしか別れを告げられない状況、という風に読める。二人は「幻」例えば夢の中でしか会うことができない関係。「僕」は「君」の夢に訪れ、「僕」を想って流がす「君」の涙に心を痛める、みたいな状況なのかなって。
だけど最後に、「頬を濡らした涙は 君の明日を咲かせるだろう」と告げる。そうであってほしいという願いを込め、そっと自分自身に言い聞かせるように。*2

安直な人間なので、二人の関係を裂くのは生死なのだろうと捉えていました。「夢枕に立つ」的な。でもNEWSだけに、「僕」が異次元の存在という捉え方もありですね。アルバム情報を聞くと、なおさらw 「空に浮かべた船」は比喩ではなくそのままの意味で、この曲は“かぐや姫”ならぬ“かぐや王子”の別れの言葉なのかも、なんて。どちらにしろ、ばり切ない。
そして、そういう「君」と「僕」のほんのり間接的な関係の描かれ方が、『madoromi』の空気感のベースになっていると感じます。


NEWSの歌声における、内なる想いと表現の間

『madoromi』の声はやさしい。歌についてもノー知識なのですが、そう感じます。(強行。)
例えば『恋を知らない君へ』のように、あふれる想いを吐露するような歌い方ができるNEWSが、『madoromi』ではとても抑制的に感じます。詞の世界観もあって、届けたい気持ちはあれど、直接強めに訴えかけたいというよりは、寝顔に向けて話しかるような、半分独り言のような、近くに感じる歌声になっている。
まず、各メンバーの歌声が全体的に空気感ましまし。加藤さんの声のあたたかさは安心感。小山さんの息のもれにはささやき感がすごく出ていて、世界観をより鮮やかにしているように感じます。手越くんの声もいい。のびやかでありながら、手越ビブラートはひかえめ。たぶんしっかりしたテクニックのベースの上にあるナチュラル感。*3
もう一つ、やさしい雰囲気を出すのに絶大な効果を発揮しているのがファルセット*4 の多用ではないでしょうか。増田さんをはじめ、声の繊細さが強調されています。

そうやって、抱いている悲しみや葛藤をそのまま押し出すのではなく、どうやって「君」に伝えようかと一息置いてから発しているようなところ。ここにも空気感の元があるように思います。

 

個人的に、ライブでは歌い上げたいところをなんとかこらえてもらって、吐息交じりで歌って!お願い!と念じています。ライブならではの張った声が大好きだから悩むところだけど、この曲だけはやっぱり。是非『madoromi』だけマイクのセッティングを変えていただいて、お願いします。その前に、私はライブに入れるのか?という根本的な疑問は置いておいて。入れなかったら、円盤で見るからさ…(涙)


曲における、歌と演奏のメロディーの関係性(言葉の使い分けがうまくできない…汗)

注:専門的なことが全然わからないから、さらに感覚に頼って書きます。
『madoromi』は、歌声に対して、演奏がいい意味で寄り添い過ぎていないように感じました。例えば、1番の最後、増田さんの「咲かせるだろう」が終わりきらないところで、後ろの演奏は次の展開に移って行ってしまいます。そのため増田さんの「咲かせるだろう」がその場にふわっと残されて、浮遊して消えてゆく感じがする。
2番に入るとリズムも加わって盛り上げつつスムーズに流れていくのだけれど、増田さんの「照らす明かりになる」のところでふっと引いてゆく。1番の同じ部分よりも潔く。さらにその後の押し寄せっぷりが見事。そのタイミングも。
最後の手越くんのパートでも、1回目の「咲かせるだろう」の途中では、増田さんのときのように一足早く次の展開を導き、最後の「咲かせるだろう」では、逆に手越くんのメロディーラインがちょっとしたずらしを入れてくる。定石ではない、ベタさにまぎれない、すとんと落ちきらない感覚が印象に残ります。演奏はここが落ち着いてからすっと現れて、盛り上げ過ぎずやさしくおさめる。
歌のメロディーとは異なるメロディーが奏でられているのも素敵です。1番の「風に吹かれて 見えない場所へ」の後ろでゆるやかに流れるメロディーが好き。浮遊感が出る気がする。

こうした歌と演奏の関係性の“間”というか絶妙なズレのようなものも、外せない効果になっているのかなぁと。(音色とか、きっと他にも色々あるんだろうけど、私の能力ではここが限界だった…。)

 

そんなこんなで、詞、歌声、曲全体がつかず離れずの(…と言うよりは、くっついているけど離れていると言った方が合うかもしれない)絶妙な距離感でいてくれることがあいまって、この空気感が生まれているのではないかと思いました。
まどろめる、これは。間違いない。こんな風に考えるまでもなく。
作詞作曲のKacoさん、編曲のトオミヨウさん、そしてNEWSとNEWSチームのコラボ、すばら。

 

最後になりますが、イントロが舟をこぐ音に思えてならないんです。「空に浮かべた船」は「舟」じゃなくて「船」だから、大型っぽいんですけど、私の中では櫂でこぐような小さな舟のイメージ。掛け合いみたいなピアノとリズムの音が、櫂をこぐ音と舟が進む音のように感じています。イントロ終わりのピアノの高音は、進んでいた舟が目的地に着いて止まったということ、あるいは舟先が船着場か何かに軽くぶつかったところかなぁと想像。迎えの舟が到着したことに「僕」が気付いて歌がはじまる…。
実は、これのイントロについての妄想が、一番書きたかったことだったりしました。(知らんがな案件。)イントロ、好きなんだよね。寝息と鼓動みたいにも聴こえて、それも良いなぁ。(それにはちょっとリズムが速いかな?)

 

って、ああ!『LPS』のジャケットについて書いてなかったことを思い出しました。「かっこいいよ、君ら…かっこいい」これにつきる←誰。なんなんですか、あの決めすぎない決め顔。もう笑っちゃう。口を半開きにするんじゃない!口を!(ほめてる。)LoveにもPeaceにもSmileにも縁が薄そうな雰囲気をジャケットにもってくるところが、一筋縄じゃいかない大人感…なのかなと。

 

よし、これですっきり入国できる。*5 とりあえず良かった。みなさま、ハバナイストリップ!ぼんぼやーじゅ!すてきな旅を!って、遅くなりましたけど。宇宙旅行に出る前に急がなくちゃ。では、行ってきまーす。

 

 

*1:あえて書く必要はないかもしれないですが、短くないと感じるのは、「忘れないで」「ままで」「時をめくる度に 忘れて行く事があっても」「いつになっても宝物さ」「いつか(中略)なる」などの、時を経る表現が多用されているからです。

*2:「僕」は「忘れないで」と言いつつも、「悲しみなんて」と自分の存在を突き放したような言い方もする。「忘れないで」は「僕」自身の願いでもあり、自分の不在を耐えなければならない彼女を支えたいという想いの現われでもあるのかも。ひたすらに「君」をあんじ支えるメッセージの中に、見え隠れする「僕」の想いがつらい。

*3:「風に吹かれて」のところが無性に好き。

*4:で、あっているのか?

*5:と、書いているうちに、色々と考えさせられることがありましたが、それはいったん置いておきます…。

生きることをやさしく肯定する:『LPS』収録曲の相乗作用

やることが終わってないんだ…。だけどガマンできない!ってことで書きます。ダメな大人也。

 

NEWSのシングル『LPS』。表題曲の『LPS』は「”愛・平和・笑顔”をテーマにした本作はNEWS史上最も”ピース”な一曲」「等身大で暖かな応援歌」と宣伝文句にありました。『U R not alone』を経たから歌える曲だと。

確かに「応援歌」であると思った。「”ピース”な一曲」でもある。それは間違いない。

けれどなんとなく落ちきらないものを感じていました。この曲のテーマ”愛・平和・笑顔”が意味するのはなんなのか?と。確かに詞にはある。けれど、なんとなく漠然としているなぁって。

異を唱えているんじゃないんです。ただ、言葉だけだとずいぶん大きなテーマ。それと「等身大」との重なり具合が消化しきれていなかったのかもしれません。

それで、『LPS』は何を応援しているんだろうって考えました。

『LPS』が応援していることって、少なくとも、何かの勝負に勝つこと、夢をかなえること、両想いになること等々、「自分が得ていない何かをGETしろ」という方向性の”応援”ではないように感じます。

言葉出せなくたって

想い届くんだなって

カタチは悪くたって

自分らしくいようって

努力至上主義の中ではこうした表現にはならないはず。

そうして思い至ったのが、『LPS』が応援しているのは「生きること」そのものじゃないかってことでした。

心帰る場所なんてなくて

もがくばかりで疲れ果てた道

それでも希望は胸に

”くそったっれ”はゴミ箱に

大丈夫。なんとかなるから

「希望をもって生きること」。これは「夢をかなえようと生きること」とは似ていて非なるものだと思います。

 

ここでちょっと一人語り。人がどうやって生きていくのかというふわっとした話。

「夢をかなえようと生きていく」、それは自分があきらめさえしなければ可能だと思います。あるいは、夢のスケールダウンしていけば、身に程よい夢を持てば、いつかはと思いながらずっと生きていくこともできる。実は私はそういうタイプ。消費期限のない漠とした”夢”だから、環境に甘えているんですね。

でも、そうしたことだってできなくなることもある。

私がずっと印象に残っている言葉に2012年の24時間TVで松本潤さんが指揮者として参加した石巻好文館高等学校吹奏楽部のたしか部長さんが松本さんに読み上げた手紙の一説があります。

「この先に何が待っているかはわからないけれど、未来を信じて、私たちは故郷の復興とともに進んでいきます。」*1

私が衝撃を受けたのは「この先に何が待っているかはわからないけれど」という言葉でした。(私は「これから何があるかはわからないけど」と覚えていたけど。)人が”夢”を語るとき、たいていは不確定要素は度外視している。自分が努力すればかなうんだっていう前提のようなものの上に立って語ります。だけど自分が想定していなかったことが起こることを、彼女たちは歳若くして体験させられた。それが、この手紙に端的に現れていると思いました。

”夢”をずっと変えずに生きていける人もいるだろうけれど、どうしても変えなければいけなくなった人もいるかもしれない。そして思い描いていた”夢”を奪われた人だって。

災害、事故、事件…。そんな大変なことでなくたって、自分を取り巻く状況が一変することはあります。

そうした場合、何が何でも元の”夢”に戻らないといけないの?って思うのです。そうでなければ、自分は”夢”をあきらめたんだって思いながら生きなければならないの?”はずれ”の人生だったって思わなければならないの?*2

そんなことは絶対にない。生きていることは肯定されるべき。

「未来を信じて」「それでも希望は胸に」。

そして”夢”は、きっと、いずれ、必要なときが来たら、新しく描かれる。それはあきらめじゃなく、堕落でもなく、消極的なことでもなんでもなく、とても力強いことだと思うのです。

「希望をもって生きること」と「夢をかなえようと生きること」とのニュアンスの説明になっているかわからないけど。自分に主軸があるか、”夢”に主軸があるかの違い、なのかな。※『いつでも夢を』のような”夢”は”希望”と同義であると思います。

 

でも、この曲は力強く高らかに宣言するようなタイプではないですよね。ものすごい大きな困難にぶち当たったときの曲でもない。

もっと日常に、ささやかに、やさしく、寄り添っている。

この曲に出てくる「世界中」も、一般的に「世界平和」というような言葉にあるイメージとは異なるように思えます。そうじゃなくて、生きていることで感じられる「世界」、生きることそのものに対する祝福のような。『LPS』において”愛・平和・笑顔”が意味するのは、人が人らしく生きること。そんな気がしています。

ころんでしまったときも、足を休めているときも、遠回りしているときも、少し後戻りしているようなときも、生きることを肯定する。そんなことを感じられる応援歌を阪神淡路大震災の起こった日に発売したNEWS制作陣もコンセプチュアルです。

そういう意味では『U R not alone』を経たからこその、存在自体の肯定に至ったということになるのかもしれません。テーマは大きいけれど、足元の曲。 


実は、最後に聴いた『madoromi』によって、『LPS』の形が私の中でぐっと立ち上がってきました。『madoromi』を聴いた後、改めて『LPS』に収められている曲すべてが「生きることをやさしく肯定している」と感じた。そんな視点で、ちょいと感想を書いておきたいと思います。

 

『LPS』

作詞はヒロイズムさんとHacchin' Mayaさん。Hacchin' MayaさんってNEWS曲をいくつも手がけておられますが、『ポコポンペコーリャ』もなんですね!肯定感が重なる気がします。実は『ポコポンペコーリャ』の世界感大好きなんでえへえへしました。*3

「Wa la la la」が主で、NEWSメンバーが歌う部分が( )内なのすごくないですか?「Wa la la la」を観覧の方々が歌うのを見て、すんごいぐっときてしまいました。あの空間、超ピースフル。

個人的には増田さんの「”くそったれ”はゴミ箱に」がハイライト。最後がすっと終わるのも良い。

 

「生きることの肯定」という視点において、外せないのがMV。『LPS』のMVはナチュラル感がすごい。加藤さん→田向潤監督への流れはどんなものだったのだろう?

まず、朝日で撮るって天才じゃない!?って思いました。朝日は希望。本当に良く晴れた(笑)

それと、海辺を歩くワンカット撮影。*4 屋外で、自然光で、隠れるものがない状態での。その効果で、一人ひとりの空気感や、4人で一緒にいるときの雰囲気が感じられる気がします。それが自然体や等身大といった曲のテーマを、視覚的にも伝わるものにしている。

『NEWSICAL』の贈り物とつながるオブジェを形作っているのは、元々は”何か”だった物たち。いったん解体され、バラバラになり、かけらになった物が再構築されて、新たな形になって命を得る。そんなイメージがわきます。しかもハートの形。「心帰る」のは建物とかの具体的な”場所”じゃなくって、気持ちのやり取りや記憶といった”ハート”なのかな。

なんでCMとかになっていないんだろう?保険のCMとかに使おう? 

 

『NEWSICAL』

『LPS』の希望をよりかわいらしく楽しく。

あふれる幸福感が、もうそれで肯定。「だって X'mas time」だし。それでもっていってしまえる幸福がクリスマスにはある。「生きていると幸せ喜び悲しみ 色んなものが降りそそぐ 明日への希望、それこそが今日の喜び X'masはそんな日だ」。加藤さんが『NEWSICAL』のストーリー制作を話し合う際に、ホワイトボードに掲げられていた「軸となるテーマ」。これだな、って思います。

色々言いたいところなんだけど、別脳使わないとならないので、とりあえずハロウィーンターンの『BYAKUYA』感を。『BYAKUYA』の演出の物語っぽさが『NEWSICAL』企画の呼び水になったりしていそう。

 

『チェリッシュ -Represent NEWS Mix-』『真冬のナガレボシ -Represent NEWS Mix-』

聴く前に勢いにまかせて書きましたが、こうして『LPS』の収録曲にはさんで聴くと、改めてはまり具合がなんとも言えない。

『LPS』全体で聴く前は、この2曲から感じるあたたかさを「感情の深み、複雑さ」と表現しました。でも、こうして通して聴いてみるとそれだけじゃない。根本的に人に対する気持ちがあたたかいんだなぁと。しつこくて申し訳ないけど、つまりは存在の肯定。両思いの人にも別の道を選んだ人にも、そして自分自身に対しても。やさしい肯定感がしみます。

歌い方には自然体な雰囲気が増しているような気がしました。ぬけ感のようなものが。『チェリッシュ』は手越くんの優しい声にキャパオーバーしそう。声が流れるように混ざり合うのも心地よい。『真冬のナガレボシ』すごく良い曲ですね。『チェリッシュ』にしか反応していなかったのを反省する。全体の勢いのようなメリハリのようなものがすっきりしたように思いました。以前の曲には丁寧さを感じる。だから、以前の曲では君への想いをまだ忘れられずにいる雰囲気を、今回の曲では幸福な思い出へと昇華していっている雰囲気をより感じるような気もします。

ずっと歌ってきたからこその変化でもあるのだろうな。

 

『madoromi』

この曲が『LPS』というシングルをより濃く性格付けていると感じました。

君を好きなこと

また会えるまで 忘れないで

僕が隣にいなくても きみはきみのままで

君と出会えた日は

いつになっても宝物さ

頬をぬらした涙は

君の明日を咲かせるだろう

圧倒的な肯定につつまれる。

一緒にいてもいなくても、記憶の中でも、いつまでも。

「空に浮かべた船」「見えない場所」といった、そこはかとない永遠の別れの香りも、切なさと共に、それでも生きて会えたことの幸福を呼び起こします。

 

そして、この曲が一人ひとりの声を届けることに徹していることも一つの強いメッセージ。個々がいきている、一人ひとりとして大切にされている、って言うとありきたりな表現になってしまうけれど。NEWSならではの表現として定着してきているのですね。

1番での増田さんのグッバイは2回ともファルセットで儚くやさしく、そして2番の手越くんのところは1回目はファルセット気味で2回目はストレートにそのままで力強く行くところ、本当に好きです。小山さんの歌唱部分は、そんなこと言わないで…って思うほど切ない。*5 加藤さんの歌声には安心感がある。

作詞・作曲のKacoさんが入れてくれていた歌声はどんなだったんだろう。Kacoさんの声も素敵だから聴いてみたくなりました。最後の「咲かせるだろう」だけ音が異なるのもすごく良い。*6

アレンジでは、1番の「きみはきみのままで」の間にはピアノが何度か入るのに対し、2番の同じ部分「照らす明かりになる」では途中のピアノが省かれていて、弦楽器(だよね?)でのじわじわとためて集約感が増していくところが好き。最初、1番と2番が違って聴こえるのが不思議でした。*7 ちなみに「きみはきみのままで」だけ「君」じゃないの、なぜなのでしょうね。なんとなくセリフっぽい定型句的印象が増すような…。色々に受け取れそうな気がします。 

詞とメロディ、繊細なアレンジ、NEWSの歌声があわさって、全体から何かがあふれ出している。 

 

『madoromi』には応援という言葉より、支えてくれるという言葉が合いそう。私には「応援歌」ならぬ「よっかからせてもらう歌」というのが何曲かあって、気分が落ち込んでいるときには、そこでしばらくぐったりさせてもらっています。ただ、そばにいてもらう曲。起き上がらせようとはしないで、ただいてくれる曲。『madoromi』もそういう曲だなぁと思いました。まどろんで聴いているよ。

余談ですが、『madoromi』を聴きながら夜の繁華街を歩くの、良かったです。日が暮れた新宿の歌舞伎町を歩くということがあったんです。いかにもなシチュエーションだけどねらったわけではなくて。行きは『madoromi』とのギャップを楽しんでいただけだったのですが、帰り道にぶわっとイメージが広がりました。機会があったらやってみていただきたい。

映画の主人公になったような気分になります←。

それは最後のシーン。主人公はこの曲の語り手である”彼”が亡くなったこと、あるいは二度と会えないことを知らないでいて。でも、”彼”との思い出はとても大切なものとして心に留めて支えにしていて。*8 あるいは、もう記憶ははっきりしないのだけど、あたたかい面影として残っていて。そして”彼”は、自分が死ぬこと、あるいは一緒にいられる時間が限られていることをわかっていながら、それを隠して主人公を支えていた。その後二人は別々の道を。主人公は、”彼”との記憶をそっと胸に、都会の喧騒の中で現実に向かって一人強く生きている。…そんなちょっとビターな映画。(我ながらなんてよくわからん説明。)

『madoromi』が似合うシチュエーション選手権があったら、海も間違いない。海に行く機会があったら聴いてみたいです。

 

 

と、いう訳で、どっこも逃せないです。『LPS』は。初回AのMVも、初回BのRepresentも、通常版の『madoromi』も。MVメイキングもカラオケも書ききれなかったけど、発見がある。

『LPS』は全方位肯定*9。全てが『LPS』というシングルの性格を形作っていると感じました。個別でももちろん良いけれど!

疲れている人には特に聴いてみてほしい。こうやって肯定されると、逆に「あぁがんばりたいなぁ」なんて思ってしまう。甘やかされてるなぁって。安心してぐっすり眠って、「じゃぁ、そろそろ行こうかなぁ」ってゆっくり歩き出せる気がします。

 

そして最後に。ちょっと「やべーヤツ」になります。*10

私自身はこのやさしさに値する人間だろうかと考えてしまいました。

私はこんなにあふれるやさしさを享受できるような人間じゃないなぁって。

これは彼らの自己実現であって、ただありがたくそれに与れば良いんだって言えばそれはそうかもしれない。でも今回の愛はとてもとてもやさしくて。やさしさのミストで包まれているようで、どこで息を吸えばいいのかわからなくなるくらいなものだから、いたたまれなくなるのです。『NEVERLAND』のソロでぶつけられた愛とも、また違う感覚。

あと、こうしたやさしさをNEWS自身はもらってるかな?って。小山さんのこととか、心配になるよ。ってなんだか、痛い気持ちが発生しました。私に心配されるような、やわな人たちじゃないってわかってはいるけど。

私はちゃんとした「ファン」じゃないから、彼らに返すとかっていう意識も乏しいし、今後もそうだと思う。関わり方にだって波があるし、たぶん変わってもいく。

それでも、今は彼らに伝えたいなぁ。

素敵な曲をありがとう。

 

あとね、ライブに行きたいです!←

 

*1:映像撮っていなかったので、いくつかのブログで確認させていただきました!こんな素敵なページもあったんですね。→第10回 吹奏楽部「24時間テレビ」武道館で演奏 – 宮城県石巻好文館高等学校 もちろん、石巻好文館高等学校吹奏楽部の皆さんと松本さんの挑戦が素晴らしかったことは言うまでもありません。

*2:『anone』要素を入れてみた。

*3:あと、Hacchin' Mayaさん作詞の『Wake Up』は「ため息で始まる 今日という連続」でスタートするんですね。ため息で始まって、ため息で幕降りるって、どんだけ「ため息」が好きなんだ、と。(違う)

*4:歩くワンカットMVとしてぱっと思い出したのは嵐の『復活LOVE』。(見直したら全然ワンカットじゃなかったけど汗)比較してみると、アプローチの違いがわかりやすかったです。いやーメイキングがおもしろいw

*5:by『逃げるは恥だが役に立つ』の風見さん

*6:『愛の賛歌』に重なるのはすごくわかる。『愛の賛歌』くらい有名な曲であれば、本歌取り的なことなのかな。ちょうど『越路吹雪物語』も放送中だしね!

*7:編曲のトオミヨウさん、土岐麻子さんの曲も手がけているのですね。なんだかうれしい。Cymbals世代で、その頃からたまに聴かせてもらっているので。

*8:あかん、また『anone』が。

*9:『全方位全肯定』はGOING UNDER GROUNDのライブイベントの名称。(急にぶっこんだ。)キセルとミツメとのライブを再調整してもらえるとうれしいなぁ。でもって、彼らまで今年がCDデビュー20周年って。『かよわきエナジー』はMDに入れて何度も聴いた。自分の年代を感じる(汗)

*10:by『監獄のお姫さま』の大門さん